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貫通しました。


自然破壊はグスタフに任せて、俺は家から10kmまでの道路作りに入る。

5月に入ってしまったが、祭りまであと2ヶ月、街道が通るまであと1ヶ月。

10km街道作るのも大変だ。



冒険者に依頼を出して20人集めた。

取り敢えず先に砂利を敷いていく。

俺は今回袋入りじゃなくてまんまで買った。

後は手からダバーっと出しながら進み、まずは100m砂利で埋めていく。



10kmは品川から秋葉原ぐらい。

それを幅3m厚さ5cmで、砂利で埋めていく。

砂利だけで6.6万f、660万円ですよ。

しかもこれは安い方。

今回両側は、ただ木材で押さえているだけ。

さすがにブロックを10kmも並べられない。



100m進んだらコンクリートを作りながら流していく。

ここでも砂利を使う。

砂利を増やさないと値段がバカみたいに高くなる。

道路の料金全部計算したら27万fだった。



ある程度進んだら2チームに分かれて砂利とコンクリートを敷いていく。

目標は1日500m。

砂利を敷く方が先に終わるのでコンクリートの手伝いに行く。



グスタフの開通の方が早いので、開通したらこちらを手伝ってもらうつもりだ。

子供たちにも手伝ってもらいたいが、近場ならいいが遠くなると難しい。

冒険者たちはトレーラーで運んでいく予定。



なんとか500m終えた。

冒険者の給料やなんかを合わせたら30万fギリギリぐらい。

これを40kmやってたら破産してたな。



冒険者の数を増やした。

もうできるだけ早く終わらせよう。

砂利だけでも先に全部敷き終わらせたい。

ダバーっと出したら冒険者がクワやトンボで均していくのだが、もう人数がいるので大分早い。



みんなで歩きながら均していくと、最後の人間の時にはスコップで叩きながら固めている。

昨日は木材の枠を5kmまで進めてもらった。

置いて倒れないように土で押さえるだけ。

今日はそこに砂利を埋めていく。



砂利だけでも道としては十分なのだが、馬車はタイヤが細いので走ってくうちに道がダメになってしまう。

10kmから先は知らん!!

そっちの国に頼め。



そんなこんなで2週間かけて道路を敷いていくのだが、あとちょっとで完成というところで組合長がやってきた。

散歩がてら工事しながら対応する。



「ごめんなさいね。忙しい時に」


「大丈夫ですよ。もう自分は材料を出すだけですから」


「国王なのにこんなこともやるのね」


「人がいないですから。それで組合の反応はどうでしたか?」


「バッチリよ。その日に独立が決まったわ。やっぱり冒険者も組合も両方儲かるっていうのがよかったみたい」


「それは良かった。それで、祭りなんですが、屋台やらなんやらの手配をお願いしたいのですが」


「それも進めているわ、材料なんかはこちらで手配してくれるのでしょ?」


「問題無いです。ただ、焼き台なんかは持ってきてください。水や皿、作業台なんかはこちらで準備します」


「それは楽で良いわね。お酒は手配しなくていいの?」


「それもこちらで準備する予定です。ただ、どうしても人が足りなくなりそうなんで、人を貸していただきたいのですが………」


「大丈夫よ。当日は各組合から人を手配してもらうわ」


「それと、本当は自分が冒険者から逃げる予定だったのですが、材料や指示の関係でうちの人間を使うのが難しくなってしまいまして、できたらいい冒険者紹介してもらえませんか?」


