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祭り前


祭りの仕事を割り振る。


女性陣は旅人亭のお手伝い。

当日は組合のお偉いさんが泊まる予定だ。

裏のタコ部屋も屋台を使う人間に泊まってもらう。


ポアソンは組合とうちの仲介。

お互い上手く祭りを進められるようにポアソンが間に立って交渉する。


ケビンは食材やお酒の運搬係。

必要な食材はリストアップしてくれているので、俺がそれを出して、ケビンに運んでもらう。


シードとグスタフとジェイソンは治安維持。

セバスチャンは俺と一緒に走り回ってお手伝い。



今回、酒は俺が組合に卸して組合員が販売する。

大きいクーラーボックスに氷と水を張ってそこにビールやウォッカ、ウイスキーを入れて冷やす。

先に冷やすものは川に沈めて温度を下げてから収納してある。



屋台に関しても数がわかっているのでその数のイベント用テントを湖沿いに並べて、テーブルも準備しておいた。

お皿は紙皿なんかの使い捨ての物を提供した。



今回、祭りは1週間開催される。

3日間捜索大会

3日間獲物グランプリ

1日武闘大会



捜索大会はそのまま本気鬼ごっこ。

隠れた人間をみんなで探し、背中に着けた紐を取った人間が勝ち。

もし3日以内に見つかった場合は見つけた人間が鬼となって今度は逃げる。



獲物グランプリは討伐料金を競う大会。

大きくてもいいし、珍しくてもいい。

だが数は1匹の値段のみ。



武闘大会は希望者のみによるトーナメント大会。

これには俺、セバスチャン、グスタフ、ジェイソンの4人も参加予定。

非殺傷ならなんでもあり。

なんでもありなら俺の出番だ。



今回キャンプ場にテントが入りきらないので、森の中にもテントをたくさん配置している。

テントの横に広場を増設。

ステージを設置した。



当日はエンジンで発電してスピーカーから声を届ける予定。



「組合でもこんなに大きな祭りは初めてです!!」


「面白くなればいいですね。沢山儲けてください」


「はい!!」



今回ウイスキーやウォッカなどのスピリッツ類はすべてポリタンクに移して蛇口から出るようにしてある。

死ぬまで飲んで金を落としていってほしいものだ。



子供たちには組合から来たお客さんへのお手伝いだったりなんだりお願いした。

みんなセバスチャンのマナー講座を受けているから優秀だ。

俺が一番雑用している。



祭りの1週間前から、組合員の護衛をしながら冒険者が続々と集まってくる。

組合員は宿で食事するが、冒険者はみんな外で食事だ。

屋台がまだ来ていないので急遽、炊事場の横で組合員に食材を販売してもらった。



俺は横で炊き出しを行なっている。

といっても野菜をと肉が入ってるだけのスープだが。

今回来る冒険者は500人の予定だが、もっと増える可能性があるそうだ。

そうしたらテントもふやさないとな。



俺は170リットル入る鍋でスープを作りながら、今のうちにテントに番号を振っておくよう組合員に伝え、テントの数を増やすように打診しておく。

ついでにこれから食材の販売を毎日するように伝え、売る量も増やすことにした。



「このスープうめぇな!!」


「まずいって言ったらぶっ殺すけどな」


「ガハハ!! あんたここの人間か?」


「どっちかと言えば作った人間だな」


「?」



まあ当日ステージに上がったら分かるだろう。誰も国王が炊き出しやってるなんて思わないだろうからな。



「あら? ここに居たのね。探したわよ」


「組合長も来てたんですね。早くないですか?」


「私も指示したりいろいろあるからね。あなた………こんなことまでやってるのね………」



取り敢えずスープは組合員に任せて、俺は組合長にテントの増設を勧める。

許可が出たので歩いてた冒険者たちを捕まえて、テントを作ってくるように伝えた。



「あなた、冒険者使うの上手いわね」


「たまに酒飲ませたりしてますからね」



今回来る組合のお客さんは、本部長に副本部長、あと本部から数人、それと各支部から何人か組合長が下っぱを連れてやってくるようだ。



「あなた最近、ものすごい量の魔石買ってるけどお金は大丈夫なの?」


「まあ問題無いですね」



最近、国中から魔石が俺のところに集まってくるようになった。

今月だけで50万f儲けている。

先月も30万f。

今、全財産が合わせて160万fになった。

組合も俺もウハウハだ。



「それならいいんだけど………」


「自分には売るつてがありますので、自分も儲けさせていただいてます」


「そうだったのね。なら良かったわ」



組合まで送り、俺も家に帰る。

丁度晩御飯のようだ。

今日は生姜焼きのようだ。

最近みんなが和食にはまり始めてきた。

今はまだ洋食の方が多いけど、このままみんなを和食に嵌めてしまおう。



翌日からも、冒険者と組合員が続々と入ってくる。

本部の人間は前日に入ってくる予定だ。

まあ忙しいだろうしね。



それに伴い、屋台なんかもできてくる。

食材の卸しも始まった。

食材、酒は俺が卸して、組合は販売とテントの貸し出し、祭りの参加費なんかで儲けているようだ。



屋台に目を通して、手を加えられそうな所は調味料を提供したり、食材を変えたりいろいろやっている。



「焼くのに時間がかかりすぎている。どうせ来るんだから多めに焼いておけ。後塩だけで味付けするなら先に振っておいておいた方が味が入る」


「お、おう!!」


「スープにしては味が薄い。材料をケチるんだったら鶏ガラや豚骨なんかの骨を安く仕入れろ。砕いて入れれば味が出る。今日は時間がないから鶏ガラ出汁を加えておく」


「はい!!」


「魚の塩焼きはシンプルだからこそ難しい。見てみろ!! 焼き加減がバラバラだし、こっちは片面だけ焼きすぎだ」


「ひぇぇぇ!!」



こんなもんかな?

屋台でも調理の仕方で上手くなるもんだ。

ちゃんとやってくれることを願おう。



「ホッホッホ!! 料理になると人が変わりますな、旦那様は」


「職業病だ。変えられん」


「祭りがもうすぐ始まりますな」


「まあ問題が無ければいいがな」



組合の本部との話し合いもあるし、忙しくなりそうだ。

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