準備と行動
領主からの賠償金は30万fで、多いのか少ないのか分からんな。
今の残金は合わせて39万fほどになり増えたは増えたが………。
あれだけ騒ぎ起こして3000万か。
森への買い物でもしようと思ったのだが、準備する物もあまりないな。
銃でも増やすか。
モンスター相手ならエアライフルで十分だが手作りのあれは音がでかすぎるうえに当たらない。
装填した状態でストレージに仕舞っておく。
最初に作った釘を発射する奴は近距離で使えるうえに、釘も装填しやすいので持ち運ぶ。
エアガンは何発か装填できるが、殺傷力が弱いので牽制用に3丁装備。背中にはエアライフルを背負って、ボウガンは発射できる状態にして5丁ストレージに入っている。
今日作るのはお手軽ショットガンだ。
まずパイプを2本、太いのと細いのを準備する。細いのが口径になるから今回は20ゲージ。
パイプを色々買いながら試す。違ったら売っちゃう。
それでちょうどいい大きさのパイプがあったら、今度は細いパイプがぴったり入るパイプを買う。
太いパイプ用の蓋を買い、蓋の真ん中に穴を明け、そこにネジを差し込む。
細いパイプを太いパイプの底に叩きつけるだけで、ネジがピンとなり弾が発射される。
簡単でしょ?
でもちゃんと握ってないと太いパイプの方が飛んでいっちゃうので、ストックを付けて脇で挟めるようにしておく。
リロードはパイプからショットガンシェルを抜いて、新しいのを入れる簡単仕様。
しかし俺は同じ形のパイプを20本用意、全部にショットガンの弾を詰めていく。
撃ったら収納、撃ったら収納を繰り返すだけ。
下手したら普通のショットガンよりも早く撃てるかもしれない。
一気に現代戦に突入。
鉄パイプだからそのままで棍棒としても使える優れもの。
あと武器はなんかあるかな?
なんだろう。武器を作ってるときってわくわくする。
テントに関しては、あまり小屋などに変えたくない。
キャンプの感じが意外と好きだったりする。
最終的には開拓したいから、コテージかなんか建てるけれども。
連絡手段としてトランシーバーがここと繋がるか今回は調べる。
移動時間的に行けるはずだが、間に森を挟んでいる。
釣り竿も買った。
俺もセバスチャンも落とし込みかちょい投げだから、たいした道具も必要ない。
ついでにボート買っておくか、と思ったが水の中に魔物がいたらボートだけじゃヤバくないか?
やっぱりもうちょっと湖を調べてからだな。
5日間もそんなに準備することないや。
暇だしおやっさんのところに飯でも食いにいこう。
「というわけで4日後また森に行くことになりましたんで、よろしくお願いします」
「なんだかあんだけ暴れたのに軽いな。町じゃあ凄い噂になってるぞ」
「どんな噂ですか?」
「衛兵が泣き叫びながら逃げてただの。領主の家の壁からカンカン聞こえてきたと思ったら窓が割れただの色々だ」
「………全部俺ですね」
「お前かよ」
取り敢えず迷惑をかけたお詫びとしてチーズやらオリーブオイルが入ったギフトバスケットを渡しておく。
ご近所さんにも渡さないとな。
セバスチャンに家の周りに住んでいる方たちに、同じギフトバスケットを渡して回ってもらおう。
「で、今回は何日間行くんだ?」
「まだ分からないですが、今回も10日ほどは帰ってこないと思ってください」
「そんなしょっちゅう森行って何すんだ? 依頼とかじゃあないんだろ?」
「レベルを上げてるんですよ。俺のスキルがレベル10上がるごとに良くなるんで」
「お前のスキルか、物いっぱい持ってるし収納じゃないのか?」
おやっさんなら良いかと思い、俺のスキルを教える。なんか便利な道具が買えるスキルとして。
レベルが10上がるごとに買えるものが増えることを教えると、だから森から帰ってくるたびに装備が良くなるのかと納得していた。
「お兄ちゃん! 羽打ちしようよ!」
「いいぞ! お兄ちゃん強いからな!」
裏庭でバドミントンをする。
身長差があるのでスマッシュなんかはやらない。
最近は冒険者のお客さんもハマり始めたらしい。
リーファさんが一番強くて、誰も勝てないんだと。見かけによらずエグいスマッシュをかますそうだ。
出発当日、みんなにいない間のことを頼み、なんかあったときのためシェルターを庭に出して出発した。
自転車で村まで行くのだが、4時間ほどで到着するので今日はそのまま湖まで行く。
村で一度トランシーバーを起動して、町と繋がるか試す。
