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旅人亭とビッグダディ

昨日帰ってきた後に魚をもう一度干して、水分をさらに抜く。

あと2日ぐらいは干しておきたい。



そのあと壁を取り付ける作業に入る。

といってもベニヤ板を張り付けるだけだが。



1日かけてようやく防水シートで覆うところまでできた。

明日から内装組と壁材を設置する組に分かれて作業する。

俺は電気関係や水道の関係上内装だ。




壁は下側をモルタルで固め、レンガパネルで装飾するらしい。

俺もいつかドラキュラ城みたいな所で魔王やりたいな。




世界中の美女をこの手に!!

多くても面倒くさいけど。




翌日から壁に断熱材を埋め込み、その上から木材パネルを張り付けていく。

俺は指導した後に屋根から降りている電線を電装に繋いだりバッテリーに繋いで、全部の部屋に明かり用のコードを設置していく。

セバスチャンは水道管と下水管の設置、グスタフは外で指揮を執っている。



建物がデカいだけで全部工程が大変な作業になる。

コードは一階の天井から剥き出しにして、修理が楽なように替えた。

天井に埋めてもいいが、なにかあった時に俺じゃあどこの問題か見つけられない。



水道管も壁を設置する前に全部水漏れがないか点検してしてから壁を設置する。

2階のトイレが漏れたら目も当てられない。




壁を張り終わったらフローリングを設置していき、トイレやシンクなんかの水回りから整えていく。

シャワールームは小さい小部屋を5つ作りその中に設置する。

シャワールームは、セットがあったのでそれを設置、一応天井や壁は防水性の物に替えた。

全部屋にすりガラスの窓を設置して、カーテンを付ける。

棚と鏡を置けば更衣室つきシャワールームの完成だ。



各部屋にベッドや衣装ケースなんかをポンポン置いていく。

デザインだけシックに統一しておけば問題無いだろう。



キッチンにも釜戸や棚なんかを設置していき、食堂も全部屋埋まっても余裕が出るようにテーブルと椅子を置いていく。



後は何かあれば教えてくれるだろう。

これで2週間。



明日はもう大晦日だ。

特にやることもないが、空けておきたい。



「旅人亭も完成した。明日は年越しだから、皆休みだ。のんびりしてくれ」


「アニキ、酒は?」


「ある程度は出しておく。好きに飲め」



こっちに来てから初めての年越しだ。

なにか風習的なことはあるのかな?



「セバスチャン、こっちの年越しになにかやることはあるのか?」


「貴族や商人なら挨拶回りなんかしますが、平民はちょっと豪華な食事をするぐらいです」


「そんなもんか」



贅沢な食事………。

クリスマスっぽくやっとけばいいか。

クリスマスも仕事してたし。



燻製もそろそろ完成だろう。

あの後2日ほど干し、燻製にかける状態になったのだが、このままでは温度が上がりすぎるので燻製箱の横にもうひとつ小さい箱をくっ付け、その中で煙をだす。

温度を30度に保ちながら2週間。

ようやく完成だ。



このまま食べても煙いだけなので少しの間放置して煙を落ち着かせ、ちぎってそのまま食べてみる。



「鮭とばっぽいな」



これなら大分保存できるだろう。

少し固く、煙臭いが。



………まあ前作ったやつの方がうまいな。

保存だけ考えればこちらだろうが、収納を持っている俺には関係ない。




年明け前の燻製実験は微妙な結果に終わった。



「それでも旨いがな。これだけ燻されてれば2月は余裕じゃろう。収納のない人間に贈れば喜ばれるじゃろう。………もう一枚くれ」


「これはこれでお酒の当てにいいですね。食べるのが止まらなくなります」


「癖になる味だな。………っていうかお前らも食いすぎだな」



意外と好評だった。




ついでに昨日シードが家族を連れて帰ってきた。

奥さんがリンダさんで4歳の息子がウォーター君。

めっちゃ可愛い。



そんでジェイソンとシードが帰ってくる途中でこの前カツアゲしてきた子供も拾ってきた。

全部で6人か。



「来たか。………護衛は?」


「………お金取られて置いてかれました」


「そうか。怪我はないか?」


「お金取り返そうとして殴られただけです」


「大怪我じゃないならいい取り敢えず飯でも食え。そのあと詳しい話を聞いてやる」




一気に人数が増えたな。



大晦日の晩飯は、豪華にポンドステーキに七面鳥、海賊料理、フライドチキン、シーザーサラダ、オニオンスープをテーブルに載せ、バイキング形式にした。



数作るのも面倒くさいし、これなら無くなった料理を補充するだけでいい。



酒だけ置いておけばうちのアホどもは大丈夫だろう。

問題は子供たちだが………。




「ちゃんと食え量はまだたくさんある」


「はい………」


「悔しいか?」


「グスッ………はい……」


「じゃあここで強くなれ。そうすれば皆を守れる。お前らの名前は?」


「俺がモンケです。こいつがリリー、ピット、フラン、ベア、アマンダ………です」


「俺はケンだ。取り敢えず飯を食え。冷めちまうぞ」


「………はい。皆、食べるぞ」



腹が減っていたのだろう。

食べ始めれば徐々にスピードが上がり、そのうち掻き込むように食べていた。



「ジェイソン、セバスチャン。明日町に行くぞ」


「ワシも行くぞ!!」


「僕も行きます!!」


「じゃあ皆で遊びにいくか!! ワクワクするな!!」


「ホッホッホ。年明け早々に喧嘩とは、来年もいい年になりそうですな」



セバスチャンが嬉しそうだ。

戦闘狂が久しぶりに出せて嬉しいのだろう。

ロビン君が心配だが、この面子なら何かあっても大丈夫だ。

社会学習だな。

ついでにモンケも遊びに連れていってやろう。



モンケをロビン君に紹介した。

ロビン君の方が2歳年上のようだ。

モンケは最初ロビン君のタッパにビビっていたが、人がいいので直ぐ打ち解けていた。

弟って感じだな。



………モンケ、自転車乗れないじゃん。

チャリを改造して後ろに乗せるか。


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