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ラッパーの里帰り


「たっだいまー!!」


「ケン様!! 戦いに行かれたと聞いたのですが、大丈夫でしたか!? とういうかそのあたm」


「大丈夫だよ。 それより旅行はどうだった?」


「風景は良かったのですが、やはり食事と住環境が問題ですね。 水道やお風呂がないとやはり不便で………。 ところでそちらの方は?」


「こいつは魔法国で拾ってきたドビーだ。ポアソンと一緒に卸しを手伝ってもらうから、湖を案内してやってくれ。俺はちょっとグスタフのところと組合に顔出さなくちゃならん」


「かしこまりました」



工務店の方が遠いので、先に組合に顔を出してパーチュに総本部での話し合いについて伝える。

向こうも本部からの連絡を待っていたようなので、ちょうど良かった。



「ダンジョンはいつ頃から稼働させますか?」


「一回うちの戦闘員を連れて、館の整備とダンジョンの探索をしてからだな。 規模を見てみないとスタートさせられない」


「かしこまりました。 こちらでも腕利きの冒険者を準備しておきます。 ところであたm」


「ヴン!! よろしく頼む」



工務店に向かうと、グスタフが勢いよく駆けつけてきた。

よっぽど心配をかけていたみたいだ。



「砂利を打ち出す魔道具が出来たんじゃ!! 見てみてくれ!!」


「戦争から帰って来ていきなりそれか!!」


「ミンサー持っていったんじゃし心配することなんかなかろう。 むしろ相手が心配じゃ」


「………………たしかに」


「それより見てくれ!! 銃ほどの威力はでんが、十分飛距離出るぞ!!」



見た目はタンクにパイプがくっついたようなもの。

スイッチを押すと、タンクの中で空気が発生し、パイプに出てきた砂利を射出する仕組みになっているようだ。

威力をあげるため、空気を発生させる魔道具は3つついているらしい。

湖に出て、発射してみる。



シュポポポポポポン!!

「おぉ。 連射能力は高いな。 でも威力はどうだ?」


「殺すことは出来んな。 当たれば痛いが」


「空気を塞き止めて、1発ずつの威力をあげた方がいいんじゃないか?」


「それこそ電池を使えば威力は上がるぞ? 砂利は大きく出来んから魔石じゃないとだめじゃが」


「武器の製造はもう別にいいだろ。 俺達以外にそこまでは必要ないし、持たせるのも不安だしな」


「儂らは銃があるし、魔道具にこだわる必要もないしのぅ」


「万能魔道具の方はどうだ?」


「それならもう完成しとる。 今ヒールと万能の2種類の量産も始まったところじゃ」


「組合には話がついている。 これから作っただけ売れるぞ」


「まあ売れん訳がないわな」


「農場と牧場は?」


「牧場は完成して、今小屋を作っとるところじゃ。 農場はまだ開拓中じゃな」


「分かった。 あと、魔法国で1人拾ってきたから後で紹介する」


「了解じゃ」



後は旅人亭とポアソンとシードの所に顔だして終わりか。

そろそろ湖の木も間伐するところがないと言っていたし、キャンプ場までの道を広げてもらうか。

いつまでもバイクじゃキツイしな。

ポアソンの所も2人増えたし、倉庫も大きくしよう。

魔道具や手引き書も管理して貰わないと大変だしな。



「お帰りなさいませケン様。 ケン様?」


「頭の事は言うなポアソン。 して2人増やしたけど調子はどうだ」


「大分余裕が出来て、ピットの教育に時間を回せるようになりました」


「それなら良かった。 あと魔法国で1人拾ってきた。 ここで使ってやってくれ。 ちょっと癖は強いが、面白いやつだ」


「かしこまりました」


「あとこれから魔道具や手引き書なんかの物資が増えるから、倉庫も増設する。 人が必要だったらまた言ってくれ」



そろそろ人員が足りなくなってきたな。

倉庫、燻製、魔道具、漁師、商店と結構いろんな所に配置したが、工務店に余った人員と農業を専門にする人員を入れてもギリギリだ。

一回整理しないとな。



そろそろジェイソンとポアソン、グスタフにも休暇も必要だ。

独身組は放置していたが、グスタフもポアソンも代わりが効かないからな。

ポアソンはドビーが仕事覚えたら休暇をあげられるが、グスタフはどうしようか?

ジェイソンはいつ出ていって貰ってもかまわない。

もしかしたら居なくても気付かない可能性すらある。

帰って来て挨拶も忘れてたし。

どうせ頭弄られるしほっておこう。



「こわっ!! なんすかその頭」


「黙れ。 イメチェンだ」


「山賊の頭みたいっすね」


「まあ同じようなものだ」



よし、ハゲはバレてないな。

今日はドビーの歓迎会として、軽く飲み会でもやろう。

ドビーは田舎出身で、勉強して外交官になった叩き上げなので頭はいい。

イカれてるが。



うちのイカれポンチ達とは直ぐに仲良くなった。

うちの男で常識人は俺、ケビン、シード、ポアソンの4人だけ。

イカれてるのはセバスチャン、グスタフ、ジェイソン、ドビー4人。

ロビン君とおやっさんは別枠だな。

俺は常識人だ。

ちょっとひねくれてるだけで、常識はあるはずだ。



ロビン君を入れて独身男5人と子供6人のルームシェア。

イカれポンチは軒並みルームシェアグループに入っている。

子供の教育に悪いな。



「プハハハハ!! それであの髪型になったんすね!!」


「テメェドビー!! バラしたな!!」


「いいじゃないですか!! これからは同士と呼ばせて頂きま グボェ!!」


「誰が同士だ。 俺は持たざる者になった覚えはない」



永久脱毛の機械があればジェイソンに使ってやるのに。

ゴッソみたいなのサイトで見つけたら買っておこう。



明日1日湖の様子を見て、明後日一回ジェイソン、セバスチャン、シードを連れてダンジョンを見に行こう。

道が出来たと言っても、まだ大きい岩なんかがあったはずだ。

バイクで行ける道にしておこう。

館の整備も考えないといけないしな。



帰って来てもやることがいっぱいだ。

暇潰しの域を越えない程度に収めないと。



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