村は大丈夫。
ここから森に入るので、登りながら定期的に連絡を取る。
湖までは出たが、結構ギリギリだな。
雑音が混じり、声が聞こえにくい。
トランシーバーの検証はここまでだな。
今日はそのまま湖を素通りし、上りの川のそばでキャンプ。
明日すぐ移動するのでテントは張らない。
リゾートに置いてあるような椅子がまだあったので、その上で寝る。
明日までに前回熊が出たところまで行きたい。
今回は山に近づいていって、強いモンスターを探す。
ショットガンも試したい。
町中じゃあ騒音が酷いだろう。
ただでさえ問題になっているのに。
翌日、前回熊と遭遇したポイントまで差し掛かる。
「そろそろ戦闘始めても良いだろう」
「そうですな。弱い気配は無くなりました」
「じゃあ気配があったら教えてくれ」
ゴブリンやコボルトじゃあレベルが上がらないので今回は無視。
ここから気配を探っていく。
「向こうに気配がありますな。この数は狼か山猫の魔物かと」
「案内してくれ」
到着すると、大型犬ぐらいありそうな猫が5匹。
エアライフルで狙撃していく。
慎重に近づき、50mぐらいのところから狙撃する。
エアライフルの音は小さいが、撃ってみないとバレるか分からない。
弾は狙いが外れにくいと書いてある物を買った。
1発目、ヘッドショット。
2発目、外れて顎にヒット。
ここで撃たれた猫が暴れだすと他の猫も暴れだした。そのタイミングでセバスチャンが飛び出し、逃げる隙を無くす。
俺もボウガンに持ち替える。
取り敢えずセバスチャンに当たらない位置にいる個体にだけ狙いを付けていき、手負いにさせていく。
この時点で無傷な個体は1匹だけ。
エアガンに持ち替え、鉈を抜いてセバスチャンに参戦する。
いきなり出てきた俺に驚いたが、無傷な個体は逃げてしまった。
後の4匹は襲ってくる個体でも勢いが無いので、エアガンで怯ませて切ったり、そのまま止めをさす。
回収して売ったが、毛皮が一番高く全部で1000f。
魔石は全部で360f。
結局もろもろ合わせて1600fになった。
次にいこう。
次はカエルの魔物で頭を撃つと、そのままピョンピョン跳ね続け、しばらくジタバタしていたがそのまま収納できた。
死んではいたようだ。
大きい反応はそれぐらい。
まだ浅いのかも知れない。
もうちょっと上流に行くことを決め、今日は終了。
セバスチャンと釣りに行く。
ミミズを掘り出し餌にして、浮きを付けて川の流れに沿うように餌を流す。
流れがあるので浮きが見づらいが、それでもイワナの食い付きがいいのかすぐ釣れる。
のんびり釣りをしながら、セバスチャンに伝えておく。
「レベル30に上がったら、セバスチャンに休みをやるから、色々片付けてきなさい。Lv.30で多分良い武器が入るようになると思うから持たせてやる」
「申し訳ありません。ありがとうございます」
深い話は聞かない。でも前に後悔は無いと言った時、笑顔が痛々しかった。
自転車と銃でも渡して、休暇を満喫してスッキリしてきてほしい。
「捕まるなよ」
「もしも捕まった時は、わざとでございます」
「…………」
イワナをストレージに仕舞い、6匹だけ出して塩焼きで頂く。美味い。
翌日からも上流を目指すのだが、手応えがあまりないので、強い反応があるまで魔物は狩らない。
数をこなすか、強い魔物を倒すかしたいので、基本を移動だけにしておく。
「強い反応が有りましたぞ!」
「案内してくれ」
望遠鏡で見ると、虎柄の猪のような魔物が、昨日倒した山猫を食べていた。
100mほど離れているのでエアガンでパンパン撃ちながら近づき誘きだす。
ストーンボールも撃ちまくる。釣れた。
凄い勢いで近づいてくる猪にネイルガンを撃ち込む。
頬に刺さったようで、怒ってこちらに体当たりをかましてくるので、ショットガンをお見舞いする。
轟音と共に猪は飛び上がり、そのまま事切れた。
「これは大きいですな」
「全長1.5mぐらいあるな」
ストレージで買収すると、魔石が250fで売れた。
皮だけで2000f。
肉は400kgも取れた。50f/kgである。
2万f追加で全財産が今41万6千f。
タイガーボア、群れで来い。
肉が腐らないだけで稼げる稼げる。
ウハウハです。
肉が美味いらしいので少し残してある。
焼いてバーベキューソースで食べる。
脂が美味い。
レベルも23に上がっている。
群れで来い。
ガソリン問題どうしよう




