引っ越しと双子
そして今日は宿の最終日! 今日中に裏口にドアを付けてもらわないとまずい。
取り敢えず新居に行き、昨日売ったノコギリと同じ種類のもので宿につながる塀を切っていく。
ドアと同じくらいの大きさに切ったら完成だ。
セキュリティもへったくれも無いが、ドアの付け方なんて知らん!!
大工さんに後はお願いして今日も家の内装を弄る。
俺とセバスチャンのベッドにはエアマットを乗せてネットで買ったシーツで隠す。
ついでに空気の枕も乗せておき、ネットで買った暖かそうなブランケットを乗せる。これから夏なのでタオルケットも一緒に。
リビングにある木のテーブルとイスは食事用なので
くつろぐ用に南国リゾートのプールサイドにおいてあるような椅子を2脚買い、キャンプ用の木の天板が付いたローテーブルを横に置く。
気分はリゾートコテージ、このままブランケットをかけて寝てしまいたい。
土間にはポリタンクを設置、ちゃんと捻れば水が出るようになっている。
トイレだが、この世界は汲み取り式が主流らしく、スライムを使ったところでスライムが増殖して溢れるだけらしいので、そのまま汲み取り式になった。
なんとか考えよう。
下水道なんて掘れないしな。
屋根にソーラーパネルを3つ設置、2つは家の明かり用で1つが無線の充電用。
取り敢えず後は大工さんにお願いして、農具を買いに行く。
鍬とピッケル、猫車、後なんだろう?
分からないのでそのまま持って帰ってきて、土間に置いておく。ついでに折り畳みじゃないスコップも置いておく。
肥料とかはどうしようか。森の土と海の貝殻や灰でも少しずつ混ぜていこう。一気にやったら取り返しのつかないことになりそうだ。
一応庭は8メートル×6メートルぐらいなので、あまり量もいらないだろう。
帰ってきた時には裏口のドアもできていたのでそこから宿に帰る。徒歩20秒。
双子は遊び場が増えたからか、行ったり来たりしている。
その日の晩飯はネットで見つけたチリソースを出して、味見してみる。
肉との相性は良かったので、おやっさんに渡しておく。
子供たちにはチョコレート。
目がキラキラしている。
最終的に毎日新居に来るようにもっていきたい。
お巡りさん、私です。
部屋に戻って、セバスチャンとこれからについて話し合う。
「家も借りたし、これからどうする?」
「やはり訓練でしょうな、結局一回しかできてませんし」
「そうだなぁ。この剣もまだ使ってないしな」
「農業と訓練でとりあえずは良いのでは?」
「そうだな!! また思い付いたらやろう」
明日はお引っ越し、やっぱり巻き込まれ体質じゃないとこういう所はまったりしてていいよな。
やってきました新居!!
双子も連れて!!誘拐じゃないですよ。まじで。
双子のためにネットで買ったブランコチェアーをダイニングに設置。
各々の荷物を片付けていく。直ぐ終了。
まだ荷物があまりないので楽だ、キャンプ用品はストレージに入ってるし。
双子が部屋に来たので、枕をぶつけて遊ぶ。
ネットのペット用品の欄にフリスビーがあったので、庭に出て飛ばしてみせる。
「すごいすごーい!!」
「すごーい!!」
飛ばしかたを教えてセバスチャンに後をお願いし、昼御飯を作る。
市場で買ってきた野菜と肉をハーブと塩で炒めて、パンで挟んでちょっとレモンを絞っただけ。
庭にテーブルと椅子を出して外で食べる。
飲み物はスポーツドリンク、水で薄める奴。
双子もジュースは飲んだこと無いのか、美味しそうに飲んでいる。
「お兄ちゃん! なにこれ!?」
「なにこれ!?」
「味を付けたお水だよ。美味しい?」
「うめぇ!」
「うめぇ!」
どうやら客の冒険者から新しい言葉を教えてもらったようだ。
それもかわいいなぁ。




