表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

イルカとの戯れ

それからまた少し経った日の夕方。愛とるかは海に出かけた。お昼にはそれなりに人がいる砂浜も夕方となると人気がなかった。夕焼けが綺麗で二人は砂浜に座って空と海とを眺めていた。一瞬海に黒い影がよぎった。なんだろうと思っているとまたよぎった。

「ねぇ、お姉ちゃんあれって…」

「うん。イルカだね。」

「鳴き声も聞こえるね。なんか近づいてきてない?」

二人が立ち上がってみるとたくさんのイルカたちがこっちに向かって泳いできていた。

愛が(お姉ちゃんが倒れた時もこうやってイルカたちがきてくれたな)と思っていると、るかがふいに

「一緒に遊ぼうって言っているわ」と言った。

「なんでイルカたちの言っていることがわかるの?」と愛がきくと、るかは

「なんでかわからない。でも確かにそう言っているの。」と答えた。

二人がイルカたちに近づくとイルカたちは二人の周りをくるくる泳ぎ始め、二匹のイルカが二人を背中に乗せてくれて海を泳ぎ始めた。残りのイルカたちもそれについて泳ぐ。二人はとても楽しくて時間が過ぎるのを忘れていたけど、イルカたちは二人を砂浜の近くまで送ってくれて

[お母さんとお父さんに怒られないように急いで帰るんだよ。]と言って帰っていった。

二人はイルカたちの姿が見えなくなるまで並んで海を見つめていた。

帰り道、歩きながら愛はぽつりと呟いた。

「あの本を読んでイルカと遊べたら楽しいだろうなと思っていたけど、まさか本当になるなんて。名前も同じだしあれは魔法の本なのかな。それとも今起こったことが夢なのかな。」


月日は流れ、るかは高校生、愛は中学生になった。るかは頭がよかったので隣町の偏差値の高い高校に進学した。家から遠いこともあり、家にいる時間が減った。愛は明るい性格だったので、放課後や休日は友達と遊びに出かけることが多かった。前のようにるかと海に行きたいと思ったことは何度もあったが勉強で忙しそうな姉の邪魔はできないと思い、我慢していた。友達と遊んだり勉強したり恋をしたりするうちに愛はイルカたちのことを忘れていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