魔王の休息
グスタフは斧を2本装備してきた。
俺の武器は両手に山崎12年。
焦ってる焦ってる。
試合開始と同時に1本上に投げた。
グスタフは斧を捨てて受け止めに行く。
見事なヘッドスライディング。
俺は捨てた斧をグスタフの首に突きつけた。
圧勝。
そんな目で見るな。
それあげるから。
次の相手はジェイソン。
今回はフックは使わない。
いや、何も持たない。
試合開始と同時に2人で間合いを詰めながらリングをグルグル回る。
俺は下の風俗で手に入れたジェイソンのプレイや性嗜好を赤裸々に暴露していく。
観客の冒険者は大爆笑だ。
焦ったジェイソンが攻撃を仕掛けてきた。
腕を掴んでそのまま巴投げを披露。
このまま続けるならサリーちゃんとのプレイも暴露するぞ。
さっさと諦めればいいものを。
次はいよいよ準決勝。
相手は魔物グランプリの優勝者の1人だ。
得物は槍。
くそ、何か手はないか?
ジャケットだ!!
俺は上着を脱いで両袖をもつ。
ジャッキーが槍相手に上着で戦っていた。
これは防刃だし余計いいだろう。
相手が突いてきたので、避けながら先っぽを上着で1周させる。
これで動かせないだろ。
あれ? この後どうするんだっけ?
グホォッ!!
いい蹴りをもろに喰らってしまった。
しかしその勢いで槍が抜けた。
武器が無いぞ?
フッフッフ。
そのまま相手に飛び付き、上着で首を締める。
どうだ!!
この上着を着させてやろうか!!
どうだ!!
ふぅ。
楽勝だったぜ。
決勝はもちろんセバスチャン。
合気道で来るなら俺はカランビットだ。
俺もカッコいいと思って密かに練習していたのだ。
かかってこグハッ!!
………………参りました。
「貴様!! あれはずるいじゃろ!!」
「もうお嫁に行けない………グスン」
「戦いをなめるなぁ!! 戦いを前に邪念があったから負けたのだ!!」
「ホッホッホ!! それで準優勝はさすがでございます。さすが魔王陛下といったところでしょうか」
「勝てば良いのだよ」
「ぐっ………」
セバスチャンにはなんだったら勝てるのだろう?
あそこで将棋でもさすか?
「これを以って、冒険者大会を終了とする!! 解散!!」
やっと終わった。
各支部はそれぞれ組合に置く商品を持って帰る。
ワイト本部長もパーチュさんも荷物を沢山持って帰った。
「いやぁ。毎年来るぞ!! いや半年に一回。いやもうちょっと………」
「帰りますよ!! どんだけ酒買って帰るんですか!! 帰ったら仕事してください!! 本当にすみません。また来ますので来年もお願いします」
「気を付けて帰ってください。一応毎年やるつもりなんで、また遊びに来てください」
組合長も帰るようだ。
ベア君を離しなさい。
ババアが拗ねんな。
冒険者たちがぞろぞろと帰っていく。
いるときは騒がしかったが、いなくなると寂しいもんだ。
お前らも帰れ!! シッシッ
たく、終わったらしばらくゆっくりしたかったのに、俺らも直ぐに出発しなくちゃいけない。
後片付けもまだ残っているというのに。
「ケビン、銃は常に持っておけ。何かあったらみんなを頼む。ポアソンも組合と商店との取引は任せた。物資はガレージに入っているし、金も金庫にある程度入っている」
「まだ出発は明日です。ゆっくりしてください」
「掃除なんかも残ってるからな。今のうちにできることはやっておきたい。忘れてることがあったら困る」
テントや何かの片付けもある。
後はトイレやステージの掃除もだ。
一回キャンプ場も確認しないと、何か残ってる物があったら困る。
「私たちがやっておきますので、ゆっくりしてください。少し働きすぎです」
「そうですぞ!! 旦那様でなくてもできることは私たちが致しますのでどうか休まれてください」
「そうか………。じゃあお言葉に甘えて休ませてもらおう。頼んだ」
俺は好き勝手やってるつもりだったのだが、働きすぎていたようだ。
心配かけさせていたら悪いな。
もうこっちに来てから1年3ヶ月。
いろいろ作ってたからあっという間だ。
ていうか1年足らずでここまで作ったのは凄いな。
そりゃあこんだけ色々作ってたら働きすぎとも言われるかも知れない。
ほとんどお金もらってないけど。
今は卸しと魔石の売買が主な収入だしな。
なんで土木建築ばっかりやってんだろ?
異世界感がまるでない。
あれ?
異世界だよね?
残金163万f




