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家の基準

朝、双子服をプレゼントする。子供の服は古着が主流で見た目もあまり良くない。

サイズが合っていない服を着た子供もざらにいる。

新品の服は珍しいのだ。




「お洋服だー! お兄ちゃんありがとう!」


「かわいい! ありがとう!」




また買おう。いっぱい。

おやっさんも包丁をもらって喜んでいたが、おっさんの喜ぶ姿に興味は無いのでさっさと練習に入る。


木刀の方が軽いが、そこは素振りでもしてやるしかない。

取り敢えずゆっくり縦横斜めに打ち合い、間合いを覚える。

そこからセバスチャンと一緒にゆっくり打ち合い、徐々にスピードをあげてもらう。

セバスチャンはサーベルを片手に持ち、身体を横にしているのでリーチも長いし、踏み込みの突きも速い。

こちらは両手で握り、正面を向いているので身体の面も大きいうえにリーチが短い。

スピードが限界に近いのでこのスピードを維持してもらう。慣れないと速い攻撃は対処できない。



次に左手に鉈と同じ長さの木刀を持ち二刀流で練習する。セバスチャンはナイフ2本だ。

セバスチャンはやはりナイフの方が得意なのかゆっくりやっていても捌けない。練習にならないのでサーベルに戻してもらう。

鉈で防御して刀で切ってもセバスチャンは後ろにステップしてよけてしまう。

鉈で防御するフリをして刀で弾いて攻撃。これも避けられたが、最初から避けられると思っていたのでそのまま自分も前に飛び込み鉈で切る。




切ったと思ったら首にサーベルが当たっていた。

カウンターが得意だから仕掛けられた方が楽なようだ。この男、5000f。




昼食後はそのまま本物の刀と鉈で素振りする。

やっぱり重くて身体が振り回され、刀にも力が上手く伝わらない。

取り敢えず刀だけにして、右手でだけで素振りする。レベルと共に筋力も上がったとはいえ、自由に振れてるとは言えない。




「力が入りすぎてますな。腕の力を抜いて、肩や背中で切るイメージで振ってみてください」



力を抜き、肩を前に出したり上にあげたりしながら振ってみると確か楽に振れる。

腕の間、肩甲骨の間から腕が生えてると思って動くだけで速くなるそうだ。



それをしばらく続け今度は左手で鉈を素振りする。

セバスチャンが言うには鉈として使えばよいとのことなので、おやっさんに頼んで薪割りをする。

これが難しく、鉈が思ったところに振り下ろされず、真ん中を打つことができなかった。

やはり利き手じゃないと練習が必要だ。



そこから目を瞑って打ってみたり、近くからどんどん遠くしてみたりして、なんとか狙った所近くを打てるようになった。




そこから木刀に持ち替え、ひたすら木に打ち込むが、やはりもっと速く打てるように練習が必要だ。



「そろそろ上がりますか」


「そうだなもういい時間だな」



今二人手首には防水の腕時計が付けられている。

デジタルで良かったのだが、数字が読めないということでアナログとデジタル両方表示される物だ。

もちろんソーラーだ。電池なんか売っていない。

時間も一番南に太陽が来たときに12時に設定しただけで、ちゃんと合っているわけじゃない。




無線を充電していたソーラーパネルを持って部屋に戻り、食事にする。

今日はワイン煮込みをステーキを追加してガッツリ食べる。身体を作らないとこれから厳しい。




部屋に戻り身体を拭いて、明日の予定を相談する。鍛練は1日おきに行うことに決め、明日は久しぶりにブロンズ商会へ顔を出すことにした。

多分発注されるし、メタルマッチとポンチョ、バックパックは前回と同じ量持っていく。



この近くに家でも借りることも相談してみよう。




翌日ブロンズ商会に入ると従業員がやってきた。

覚えてくれていたようだ。



「お久しぶりです。今日は商談で?」


「一応物は持ってきましたけど、ロバートさんはいらっしゃいます?」


「お呼びいたしますので、少々お待ちください」



何か必要な物はないかセバスチャンと見ながら待っていると、ロバートさんが降りてきた。



「お久しぶりです。今日は納品で?」


「ちょっと間が空いてしまったので、先に物を持ってきました」


