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WWE

王城の中庭で両者が対峙している。


こっちが4人なので向こうも4人出してきた。

セバスチャン以外はフル装備。

セバスチャンは上に防刃仕様の黒いジャケットと鉄板チョッキだ。



相手の布陣は盾持ち戦士2人に槍が1人、魔法使いが1人。

魔法は殺傷能力が無いものに限定された。



向こうの魔法使いがファイヤーボールを放つと同時に、戦士が突っ込んでくる。

ジェイソンが魔法を防御して、一人の盾持ちを受け止め、グスタフがもう1人の盾持ちに攻撃を加える。

シードは魔法使いに弓を放って攻撃させないようにする。



セバスチャンはというと、その魔法使いに突っ込んでいった。

相手の槍使いがそれを追いかけ阻止しようとするが、セバスチャンに簡単に抜かれる。

ついでに槍も取られていた。



どうやったんだ今の?

槍使いが槍を出すと同時に懐に入ったのは見えたが、気づいたら槍を取られて倒されていた。



グスタフとジェイソンが戦士を押さえている間に魔法使いと槍使いは戦線離脱。

後は囲まれて降参。



「ミヤジマ王の執事は戦闘も強いのか」


「セバスチャンは護衛も兼ねているからな。そちらもそうなのでは?」


「一応ある程度はできるが、普通は近衛に任せるな」


「うちは人が少ないからな、みんな兼業だ」


「ミヤジマ王もか?」


「王については遊びだな。村長と規模は変わらんよ」



王様は遊びと言ったら驚いていたが、それもいいと納得してくれた。

あんなもの責任ばかりでやるもんじゃない。

使うもんだ。



どうやら、向こうは人数を増やして再戦するらしい。

今度は戦士5人だ。



今度はグスタフの出番だな。



向こうは盾を揃えて真っ直ぐ突っ込んでくる。

こっちは一気に散開して、逃げながら戦う。



ジェイソンがシードを守りながら逃げ、セバスチャンとグスタフが各個撃破に動く。

グスタフは木槌を上手く利用して相手の盾を引っ掛け、そこにセバスチャンが潜り込んで相手を転ばせる。

グスタフが盾で見えない死角から盾を打ち上げ、セバスチャンがドロップキックをかます。



シードとジェイソンは大変そうなのに、二人とも遊んでんな。

俺も参加したくなってきた。



「どれ、我も参加してくるか」


「ミヤジマ王も戦えるのか?」


「兼業だ」



馬車に入って戦闘服に着替え、マチェットと斧の模擬刀を持って中庭へ。

丁度3回戦目が始まる前のようだ。

仲間にいーれーて!!



「相手は7人戦士5人と槍使い2人です」


「シードはトマホークに持ち替えてジェイソンの後ろへ。グスタフと俺はジェイソンの両側で戦士を足止め。セバスチャンは槍使いを狙え」


「さっきから攻撃できないんっすけど」


「お前は抜かれなければいい、シードは俺とグスタフが崩した戦士に攻撃しろ」



戦闘が始まるが、今度は突っ込んでこない。

ジリジリと距離を縮めながら、間合いに入ったところでグスタフがハンマーを叩き込む。

俺は盾に斧を引っ掛けてマチェットでチクチク刺したり、引っ掛けると見せかけて足を攻撃したり。



相手も剣でバカスカ殴ってくるが、俺は攻撃した後直ぐに逃げているので問題ない。

殴られるのはジェイソンだけだ。



最初、相手の盾を収納してやろうかとも考えたが、さすがに可哀想なので止めておく。

攻撃はしているが、細かい攻撃ばっかりなので相手も降参はしない。



このままだと終わらないので、俺は相手の周りをぐるぐる回りながら攻撃を加えていく。

2人釣れた。

ジェイソンとグスタフとシードで向こうも3人なので丁度いいだろう。



俺は2人が一直線になるように動きながらチマチマ攻撃を加えていく。

ただの時間稼ぎだ。



セバスチャンが槍使い2人を始末して、こっちに加わった。

セバスチャンが一人を相手にしてくれている間にこっちも終わらせよう。

相手にタックルをかまし、足に斧を引っ掛ける。

相手が転けてくれたので、相手の剣を取り上げて、終了。



そのままセバスチャンが相手にしている兵士の背中にタックル。

ジェイソンの相手には背中にドロップキック。

シードの相手には膝カックンしてギロチン。



最後の一人は俺とセバスチャンの二人でジャーマンスープレックスをかける。



もう盾も剣もすべて一ヶ所に集めさせてジェイソンとシードに守らせている。

俺たちも武器は捨てた。



グスタフがパイルドライバーをかましている間にセバスチャンは筋肉バスターをかけていた。

あれってリアルにできるんだ。

俺は4の字固めをかけながらチョークを決めている。





「あれはなんという流派の技なのだ?」


「あれはプロレスだ。とても歴史が長い格闘技なのだ」


「なるほど、野蛮に見えてよく考えられておる」



実際歴史は長いし嘘は吐いていない。

レスリングの方だが。



今は城の中でコース料理を食べている。

スパイスを贅沢に使った辛い料理だ。

話には聞いていたが辛すぎるな。

自分の富を象徴するのに香辛料を使うのは知っていたが、こうも素材の味を消してしまうとは。



もったいない。



料理もソースも香辛料をもうちょっと引けば上手いだろうに。

貴族のパーティーなんてこんな料理ばっかりらしい。

まとめて煮込んでカレーにした方が旨いかもな。



食後の舞踏会では、特に踊りもできないので遠目に見ながらセバスチャンと将棋を打ち、軽く酒を飲んでお開きとなった。



「しばらく王都には滞在するのか?」


「いや、明日には発つ予定だ。国でやることもあるのでな」


「そうか。時間が合えば余も一度そちらに伺おう」


「何も無いところだぞ」


「それもよい」



どうやら王もゆっくりしたいらしい。

釣りでもすればいいのに。



迎賓館に戻り、厨房の料理人と大量の焼き餃子を作る。

みんな今日動いたけどご飯食べてないからな。

ジェイソンは焼き餃子をパンに挟んで食べていた。

意外と旨いらしい。



翌日、迎賓館の皆さんと別れて湖に帰るのだが、みんな結構楽しんでもらえたようで何よりだ。

餞別にお菓子を渡しておいた。



「そんなに荒れませんでしたな」


「どうだろうな? 俺たちの戦いかたを見て違うと思ったんじゃないか?」


「まああれでは違うと思っても仕方ありませんな」


「まあバレてもいいと思ってたけどな。財務大臣なら戦争は反対だろ。王が代わって良かった人間かもしれないぞ」


「なるほど、それも考えられますな」


「うちと戦って勝っても旨味が無いからな」


「それもそうですな。さて帰ったら次はなんの格闘技を見ましょうか」


「合気道か古武道辺りはセバスチャンに合ってると思うぞ。グスタフは柔道とラグビーだな」


「プロレスは面白かったぞ!!」


「まあジェイソンに練習台になってもらえばいいだろう」


「えっ?」



お迎え号家に帰ります。

帰ったら普通の車に戻そう。

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