08 決めゼリフ
私、特使騎士こと秘崎萌乃果は今とてもナーバスです。
誓い合った旅の仲間たちからの憐憫のまなざしは、か弱き乙女である私の繊細な心をそっと傷つけましたよ。
声、でかいんですよ私。
普段の私はおとなしくておしとやかな恥ずかし乙女なんです。
師匠が褒めてくれたんですよ、お前が腹の底から本気声を出すと私でもビビるって。
兄弟子たちをチビらせてからは本当に調子こいてましたよ。
お陰でこの体たらくですわ。
まあ、なんですかね、
とりあえずなんやかんやで、結局悪漢一味は一網打尽にされました。
ミラクルエースのアイネさんはその殲滅能力を遺憾なく発揮して、私のお間抜けな掛け声を聞いて固まっている連中を倒しまくったんです。
もちろん不殺で。
ノルシェは非戦闘要員の三人を守護。
戦いが終わるまで、一度も私と目を合わせてはくれませんでした。
私は、リーダーとしてやるべき事をやりました。
もちろん敵ボス討伐です。
激しい羞恥の気持ちを激烈な怒りに変えて、
院長殿の横っ面に必殺の師匠の槍の石突を叩き込んでやりましたよ。
「三度のゴキブリよりも痴漢がきらいな師匠の想いを喰らうがよい」
分かってますよ。 せっかく用意していた決めゼリフも虚しいってこともね。
悪者どもを全員拘束してから門の外まで歩いて行きました。
なんですかねぇ、さすがはアリシエラさん、優秀ですよね。
本当、こうして見てると標準型の幌馬車まんまなんですよねぇ。
あっちにある院長の幌馬車と瓜二つですよ。
そういえば幌馬車モードの時の馬ってどこから来てるんでしょう。
変型シークエンス、何回見てもお馬さんたちがどこから出て来てるのか、ちっとも分からんのですよ。
まあいいや、さっさと行きましょうかね。