「売り切れてからお客様に催促されてまして。助かります」




従業員に物を渡しながら、家について聞く。



「あの辺りで部屋ですか? 商業組合に行けば分かると思いますが、自分はちょっと物件は扱ってないもので」


「いえいえ、ありがとうございます。行ってみます」



お金を受け取り、教えてもらった商業組合へ向かう。できれば畑が作れる庭があれば良いのだが、予算がいくらになるか分からない。



商業組合は、冒険者組合の直ぐ近くにあり、大きさもそんなに変わらない建物だ。

受付に行き、旅人亭の直ぐ近くで物件を探していることを伝える。



担当者を呼んでくれるとのことなので受付で待っていると、人の良さそうなおじさんを紹介され、ホールにあるテーブルで話を聞く。

今旅人亭の近くにある物件は3件で


1件目は庭がなくちょっと狭いが安い。月500f

2件目は古い建物だが裏に井戸もあり庭も広い。月700f

3件目は一番新しく、井戸もあるし庭も2件目よりは狭いがそこそこ広い。月1000f



2件目と3件目を見せてもらう。組合から近い3件目から見る。建物も新しいと言うだけあってキレイだ。中の部屋数も十分、キッチンも大きい。

言うこと無いな。

2件目は本当に古く、初めて見た旅人亭よりひどい。部屋数は足りてるし、キッチンの大きさもさっきと変わらない。

庭は結構広く、農業もできそうだ。



ということで2件目を契約。

理由は旅人亭と近いから、ていうか直ぐ裏だし。

塀を壊せば直通で双子に会える。



ここの建物はこのまま借り手が見つからなければ来月には取り壊される予定だったようで、14万fで売るつもりだったらしい。

惜しい、後2万fで双子に毎日会う権利が買えたのに。



商業組合で契約し、旅人亭に帰る。



「お兄ちゃんお帰り!」

「お帰り!」


「はいただいま。おやっさん呼んでもらえる?」



おやっさんに直ぐ裏に引っ越すことを説明すると、苦笑いされた。

双子は「ご近所さんだー」喜んでいたから大丈夫だろう。

問題はいつ塀に穴を開けるかだ。



一応明日から準備を始めて、明後日までに終わらせればここの支払いが終わると同時に引っ越せる。

そこら辺をどうするか。晩飯を食べながらセバスチャンと相談する。



「ある程度は補修しないとな」


「明日大工組合に行きましょう。最悪テントでも出せば住めますし」


「そうだな、裏口にドアも作ってもらわないといけないしな」


「それは分かりませんが」



次の日、朝食を食べ終わった後に大工組合に施工のお願いに行った。

修繕とベッドの設置をエアマットと同じ大きさでお願いし、トイレとしての小屋の設置もお願いする。

穴を掘ってスライムでも突っ込んでおけば大丈夫だろう。




その後新居に行って掃除を始める。

井戸は蓋がしてあったが怖いので、水をガンガンさらって掃除に使い、ストレージで飲用可と出るまで水を入れ換える。

ついでに井戸の横にキャンプ用のテーブルをおいて、たらいを乗せ、簡易洗面台とした。



この世界では長めの平屋が一般的らしく、真ん中から入って直ぐにリビングがあり、その両サイドに部屋がある土間もその中の1つで、土間にも出入り口が付いている

取り敢えず入って左の二部屋をそれぞれ自分とセバスチャンで使い、もう一部屋は予備で置いておく。双子のための遊び場にしたいが、客間にしてくださいとセバスチャンに怒られた。



来てくれた大工さんが古くなった壁を壊して新しい板を入れている。斜めに段々にして、雨が入らないようにしているが、スキマが気になる。



冬ってどうなんだ?

セバスチャンに聞いたところ、この国は冬でも雪が降るようなことはないらしく、防寒対策はいらないそうだ。ただセバスチャンも他国の人間で地理に詳しいわけではないので、ここがどこだかは分からないそうだ。



東側の海沿いとしか分からない、地図とかないかな。大工さんに聞いてみても、一応東に突き出た半島だということしか分からなかった。

この世界の住民は地理には詳しくないようだ。



ついでに大工さんにノコギリを6倍値で売り付け、宿に戻った。

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