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意味のないパーティー


タヌキが帰った後、みんなで部屋を確認してからリビングでのんびり過ごす。



「はぁぁぁ。疲れたー」


「ホッホッホ。お疲れ様でございます」


「ガッハッハ!! お前さんの変わりように使用人たちが驚いてるぞ!!」


「皆さんも疲れたでしょ? お菓子出すんで良かったら皆さんで食べて」


「いえ!! あの………ありがとうございます」


「皆さんも気にしちゃダメっす。この人適当なんで」


「ジェイソンはフル装備ピンクに変更してやろうかな。それかビキニアーマー」


「イヤァァァァァァァ!!」



今夜前夜祭と称して立食パーティーがあるが、時間はまだあるので暇潰しに使用人たちと一緒にお茶を楽しんでいる。



「でも晩餐会って俺たちは参加できないんすよね?」


「いや、セバスチャンは宰相、グスタフは工業大臣、ポアソンは経済大臣、シードは経済大臣、ジェイソンは防衛大臣で参加できるんじゃないか?」


「それでも他の国や貴族に比べたら少ないほうでございます。参加できるかと思います」


「まあフェイスマスク着けてる3人は食えないけどな」


「そこは、屋敷のほうで準備しておきますので、心配なさらなくて大丈夫でございます」


「俺は海賊料理が食べたいっす!!」


「それもいいな。………料理はこちらで準備するよ。良かったら皆さんも食べて」



国王が料理すんのかと驚かれたが、全国民合わせても村程度しか人口がいないんだ。

なんでもやるぐらいでちょうどいいだろう。



「じゃあ行ってくるよ。飽きたら帰ってくるから」


「というか本当にその格好で行かれるんですか?」


「まあ魔王目指してるから」



お迎え号に乗り込み、王城に出発する。

雰囲気を出すためにBGMは魔王だ。



「これは何を歌ってるんじゃ?」


「魔王に襲われてる時を歌った歌だな」


「ガッハッハ!! ピッタリじゃな!!」



城が見えてきた。

明かりが十分でないこの時代に、松明やかがり火でここまで明るくすんのも大変だな。

城門をくぐり、兵の訓練用なのか校庭ぐらいある中庭をぐるりと回ってロータリーに入る。



俺が中庭に入った辺りから、城からぞろぞろと人間が出てきた。

お迎え号のお迎えらしい。



全員馬もなく箱に引かれる馬車に驚いていたが、近づくにつれて今度は馬車のデザインとバイクに乗った2人の兵士の様相に恐怖しているようだ。



ざまあみろ!!

二度と呼ぶな!!



内心ほくそ笑んでいると、ロータリーに入って入り口に到着した。

大音量で流していた魔王を止め、セバスチャンの案内にそってトレーラーから降りる。



全員跪いているが、一人だけその中で立っている男がいる。

このジジイが王か。



俺たちの見た目に引きつり笑いになっているが、笑顔で出迎えてくれた。

タヌキから情報は入っているのだろう。



セバスチャンが先頭を歩き、その後ろに俺、ポアソンは俺の左後ろ、俺とポアソンをシード、ジェイソン、グスタフが囲むように守っている。



「ようこそレイナード城へ、歓迎するぞ」


「出迎え感謝する。田舎者ゆえ迷惑をかけるかもしれん」


「ハッハッハ!! なに、ここも田舎だ気にするな。さあ食事を用意してある。入ってくれ」



大事なのは田舎者じゃなくて迷惑をかける方なんだけどな。

ほら、タヌキが頭を抱えてるぞ。



俺たちは1階のホールに案内され、一番奥の王の横に座らせられる。

なるほど、王は立食じゃないのか。



ポアソンが俺の後ろにスタンバイし、会った人間や言動をメモしていく。

セバスチャンは給仕と毒味、毒だけはショッピングじゃあどうにもならん。

3人は護衛。



俺は持ってきたウイスキーを箱でシードに渡し、俺からの土産だと伝えてもらう。



「偉大なるミヤジマ王より貴国のお酒を頂戴致しました!! 皆様に配りますので、そのままお待ちください!!」



どうやら乾杯でもするらしい。

音頭とかどうしよう?



「セバスチャン、挨拶なんて考えてないぞ」


「一言ミヤジマ支国とレイナード国の友好にと言えば終わりです」


「なるほど。ふざけた方がいいか?」


「帝国を入れていない時点でふざけているので大丈夫です」


「さすがだな」



全員に酒を配り終わり、俺が乾杯の音頭を取る。

普通ににこやかに終わったが、一部の人間たちが気まずそうにしていた。

あれが帝国の人間か。



まあ酒を飲めば初めての酒の味にそっちに気が向いていたが。



「貴国の酒は高いと聞いていたのだが………」


「あれは高くないやつだ。気に入ったならいくつか卸すぞ?」


「余も普通の酒には飽きたのだ。頼めるか?」


「かまわない。セルゲイ王にも卸している」


「どこからセルゲイ王と知り合ったのだ?貴国は立国したばかりではないか」


「我が国の工業大臣がセルゲイ王と知り合いでな」


「なるほどな」



営業をしながら、いろんな貴族と挨拶を交わしていく。

貴族が連れてきていた子供にはお菓子もあげる。

大概は俺たちの見た目に怖がっていたが、お菓子は喜んでくれた。



こっちの世界でのハロウィーンの起源になってやろう。

仮装しているほうは逆だが。



「初めまして、スハウェ帝国の財務大臣をしております。ホワイトと申します。ミヤジマ陛下とお会いでき、光栄でございます」


「スハウェ帝国か。行ったことはないが、そのうち行くこともあるかも知れん。覚えておこう」


「陛下は他国出身お伺いしましたが、どちらのご出身で?」


「大日本帝国という島国だな」


「申し訳ありませんが、存じ上げない国です。場所はどちらにございますか?」


「この大陸よりもずっと東だな。魔導船で2ヶ月といったところか」


「魔導船もお持ちでしたか」


「正式名称ではないが、エビフライと呼ばれていた大きな船だ」



ffの話だがな。



「話は変わりますが、お付きの方にお会いしたことがある気がするのですが………」


「セバスチャンは確かスハウェ帝国出身だったな」


「左様でございます。ですが、お会いしたことはないかと存じ上げます」


「そうでしたか、早とちりだったようです。申し訳ありません」


「苦しゅうない」



まあ疑ってるんだろうな。

俺の出自含めて。



パーティーもいい時間になり、俺は飽きたので先に帰らしてもらう。

また皆ぞろぞろとついてきた。

まあいい見せ物だよな。



馬車に乗り込み、ミュージックスタート。

帰りは魔笛をかける。



外からは人々が驚いた声が聞こえてきたが、一番驚いてるのはスハウェ帝国の奴らだろう。

迎えには来てなかったしな。



ロータリー出る前にバイクと車をおもいっきり吹かしてから出発する。

鳴き声的な使い方。



この後めちゃくちゃ海賊した。

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