表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/122

迎賓館でふざけよう

昨日の海賊料理は盛り上がった。



王都ではあまり新鮮な魚介類は並ばないらしい。

迎賓館の使用人たちは良いとこの出が多いが、それでも好きな食べ方ができる海賊料理は好評だった。



俺も酒を出して迎賓館の従業員全員と楽しく遅い晩御飯を食べる。

そのまま男衆を連れて大浴場へ。



「いやー、陛下というのでどんなかたが来るのかと思いましたが、いい意味でビックリしました」


「ホッホッホ。国王と言っても国民が100人ぐらいですからな。独立した村長と言った方が正しいかと」


「セバスチャンさんも城で働いててもおかしくないほど仕事ができますし、以前から陛下にお仕えしていたのですか?」


「いえ、私は元々奴隷でして、そこを旦那様に買っていただいたのです。ここにいる全員元奴隷ですね」


「凄いですね。全員解放しているのですか?」


「皆解放していただいてますが、心から旦那様にお仕えしておりますので、問題はありません」


「皆様楽しそうですもんね」


「旦那様曰く、ただの暇潰しだそうです」



セバスチャンがそんなことを言っているとは知らずに、俺は男衆と一緒にジェイソンの髪を剃っている。

そろそろ髪を切りたいと言っていたので手伝ってあげよう。



「イヤァァァァァァァ!!」


「動くな!! 耳落としたどうすんだ!!」


「旦那!! モミアゲだけ残すのはどうじゃ!?」


「採用!」


「ヤメテェェェェェ!!」



風呂から上がり、女性陣に爆笑されるジェイソンを見ながら井戸で冷やした缶ビールを開ける。

女性陣には、シャンプーとコンディショナー、ボディーソープを渡しておいた。



ジェイソンのモミアゲを剃ると、アジア人じゃないのでスキンヘッドが似合う。

鏡で見せてやると、本人も意外と気に入っていた。



翌日、遅めの10時頃目が覚めた。

知らない天井はいいとして、俺に客らしい。

正装でなくても良いのだが、国王なのでそこそこ偉そうな服にしなければならない。

まあ3ピーススーツでいいか。



急いで着替えてセバスチャンと下に降りると。

………またタヌキかよ。

着替えて損した。



「ギナルか、どうした?」


「それが、スハウェ帝国の者が陛下の兵と是非模擬戦を行いたいと申しまして」



どうやらこちらの実力を知りたいらしい。

ていうか一国の王に模擬戦とかナメられてるな。

俺の兵ってことは俺は参加できないしどうしようか。

銃は使えないとして、多分木剣での試合だろうな。

うちの人間は近接も練習はしているが、兵士に勝てるレベルじゃないしな。



「ルールは?」


「そちらが決めていいそうです」


「受けてよろしいのでは?」



セバスチャンの目がギラついている。

任せていいだろう。



時間は今日の夕方のパーティー前だそうだ。

それまでに準備を進めておこう。



「というわけで皆さんには戦争をしてもらいます」


「俺は戦えないんですが………」


「ポアソンは参加しなくて大丈夫だ」



シードにもライオットスーツを着てもらう。

スナイパーだからいらないと思ったが、狭い範囲なら必要だろう。

コンパウンドボウと模擬斧を渡しておく。



グスタフは模擬斧2本に木製ハンマーの柄を1.3mにしたもの。

ジェイソンは木剣だけ持たせておけばいいだろう。



セバスチャンは対人なのでカランビットとナイフで行くようだ。

セバスチャンが一番恐ろしい。



作戦として、とりあえず進む。

相手の人数はまだわからないが、布陣としてはジェイソンが前で相手を押し続け、グスタフが後ろからハンマーでタコ殴り、その後ろからシードが矢を放って相手を牽制する。

矢は一応先端がシリコンでできたものがコールドスチールで売っている。



セバスチャンは好きにさせよう。



ジェイソンには登山用のスパイクをブーツに履かせている。

これで押し負けることは無いだろう。

皆でジェイソンを押してみる。



「せーの!!」


「ギギギギ………グハッ!!」



転けた、逆に押されたとき危ないな。

やっぱりやめよう。



みんなでジェイソンをタコ殴りにするが、全然大丈夫だ。

ライオットスーツすげぇ。



シードには矢をできるだけ連射できるように練習してもらっている。

その分的からは外れるが、牽制できれば問題ない。

後はセバスチャンがどうにかしてくれる。



「セバスチャン、昨日のあいつって結局知り合いなのか?」


「昔の主様に付いていた際に一度お会いしていますね。確か何かしらのスキルを持っていたはずです」


「そうなのか。注意しておいた方がいいかな?」


「まあ一応用心しておいて損はないでしょう」



少し早いが、そろそろ王城に行っとこう。

どんな場所で戦うかも見て作戦立てないとな。



痛車も真っ青なお迎え号に乗り込み、城に向かう。

同じ服だとナメられるらしいので、今日は和服だ。

帯の代わりにベルトを締め、そこに刀と拳銃をぶら下げている。

下は袴をブーツインして、羽織はコスプレグッズから派手な羽織風なやつを選んだ。



ちゃんとした羽織売ってないのね。

襦袢も売ってないし。



今日のBGMは祭り囃子(ウーファー付き)。

なんか出陣って感じするよね。



祭り囃子にこの見た目は完全に祭りの山車だな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