12 ぶらり旅
現在のシブマ1号は幌馬車モード。
幌の左右に大きく描かれてているのは、
どっかで見たことあるなって、あれは確か、
ニエルさんのネコさんポーチのネコさんマーク!
「いいでしょ、これ」
アイネさん、満面の笑顔。
「絵もお上手なんですね、アイネさん」
鼻にペンキ付けてるのはお約束なのか、ノルシェ。
「こんな可愛い幌馬車、他にないよねっ」
こんな可愛い娘も他にいないぞ、マクラ。
やっべ、泣きそうだわ。
こんなアレなリーダーをも気遣ってくれるとは、
チームモノカリーダーの涙腺が本日最大のピンチですよ。
みんなに背を向けてっと、
「次はどこ行こうか」
「変な商人を探すんじゃなかったでしたっけ」
おぅ、なんだかんだですっかり忘れてたよ、ノルシェ。
「そういえばマクラちゃん、今月のお小遣い貰ってないんじゃない?」
おぅ、私のやらかしのせいですっかり忘れてましたよ、アイネさん。
「そういえばさっきメイジおじさんからお小遣いもらったよ」
おぅ、うちの可愛いマクラに何してくれてんだ、この変な転送おじさんが。
メイジさんに一言言ってやろうと振り向いたら、
にやりと笑って転送で消えました。
しっかりミスキさんと手繋ぎしてやがったよ。
それを合図に、部下の方々も次々に転送していきました。
ちゃんと老神官さんも手繋ぎしてましたね。
後に残るは、我らがチームモノカ
風の向くまま気の向くままの世直しぶらり旅
悪党ども、首を洗って待っていろ
私、特使騎士こと秘崎萌乃果と愉快な仲間たち
お呼びじゃなくても悪即斬
あとがき
リヴァイスという世界は、ひとりの少年がプレイしている仮想現実ゲームです。
彼は長い時間この世界を旅するうちに『鏡の賢者』と呼ばれる存在になりました。
お供のメイドさんは『伝説のメイド』と呼ばれております。
ここで暮らしている人々はいわゆるAIですが、それなりに大変なこの世界を楽しく生きているみたいです。
リヴァイスの物語は、そういう人々のあれやこれやを短編として紹介するものとなりそうです。
iPadのメモ帳につらつら溜め込んでいたショートストーリーや小ネタをひとつの世界にまとめようとしたら、こういう設定になりました。
整合性や何やらいろいろアレですが、お話しがまとまり次第投稿したいと思っております。
楽しんでいただけたら幸いです。