「分かったわ。声をかけてみる」



俺は隠れたかったのだが、お酒を冷やす氷や、食事の指示なんかの関係で難しくなってしまった。

うちのメンバー全員をフル活用する関係上、冒険者にお願いすることにした。

スネークしたかったのに。



独立は、来月からということで決まり、それまでに運営資金としてこちらにお金を送ったりなんだりするらしい。

組合にも頭の回る人間がちゃんといるようだ。



俺はそのままコンクリートを回収して流す作業に戻る。

あと3日で終わる予定だ。

今日は、一回西の村の村長代理であるアッシュさんをここに招待する。

見てもらえれば納得してくれるだろう。



本日の作業が終わり、冒険者を新しく買った大きめのトレーラーに乗せて運ぶのだが、俺はリーフに乗ってアッシュさんを迎えに行く。

グスタフが重機でならした道を、車で1時間ほどかけて村に到着。

アッシュさんを呼んでもらう。



「開通したんですね。自分も途中まで自分で歩いて確認しました」


「今日は、アッシュさんを国に招待しようと思いまして、良かったら東の国を1度見てみませんか? ちゃんと当日にお返しします」


「当日? 近いのですか?」


「魔道具でお送りします」



アッシュさんを車に乗せて、湖に行く。

最初、車の速さに驚いていたアッシュさんだが、湖の話や祭りのことを教えるとそっちに興味を持ってくれた。



湖に到着して、アッシュさんに組合や旅人亭を見せ、家に招待して食事にする。



「小さいですが、豊かな国ですね」


「見ての通り国民より冒険者の方が多いですからね。私も働いていますし、国王と言うよりは村長ですかね」


「城に住んでいない国王も良いかも知れませんね。料理も美味しいですし、羨ましいです」


「お隣ですし、何かあればお助けしますよ?」


「それはありがたい。私の村も開拓地なので、どうしてもお金になる産業が少ないのです」


「あと3日でこちら側の工事が終わりますので、そしたら一度様子を見にお伺いします」



アッシュさんを家に送り、体が悪いお父さんのために車イスをプレゼントしておいた。

40kmは多分馬車で1日で行けるギリギリだな。

20kmの地点に休憩所を作って、アッシュさんの村で1泊する形になるだろう。

産業が成り立ってくれることを願う。



そこから3日、ようやく10kmの道路が完成した。

ここまでが俺の国。

湖から10kmというと、東京駅を中心に中央環状線を一周ぐらい。

結構大きい。



それで考えたらうちは永田町の国立劇場辺りかな?

組合が警視庁………。

なにそれ怖い。



まあこの国が半島だから東京湾は無いんだけど。

湖を皇居に例えるのは分かりやすいかも知れない。

湖の中心に神社でも建てようかな。

それなら靖国も建てたいな。

昔は毎年行ってたし。



取り敢えず今は一回西の村に様子を見に行こう。

何か手伝えるかも知れない。



村は森の中にあり、そこを開拓して畑にしているようだ。

川のそばで水には困らないと思う。

でも畑が小さいな。

木は切ってあるからそこまでを畑にしたいのだろう。

ショベルカーで根っこを掘り返してあげる。



井戸にもポンプを設置して、衣類や調味料、罠類をプレゼント。

俺の開拓料理セット。



開拓村って若い人多いのね。

たしかにお爺さんお婆さんならキツイか。

子供もいるし甘いものも置いていこう。



「いいんですか? こんなに………」


「まあご近所さんですから。何か困ったことがあったら言ってください」


「それならば、武器を売ってほしいのですが、よろしいでしょうか………」


「魔物ですか?」


「はい、最近オークがやたらと畑を荒らしに来まして、困っているのです」


「じゃあ槍とか弓が良いですね」



ジャラジャラと槍と弓矢を出していく。

オークはめんどくさいし、距離があった方がいいだろう。



お金は無さそうなので、何かあったら手伝ってもらう約束をして帰る。

東西を結ぶ街道もできたし、後は勝手に冒険者が宣伝してくれるだろ。

組合にも宣伝しておこう。



「街道繋がったんですか!?」


「繋がりましたよ。西の村と繋がっているのでそのままどこかの領地に出ると思います」


「快挙ですよ!! これで東に行くのに森を回らなくて済みます!!」


「40kmぐらいありますので、馬車だったら1日で行けると思います。組合に報告よろしくお願いします」


「取り敢えず冒険者にどこの領地に出るか確認してもらわないと。組合にも報告して、国にも報告した方がいいのか?」



後は任せていいだろう。

こっちはそろそろ祭りの準備を始めないとな。

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