強化×癒し×教育
「庭も落ち着いてきたな。違和感が無くなってきている」
「左様でございますね。来る度に色が変わって面白うございます」
「本当だな。祭りが終わって数日経つだけで全然違う」
「旦那様………1つお聞きしても?」
「ん? 貴族の粛清か?」
「………左様でございます」
「あんな奴らのために、あれだけの命が失われたのがバカらしくてな。ただその責任は取るべきだと思っただけだ」
「私はスッキリ致しました。あんなものに時間を取られるは勿体無ぅございます」
「………」
「………」
庭を見ているだけでも落ち着くな。
しばらくはこのままゆっくりしていこう。
そのまま結局夕方まで道場でのんびりすごし、家に帰ってきた。
将棋に熱くなりすぎたようだな。
まさか両香落ちだけでここまで白熱するとは。
食後もグスタフを入れて将棋談話を行う。
その横で子供たちはトトロを見ている。
ジェイソンたちは大富豪。
一昨日テロリストしてきたとは思えないほどまったりしている。
案外本物もそんなもんなのかもしれない。
「なあ、あのダンプどうする? 運搬自体は俺が居れば事足りるし、湖を走るにはでかすぎるだろ。
なにか使い道はないか?」
「あの大きさでございます。皆さんを運ぶのにはよろしいのでは?」
「だったらバスという大人数用の車を買うわ。なにが悲しくてあんなデカイ荷台にみんなを乗せなくちゃいけないんだ」
「そうでもないぞ。あれじゃったら車より安全じゃし、屋根でもつければ安全に狙撃ができるじゃろ?」
「戦車にするつもりか? あの大きさを?」
「反対か?」
「………明日から始めよう」
「よっしゃ!! 最強の車にするぞぃ!!」
高さ5mのダンプ戦車とか胸熱すぎるだろ。
マッドマックスもドン引きする車作ってやる。
777Fは黄色の重機だ。
できれば色も変えたいが、車体がでかすぎるのでこのままで行く。
まずは前面。
基本的にここから乗り込んで運転席に行くのだが、そこに手すりをしっかり着けて、鉄板で壁を作っていく。
運転席は2人乗りで車の左側にしか座席がないため、右と中央にも手すりと壁を取り付けた。
荷台に穴を開けて乗り込めるようにしようと思ったのだが、100トン乗せられる荷台はさすがに固すぎたので諦め、梯子を後ろに取り付けた。
荷台は斜めに深くなっていてバランスが悪い。
建築用の足場板を水平になるように溶接してつけていく。
上にも矢が射られても大丈夫なように屋根を取り付けるのだが、これは荷台に鉄パイプで柱を立て、そこにガレージのシャッターを取り付けた。
運転席の上にもカバーのように覆う部分があるのだが、そこにも手すりと壁を着けておいた。
まだ弱い。
周囲を鉄パイプで一周させぶつけてもいいようにし、人が乗るところにはカラビナをつけられる輪っかを溶接して体を固定できるようにした。
ガラス系も全部抜いて金網を固定、回りに付けたパイプにも先を尖らせたパイプを溶接してある。
前にはブルドーザーの排土板が設置してある。
バカが考えた最強の戦車(鬼)バージョンの完成だ。
製作期間1週間、製作費5000fの力作。
「で、何と戦うんじゃ? ドラゴンか? 魔王か?」
「ドラゴンだったら行けるか?」
「これで倒せなきゃ、人類には無理じゃな」
「万の人間だったらどうだ?」
「そんなもん、なぞるだけじゃ」
「………使う機会あると思うか?」
「年1じゃろうな」
「………そんなに?」
取り敢えず巨大ミンサーを収納に封印。
無かったことにする。
記憶からも消しておく。
そのまま湖のキャンプ場に行き、野生の動物と触れあって心を癒す。
こらこら、順番に構ってあげるから喧嘩するな。
いい子だ。
ご褒美にお酒をあげよう。
芸でも仕込もうかな?
ハンドサインで自由に指示できる方がカッコいいだろう。
サッ。
シュバババババババ!!。
ちゃんとキレイに整列できたからご褒美だ。
おや?新顔だね。
一緒に遊んであげよう。
怖がらなくても大丈夫だ。
サッ。
ほら、友達も集まってみんなを歓迎してるよ。
お酒をあげよう。
これで友達だ。
そんなに嫌々言っていても、グラスは離さないのかい?
離せない?
それが友達の証だ。
動物たちと触れあって癒されている間、組合員がずっとなにかメモを取っていたが、あれはなんだろう?
きっと彼女もブリーダーを目指してるんだな。
「勉強になります!!」
「励みなさい。そうすればきっと心を開いてくれる。ちゃんとご褒美は忘れないように」
「はい!!」
祭りの武闘会を見た動物たちから稽古を付けてほしいと頼まれた。
俺は特殊戦闘で教えることができないので、セバスチャンとグスタフに相談してみる。
秒でOKが出た。
じゃあ俺は組合の強化をしていこう。
もうちょっと権力をつけてあげないと後々仕事がしづらくなるからね。
取り敢えず算数の勉強から始めよう。




