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執事が付きましたが金欠です。

今日は少し遅い時間に起きた。

井戸でさっぱりして、ついでに洗濯も行なってから朝食を取る。




「今日は遅いな」


「おやっさんおはよう。昨日ケガしたから今日は療養だよ」


「もう動いていいのか?」


「ヒールでほとんど治ったからね」


「そうか、あと2日分宿代は残ってるから、焦らなくていいぞ」




たまに追加で料理が出てくるが、全部サービスだそうだ。ありがたい。





朝食を食べて、町に繰り出す。

まずブロンズ商会へ行って何か必要なものがないか確認する。頭用にヘッドギアを100fで購入。


町をブラブラしながら市場や服屋を冷やかすが、買いたい物がない。



ブラブラしてるうちに奴隷商館にやってきた。

仲間のこともあるし、パーティーを組むより奴隷の方が良いかも知れない。

入ってみると、直ぐに人がやってきて案内してくれる。戦闘奴隷を見せてもらう。

ここで初めて異種族を目にした。

なんでも人間の町にはほとんど異種族はいないようで、奴隷になったこの男エルフも元山賊だそうだ。強そうだけど、目付きが悪い。

ドワーフやケットシー、獣人なんかの種族もいるらしい。



そんな中、戦闘奴隷にしては老けたおじいさんが1人居た。なんでも傷だらけで他国から密入国してきたところを捕まったらしい。

戦闘もこなせるということで一応ここに並んでいるようだ。

身長は180cmほどで、引き締まってはいるが、髪も髭も長く仙人の様相だ。



一人一人奴隷になった理由と名前を聞いていき、そのおじさんの番になった。奴隷になった理由は聞いたので、できることと名前を聞く。



「セバスチャン、55歳です。近接格闘が得意です」


「セバスチャン!」



いきなり大声を出したので、相手も奴隷商もびっくりしていたが、そんなの知らない。スローライフをするのなら執事はほしい。



「彼はいくらですか?」


「戦闘奴隷は大体1万f以上するのですが、もう年なので5000fといったところでしょうか」


「取り敢えずキープでお願いします!」




奴隷商館を出て金策を考える。5000fならちょっとオーバーテクノロジーだが、売って稼いだ方が早いだろう。



その足でそのままブロンズ商会へ向かう。

入り口で従業員に、ロバートさんがいるか聞き、自分の名前と商談をしたいことを申し出る。




まだ間2日しか空いてないが、直ぐに談話室に通され、商談に入る。



「前回はありがとうございました。おかげさまでポンチョもメタルマッチも売り切れました。できればまた仕入れたいのですが…」


「それも大丈夫ですが、今回は新しい物も持って参りました」



麻袋からバックパックを取り出す。

ロバートさんは見たことがないからか、イマイチ反応。

どういう物で、ポケットの多さや、丈夫さ、背負ってもらって肩にかかる負担が少ないことなど説明する。



「これも冒険者に人気が出そうですね」


「但しちょっと高いのが難点で…」


「ふむ…おいくらですか?」


「500fかかります」


「1つお教えしますが、中級冒険者であればそれくらい2日で回収できます。良いものであればそれくらいの料金は安い物ですよ。上級冒険者の防具や武器は1万fを超える物もざらにありますし、問題は無いでしょう」



確かにこの時代であれば、これくらいの装備はもっとするかもしれない。

130fの仕入値から考えたから高いと思ったが、逆に安かったとは…



「今手元にはそれしか無いのですが。あと9個ほど用意できます」


「分かりました。全部買い取らせていただきます」



ブロンズ商会を出て、一回町からも出る。

そして誰も居ないところでバックパック

を追加で9個買い

残金121f


一気に無くなった。

バックパックをロープで括り、まとめて担いで町に戻る。



そのままロバート商会に戻り、5000f受けとる。

次回メタルマッチとポンチョ追加納品することを約束し、奴隷商館へと向かった。



「お金を持ってきました!」


「いらっしゃいませ、早いですね。確保とおっしゃるので3日ほどはかかると思ってました」



当日中に5000f準備してくる奴なんてそうそう居ないだろう。

商人の男に金貨5枚を渡し、セバスチャンを引き渡される。奴隷の腕輪というマジックアイテムを付け、主登録をして解放される。



この奴隷の腕輪は、命令を絶対聞かせるというものではなく、主人を攻撃できない、逃げようとすると全身から魔力を抜いて気絶させるという物らしい。



言うことを聞かせるかどうかは主人の腕だそうだ。

痛い目を見たくなければ言うことを聞けということだな。

逃げるつもりがなければお使いも行かせられるし、距離で発動したら主人も移動できない。





一応出るときに普通の服に着替えさせられるが、セバスチャンという感じではない。お金が入ったら燕尾服を着せよう!

これでブルジョアだぁ!


残金121f




……ブルジョアとは程遠い。


「ご主人様、これからどこへ?」


「泊まってる宿だけど」



旅人亭に入り、おやっさんに事情説明する。


「お前、今日は療養だって言ってなかったか?」


「爆買いは心のケアで、療養です」


取り敢えず2日分を1日にして、2人部屋へ移動する。2人部屋だと部屋代が1日50fになる。

そこで、セバスチャンの略歴を聞いてみたら、元々貴族の執事をしていたらしいが、暗殺者の集団が襲ってきて、奮戦虚しく、主人は亡くなり、命からがら逃げてきたんだそうだ。


逃げてる途中も追っ手がしつこく、なんとか国外に逃げてきたが、満身創痍の状態で衛兵に捕まり、奴隷になったらしい。



「セバスチャンを買ったからお金が無いんだ」


「それではこの後どうするおつもりで?」



セバスチャンはちょっと呆れながら聞いてくる。



「取り敢えず魔物を倒してお金に替え、商品を買って売ってお金にする!」


「商品とはなんでしょうか?」



そこでセバスチャンに今度は自分が異世界から来たことと、スキルを説明した。

最初は半信半疑だったが、ライトやナイフを見せたら納得してくれた。



何よりナイフへの食い付きがすごい。

隅々まで調べている。



「鋼か?……この固さは……これがあったら……」



などとぶつぶつ言っている。

セバスチャンがほしいナイフを色々聞き出して、それにあったナイフを買う。



両刃の物が良いらしいが、値段的に1つしか買えなかったので1つ買い、後は俺の短刀と渡す。


残金 36f



過去最高に貧乏である。




下で食事をするときは双子にセバスおじちゃんと呼ばれ、孫を見るお爺ちゃんのようであった。

おやっさんからはとんでもない化け物を連れてきたなと言われた。

やはりなかなか強そうだ。



なんで奴隷商が気付かなかったといえば、ステータスは教会でしか確認できず、奴隷に反対している教会ではステータスを見せてくれないかららしい。

レベルも何も奴隷商は見ることができない。勿体ない。

自己申告などで自分をもっといい人間に売ってもらうつもりが無いのであれば言わなくても問題ないということだ。




部屋に戻り、明日の予定を伝えて、就寝した。

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