タンカーで殺虫剤売ってないかな
蟻の巣だ。
しかも巨大蟻の。
なんとかしてまとめて退治したい。
一回その場から離れる。
ホームデポで何か無いか探す。
いろいろあるが、全部小さすぎる。
煙型もあったが、巣全部に行き渡らせるのは不可能だろう。
餌に何か仕込んで運ばせるか、巣に直接何かする方がいいと思う。
取り敢えず、生態を調べよう。
まずは遠距離から撃ってみる。
効果はあるが、痛がっていない。
こちらを探す素振りを見せるが、見つからないようだ。
目はあまりよくないと。
少し離れた場所に鍋を置いて、狙撃してみる。
カンという高い音がするが、これも反応しない。
やはり嗅覚か………。
出入口は1つだけなんだろうか?
1つならば巣に手を加えることもできるが、複数あったらめんどくさい。
「セバスチャン、他に大量の反応がある場所は無いか?」
「いえ、ここだけですな。しかも密集しているようです」
「なるほど。なら方法はあるな」
ローチボムという煙で害虫を駆除する物を大量に購入。
ピンを外して煙が出る前に収納にしまう。
巣に近づき、向かってくる蟻をショットガンで撃っていく。
小口径じゃあ全然効かなかったので持ち替えた。
巣穴に近づき、大量のローチボムを投入、入り口をコンクリートボードで封鎖。
上に砂利を袋ごといくつか乗せて重りにする。
「行けると思うか?」
「効果はあると思いますが、これだけで大丈夫でしょうか?」
「ついでに火でも熾そうかと思ったが、どこまで広がるか分からなかったからな」
帰ってきた働き蟻をショットガンで始末しながら気配が無くなるのを待つ。
「移動してます。ついていきましょう」
「他にも出口があったのかもな」
蟻の気配についていくとそこから上に穴を掘ろうとしているようだ。
上からライターオイルをかけた木材を大量に重ねて火を着ける。
少しすると地面が崩れて、焚き火が落ちていった。
ショットガンを構えて待つが、出てくる気配はない。
「次はそこです」
「あいよ」
今度は木材に燻製用のチップを混ぜておいた。
いい加減諦めろ。
「動かなくなりましたな」
「向こうから入るぞ」
最初の入り口の上の物を収納、ガスマスクを装着して中に入っていく。
緩い下り坂の先にいくつかの小部屋があったが、中は空。
どんどん先に進んでいく。
卵の部屋があったので焼却。
途中1匹も蟻は出てこなかった。
「気配はどっちだ?」
「この穴の向こうですが、穴が小さすぎます」
急遽開けたであろう穴は、蟻がすれ違える程度の横幅しかなく、高さに至っては1mも無い。
「ここを進むのは危ないな。塞いでしまって上に上がろう」
穴を鉄網とコンクリートボードで封鎖、砂利で押さえてしまう。
上に出て気配が集まっている場所に到着。
「この下ですな。いくつかの気配は無くなっていますが、まだほとんどが生きているようです」
「燻してみるか」
蟻が新しく開けた穴の入り口で火を起こし、スモークチップをばらまいて煙を出す。
入り口を小さな隙間だけを残してコンクリートボードで塞ぎ、空気入れで空気を上から送り込む。
そこまでしてようやく全部の反応が消えた。
しぶとい。
レベルは1上がって39。
渋い。
やはり強い魔物じゃないと上がりづらいな。
そこから山に向かって進んでいき、いい時間になったのでキャンプする。
「蟻の素材は良かったので?」
「わざわざ掘っていくのはつらい。狭いところにわざわざ入る必要もないだろう」
「しかし、レベルがこうも上がらないとは………。もしかしたら、そのまま退治していった方が早いのでは?」
「痛みを感じない敵に銃はちょっと弱い。頭を撃っても生きているんだ。倒す前に近づかれてしまう」
「それもそうですな。虫系統の魔物には注意しましょう」
銃だって万能ではないんだ。
チートはチートだが、元々サイトを増やす以外にわざわざ戦いたくない。
もうほぼほぼ生活には困っていない。
次来るサイトもなんかしらの上位互換だろう。
銃が増えるとかテントが増えるとか材料が増えるとか………。
あのクソ神、次会ったらビンタしてやる。
はぁ。
さっさとレベル上げて帰ろう。




