ヘルプ・そして余裕の笑み
3本同時の弓が飛び、龍帝の体に傷をつける。
「これは厄介なエルフの登場って奴か。てことで俺はもう帰る。この勝負に飽きたしな。じゃあな!勇者様♪」
「待て!」
突如現れた闇に飲み込まれて消えた。
「・・・・・消えた」
スタッと地面に降り立つと彼女が近寄ってきて
「ご無事ですか?」
「うん無事だよ。君こそ大丈夫?」
「お気遣い感謝します。私は大丈夫です」
「そっか」
「罰様~!はぁはぁ、大丈夫ですか!?さっき罰様が向かった先に凄い炎が見えて、飛んで来ました・・・はぁ」
息を切らしながら、私達の元へ来る彼女の姿を見ると凄く心配してたんだろうなぁーて分かる程の必死さ。
「とりあえず息しなよ」
「はい・・・・ごめんなさい。はぁはぁ」
「ミネル様。どうして此処に?」
「魔王を倒すために仲間を集めていて・・・・隣の彼女は勇者様の罰様です!」
何故か誇らしげな彼女を、理解できない目で見る。
「そうなんですか!!勇者様!あ・・・・」
目を逸らし、言いにくそうに口ごもりだす。
「?言いたい事があれば言えよ」
「・・・・・けて」
姫と私は首を傾げる。
「助けてください!勇者様!!回復魔法じゃあ誰も守る事が出来ない。
魔王軍の幹部がこの国を支配しています。皆を救って欲しい。私は何でもしますから・・・・弱い私の代わりにフォーリー大国を救ってください!!」
今にも土下座しそうな程の、ヘルプを求められたら
「その人を治療する回復魔法、私使えないから羨ましいなぁ。だから、私が出来ない分野は、君がカバーしてよ。その代わり
君の出来ない分野は私が引き受けるし」
ぱぁーと明るい表情に変わり、涙を浮かべながら
ありがとうございます!!と述べた。
「で何処?その私にはむかう愚か者は」
自分の拳と拳をぶつけ合い、余裕の笑みを浮かべた。