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第一村人

シェルターに戻ってから、ストレージに入っているゴブリンを売却し、残金が560になった。




「できれば500fは切りたくないよな~」



ステータスを見ればレベルが3に上がり、スキルの横の数字も(3/10)に変わっていた。

どうやら次のレベルまでの数字で間違いないようだ。



「あの神のことだし次はどんなサイトが来るか…」



翌日は早々に出発し、川にそって下流へ移動する。なんとなくだが水辺の方が人が居そうな気がする。

歩いて3時間ほど、川が終わりギリギリ対岸が見えるほどの大きさの湖に出た。見渡せば対岸の方も森のようで、人がいるような気配は無い。



「今日はここまでだな」



さっさとテントを設置し、今まで一々塞いでいた両側はポンチョで隠すだけで終わらせた。手抜きである。

枝で軽くテントを隠し、非常食をふやかしている間に装備を充実させる。



斧も40cmほどしか無いので、できればもっと長いものがほしい。

スキルで買ったナイフは、刃渡りは短いが取っ手も一体型の物で、握りにいくつか穴が空いているのでそこにヒモを通し、1.2mほどの棒の先端を2つに割いた物に固定し槍擬きを作る。

くっついている部分をまたヒモでグルグルに巻き、握る部分もヒモで滑り難くしてある自信作である。



「素振りでもしておくか」



外に出て振ったり突いたりしてみたが、あんまり違和感は無かった。穂先の強度を調べるため、木に刺したり叩いたりしても大丈夫だったので、実戦でも使える物ができたと思う。



テントに戻り、チリトマトマカロニとエナジーバーを食べながら明日の予定を立てる。



「エナジーバーがあと11本、1日最低でも2本と考えても5日以内に人がいる場所に行きたい。

明日は湖一周して川が無ければ前の拠点に戻るか、先に進むか決めないと」



湖で川が終わりだった場合、人が居なければここから人がいる所を探すのは水が切れた時に困る。でも川が下っている以上、このまま進んだ方が海抜が低く海などに出る可能性は高いと思う。

何より同じ場所をグルグル回るのは無意味だ。



答えの出ないまま、その日は寝てしまう。



次の日も日の出と共に起きて、荷物をまとめて湖を時計周りに進む、対岸が見えている以上、今日中に帰ってこられないことは無いだろう。



5分も歩いた所で、100mほど先に全長150cmはあろうかというイノシシが水を飲んでいるのが見えた。あの大きさは勝てない。

気づかれないように草むらに隠れ、イノシシを観察すると、普通のイノシシではないことが分かる。口から30cmも有りそうな牙が2本生えていて、あんなのに突進されたら背中まで貫通しそうだ。

観察していると、水を飲み終えたのか、そのまま森の中へと消えていった。



作った槍では勝てる気がしない。ショットガンでも持ってこないとあれはダメだ。



イノシシが消えてからも10分ほどその場で待機し、十分に時間を取ってから、探索を再開する。

警戒しているからか、探索にかける時間はさっきの2倍もかかっている。やっと1/3探索し終わった所で川を見つけた。そのまま下流へと歩みを進める。



川を下ってから2時間、とうとう俺は、木の壁に囲われた、人工物を発見する。



「やっと、温かいものが食える…」



その村は壁が50m四方ほどの大きさで、ここから見える入り口の門は開いていて、門番のような男が一人立っている。

俺は荷物を鞄にしまい、ネットショッピングから50fで買った黒いポンチョで包んでロープで縛って肩に担いだ。これで近代的な物も見えないし、怪しまれることも無いだろう。



「この村に何の用だ?」


「私ケンと申します。旅の者なんですが、一晩寝床を借りたいのですが…」



言葉は通じているようでひとまず安心。



「この村に宿は無い、客人用の空き家ならあるが、一泊30fだ」


「よろしくお願いします」


俺は事前にスキルから出した銅貨を三枚男に渡す。


「案内するからついてきな」


俺は男の後ろを歩きながら情報収集する。


「この村はなんという名前なんですか?」


「タイター村だ」


田舎って感じだな。誰も歩いていなかったが、10軒ほどの家々から煙が出てる。


「できれば食料も分けていただきたいのですが…」


「5fでいいなら出してやろう」


「よろしくお願いします」


そんなやり取りをしながら着いた家は土間に1部屋というシンプルな家だった。


「飯は後で持ってきてやる、何かあればあの家に行け、少しすれば俺も帰るから多分居るだろう。これから村長の所にお前のことを報告してくる」



そう言ってその男は向こうに見える一番大きな家へと歩いていった。



とりあえず荷物を端に置き、ベッドに腰掛ける、柔らかい。これだけでも涙が出そうである。


ベッドでうとうととしていると、ドアがノックされ男が料理を運んできた。

野菜のスープとパンというシンプルなそれは、今の俺には大変なご馳走だった。男に感謝を伝え、早速頂くことにする。



「あったけぇ…」



冷たい保存食とエナジーバーしか食べていなかった俺にはお湯でも貴重品で、少量の塩漬け肉に菜っ葉系の野菜が入ったそのスープはまさに天にも昇る味だった。



「ご馳走さまでした」



飯を食べ終わった俺は、ベッドでぬくぬくしてるうちに気づいたら寝てしまっていた。

Doomsday Prepで検索!怒られたら名前変えます。

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