消えたワニさん、森の熊さん
翌日、村で斧とノコギリを売って森に入る。
レベル18になり、あまり見ていなかったステータスも上がったらしいがHPもMPもギリギリまで行ったことが無いので性能がよく分からない。
冒険者からチームに誘われたが、セバスチャンが
「坊っちゃんはレベルを上げているだけで冒険者ではありません」
無理がある気がするが、向こうが勝手に俺のことを高貴な人間だと思ってくれたようで、納得してくれた。
まあこんだけ倒して金も受け取らないなんて余程のVIPか金持ちぐらいだろう。
金持ちだが。ゲヘヘ
拠点を片付けて森に入る。結局オークは討伐できたので、前回と同じく西側に拠点を作り、ワニ叩きに行く予定だ。
歩きながら魔法も練習する。
いい加減ボール系じゃあ火力が足りない。
次はアロー系のはずなので、ストーンアローを出す練習をする。
魔力を多めに込めても、うんともすんとも言わない。
熟練度かもしれないと思い、ストーンボールをあちこちに撃ち込みながら進む。
慣れてきたら無詠唱にも挑戦、撃てない。
途中でゴブリンが出てきたが、練習とばかりにストーンボールを浴びせ続け、倒す。
湖に出たので、マウンテンバイクに乗って進む。
もうただの休暇だなこれじゃ。
前回と同じ場所に着いたので拠点を設置して、弓の練習をする。
地面にスケートボードを挿して弓で当てるのだが、バラバラに設置して距離が違くても対応できるようにする。
全然当たらへん。
なんやこれ捨てたろかな。
拠点に戻ってセバスチャンとワニの討伐について打ち合わせをする。
前回最後になるとワニが川へ逃げ込んでしまい。
それ以上討伐することができなかった。
今回一応秘策もあるがちょっと酷いことになりそうなのでできればやめたい。
俺はワニにとって天敵になるだろう。
「やっぱり潜られたか」
「覚えられておりますな」
「じゃあセバスチャンよろしく頼む」
セバスチャンが上流へと行き、ワニがいない所でペッパースプレーを水中に散布する。
熊撃退用で強力なやつなので、ワニでも行けるだろう。確か水性だし効果はあるはず。
1分ほど経つとワニが暴れだし、続々と陸に上がってくる。目が痛いのか、こちらに構ってる暇もないようだ。
トマホークを使ってワニを倒しながら、下流へ移動していく。
そこからは前回と同じである。
ワニは暴れている横から頭にトマホークを受け絶命する。
だが数が少ない。
もしかしたら前回やり過ぎていなくなったのかもしれない。
セバスチャンを呼び戻しワニがいないことを伝える。
「逃げたか全滅させたか、でしょうな」
「そんな、いったい誰が……」
しょうがないのでワニを売却、残金が16万fになった。1600万円分である。
次は何を狩ろうか。
そこから3日ほど山をうろうろして、レベルは19まで上がったがそこから獲物がいない。
何か見つけないと。
「もう日帰りで行けるところは難しいか」
「そうですなぁ。熊も狼も出ないとなると難しいですな」
「後は水の中とかかな」
「一応いますが、弱い魔物がほとんどですな」
「盗賊でも狩るか」
話し合った結果、北にある山を目指すことにした。
昔湖を見つけた川を登っていく形であるが、まっすぐ登っていけば山の方へ出るので新しい魔物も見つかるかもしれない。
「この辺りで今日は泊まりましょう」
「この辺りは昔、野営したことあるな」
一番初めに川を見つけた時の拠点である。
セバスチャンに転移してきたときの話を詳しく説明する。
セバスチャンからするとレベル1でサバイバルしても、普通は助からないようだ。
セバスチャンも他国から山を抜けてきた人間で、追ってから逃げながらのサバイバルはもっときついだろう。
「向こうで襲われた人間に恨みは?」
「ないと言えば嘘になりますが、前の主様も恩はありますが貴族故の恨みも結構買っていましたので、仕方ないかと」
「貴族って大変なんだな」
「それ故に私が雇われていたわけであります。幸い独り身でしたので、残してきた者もおりません」
「心残りが無いのであればいいが、人探しなどがあれば手伝うぞ」
仲の良かった友人も昔は居たが、連絡手段が乏しいこの世界では引っ越したらほとんど連絡も取りづらくなるらしい。
心残りが無いのなら良かった。
翌日、準備を終えて出発した俺たちだったが、直ぐに強敵に出くわした。
セバスチャンが大きい反応を見つけて行ってみると、3m以上ある大きな森の熊さんに出会ったのである。
弓で攻撃を開始したが、風下から接近したので当たらず、居場所もばれてしまった。
襲いかかってくる熊の攻撃をかわしながら、セバスチャンが攻撃し、俺が槍を熊に突き刺す。深く刺さらない。
熊が俺に標的を変えたら、セバスチャンが攻撃する。
できるだけ足を攻撃して、機動力を落とす。
それを繰り返しながら熊の足を使えなくし、四つん這いの熊のお腹に槍を突き刺して、内臓を傷つけるように抉る。
そして弱ったところで離れ、瀕死になるまで後をつける。
倒れたところで近づき、喉を掻き切って殺す。
収納に入れ、売却すると5000fになった。
レベルも20に上がったので、近くの川沿いで拠点を設営し、スキルを確認する。
使用可能サイト
Doomsday Prep
Coldsteel
REI
Security Pro
homedepot
……まだ醤油は手に入らないかもしれない。




