収穫と次の目標
いよいよトマトが収穫できるようになったらしい。
この畑で初めての収穫だ。
俺なんもやってないけど。
サバイバル用の種だから、味も分からないしね。
早速1つ収穫して、食べてみる。
ちょっと酸味が強いが、十分美味しいトマトである。
水をあげる量を減らしながら育てるなんて俺には無理だな。
昼はみんなでトマトと豚肉を炒めた物を食べる。
炒めると美味いなこれ。
「で、畑が小さくてやることがないと………」
「いえ、手が空くので何かやることはないかと………」
「やっぱり畑は大きくしたいですよね。電気とか考えたら家も大きくしたいし」
「やはり畑があればいいです。今回は初めてのトマトだったので受粉やら何らも付きっきりでしたが、勝手が分かればある程度は余裕ができますから。しかし街中では難しいですよね」
「この近所ってどこか家空いてましたっけ?」
「一応全部埋まってますね」
「難しいですね。大きい場所………。考えておきます」
「ありがとうございます」
午後から町に出て、散歩しながら考える。
「新しい土地か」
今現在土地では、電力的にも、レベル上げ的にも限界が近い。
商業組合に赴き大きめの土地を探す。
「大きめの土地ですか?」
「はい。今の家ではちょっと手狭になってしまいまして」
「あの土地も大きな部類に入りますが………」
「申し訳ありませんがどこも似たり寄ったりですね。後は塀の外などになってしまいます」
「分かりました。ありがとうございます」
塀の外か…。そうなると旅人亭とも遠くなるな。
マリーちゃんのことも考えれば、引っ越したくないよな。
畑だけ塀の外に出してもいいが………。
家に帰り、みんなと相談する。
1、このまま
2、塀の外
3、両方
「私は別にやることがあればいいです。畑は小さいですが、できることに満足してるので」
「俺はこのままで良いっす。また土木キツいんで」
ジェイソンは土木要員っと。
「エリーちゃんはユマとユナと別れたくないだろ?」
「………うん」
「やっぱり、町の外に畑を作るのが無難か」
「主様、湖開拓ってのはどうですか?」
「確かに場所は広いが、マリーちゃんが双子たちと別れちゃうだろ」
「旅人亭ごと呼んじゃダメなんで?」
「あんな湖、客が来ないだろ」
「主様が商売でも始めれば来るのでは? 魔物が多いんで冒険者も来るでしょうし」
湖の土地はもらったが、ずっと手付かずだ。
俺とジェイソンとケビンさん3人で先に開拓して、後からみんな呼ぶか………。
まあ暇なんだよな。
湖畔リゾートでも作るか?
一応道具もあるしな。
「俺とジェイソンとケビンの3人で開拓してから 、みんなを呼ぶか?」
「俺土木なんすね………」
「僕も行きたいです」
「町じゃ嫌なのか?」
「嫌じゃないですけど………やることが無いんで」
ロビン君も暇だったらしい。
「まあそれはおやっさんが来ると言えばだな」
その日晩に、酒を持っておやっさんを訪ねる。
「いいぞ別に。でも昨日改装したばかりだぞ?」
「あれは暇潰しなんで別に。でもここに未練とかは?」
「無くはないが、双子が大きくなればここも手狭だからな」
「まあ裏2部屋だけですもんね………」
「一応他人の家だぞ」
そういうことなら行っても良いかな?
セバスチャンが帰ってきたとき、家にいるのはジェシカさんとマリーちゃんだけになるが、誰もいないわけじゃないしな。
「リーファさんは?」
「もうすぐ結婚するから辞めさせてくれってよ」
「結局大変じゃないですか。ジェシカさんにここで少しの間働かないか聞いてみます。エリーちゃんも来られるし」
「たすかる」
リーファさんはリア充だったか………。
次の日から準備を始める。
といっても向こうで買うから意味無いんだけどね。
ケビンとジェイソンは自転車の練習。
奴隷も買いにいこう。
建築に強い奴。
やってきました。奴隷商会。
一応建築したことある人間に並んでもらう。
大体ムキムキの土木系。
「開拓です」
みんな一斉に嫌な顔をする。
その中に一人、それが?みたいな顔の奴がいた。
ドワーフだ。
「建築経験は?」
「この道50年じゃ」
「ちなみに今おいくつで?」
「確か………80ちょっとじゃったな。ドワーフの中じゃあ若造よ!! ハッハッハ」
「なんで奴隷に?」
「………酒」
ストレージからウォッカを出してやる。
蓋をあけて匂いを嗅ぎ、口を付ける。
「………買ってくれ!」
餌付け終了。
奴隷の腕輪は最初から着けない。
「なんて呼べばいい?」
「好きに呼べばいいさ」
「じゃあ旦那だな」
家に帰ってみんなを紹介するが、いろんなものに目が行っていて聞いてない。
「あの光ってるのはなんじゃ? なんでこんな管から水が出る!? なんでトイレに穴が無いんじゃぁ!?」
面白いの拾ったな。
また時間が潰せそうだ。




