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貴方の才能、買い取ります  作者: 火野陽登《ヒノハル》
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第02話

こんにちは、火野陽登ヒノハルと申します。

至らぬ点もあるかと思いますが宜しくお願い致します。


小説投稿サイト【カクヨム】にて同名で投稿しております。他にも色々と謎の文字列どもを投稿しております。

素人の拙い作文ですが、もしご興味あればお越しいただけると幸いです。


 お忙しいと思いますのでホントにお時間可能な限りで結構です。

いやもうホント、私のしょーもない謎の文字列を読むくらいなら、作った折り鶴に片端から制汗スプレーをかけ続けていた方が幾分マシかと思いますが………もし「それでもいいよ」と仰って下さる貴徳な方がおられましたら、下記URLより御一読いただけると幸いです。


どうぞよろしくお願い申し上げます。


⇒【カクヨム】https://kakuyomu.jp/users/hino-haruto

 外観の割に店内は広かった。

 どれほどメルヘンでファンシーな店内かと思いきや、意外にもクリニックや調剤薬局みたく清潔感のある内装。

 よく見れば女は白衣を羽織はおっている。胸が大きいせいか、前をはだけて。

なんとなくカウンセラーのようにも見える。

 女はカウンターの奥に立った。

「どうぞ、こちらへ」

促されるまま俺も女の前に立つ。なんとなく調剤薬局で薬をもらう場面が思い出される。

「本日はどのような御用件で?」

「あ、えっと……表に書いてあった…」

「才能の無料査定ですか?」

言われて俺は2度うなずいた。

女はニコリと微笑ほほえむ。

 「畏まりました。それでは手を出してください」

「手? 右手ですか?」

「どちらでも構いません」

女はみを崩さない。

俺は手首を上にして右手を差し出した。

 女は白く綺麗な指先で俺の右手を包み込む。


 「なるほど、お客様は”パーカーを上手に着る才能”をお持ちですね」


「……え?」


「他には”ざるそばを綺麗に食べる才能”や”折り鶴を綺麗に折る才能”……”ドクターフィッシュに好かれる才能”などをお持ちですね」


「………」

ロクな才能がないな。というか”ドクターフィッシュ”は暗に汚いと言われているようでショックだぞ。

 「……あのー、それ全部本当なんですか? テキトー言ってるだけに聞こえるんですけど」

「では、一度お試しになられますか?」

「お試し?」

俺はあからさまに首をかしげてみせた。


 「本来であればこのようなことはさせて頂いていないのですが、お客様は特別です」


女はウインクしてみせる。

耳まで熱くなったのを感じた俺は、ただ静かに頷いた。

 「ではお客様、先ずはこちらをお使いください」

言いながら女はカウンターの下から折り紙を取り出した。

「先程ご照会しょうかいした中にお客様は”折り鶴を上手に折る才能”をお持ちですので、先ずは折ってごらんください」

「………」

言われるがまま俺は鶴を折り始めた。何年振りかに作る折り鶴だ。高校の時に千羽鶴を折ったのを思い出す。

 3分後、カウンターの上に水色の鶴が降り立った。

 自分で言うのもなんだが、確かに綺麗に作れたと思う。


 「素晴らしい。素敵な鶴ですね。やはり才能がおありのようです」


女は拍手の真似をしながら柔らかに微笑んだ。


「それでは、こちらの才能をお客様から抜き取ります」


 女の白い指先が再び俺の右手に触れる。


 瞬間、背筋が痺れるのを感じた。

こちらは小説投稿サイト【カクヨム】にて同名で投稿しております。


⇒【カクヨム】https://kakuyomu.jp/users/hino-haruto

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