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誰が井出らっきょだ


「条件は受け入れられませんでした」


「まあ無理だろうな」


「これからどうするんです?」


「どうするもこうするも帝都を更地に変えるぞ? 住んでいた人間には悪いが、これ以上喧嘩売られても困るしな」


「どうにかならないですか?」


「なんで?」


「多分数万人が路頭に迷うことになります。 兵士や貴族がどうなっても構いませんが、住民がスラムに落ちるのはやっぱり………………」


「………………そうか」



どうしようかな。

俺も感覚が麻痺してきたのかも知れない。

前の戦争では貴族のせいで兵士が死んだことに怒っていたくせに、戦争が続くとあまり気にしなくなっている。

そうか。

住民の生活ね。



城だけ粉砕して帰るか。

うん、それがいいな。



「じゃあ城だけ粉砕して帰るよ。 でも魔道具は諦めないから」


「ありがとうございます」


「ホッホッホ!! やはりお優しいですな。 少しぬるい気も致しますが、私も賛成でございます」


「じゃあ伝えてきてくれ。 魔道具と城の粉砕で勘弁してやるって」


「行ってきます!!」



今日も人数は減ったが、ちゃんと人数を揃えてきている。

偉そうな奴だけでも先に殺しておこう。

50口径で撃つとたまに首なしになるから嫌なんだよね。

アサルトライフルでも届くかやってみようかな。

こっちでも装弾数が多いし連射しながら合わせていけば当たると思う。

俺とセバスチャンはサイトをライフルスコープに換えて、馬に乗ってる奴や豪華な防具をしている奴を撃っていく。



何人か倒していくと、偉そうな奴らが急いで門の裏に隠れてしまった。

塀は破壊済みだし、隠れるところは門しかないか。

門にミンサーで近づいていき、ランチャーで門を破壊する。

うまくいけば生き埋めにできるはずだ。



兵士たちも指揮官がいなくなって、どうしたらいいかわからないみたいだ。

ちょっと後押ししてやるか。



「あーあー。 お前ら指揮官死んだけどどうする? 国が負けるのは確定だけど、向かってくるなら戦ってやるぞ?」


「みんな戦う気無いみたいでーす!!」


「じゃあ俺たちこれから城に乗り込むから解散!! ほらもうやることも無いから帰んなさい!!」



俺たちはそのままダンプを収納して門の瓦礫を越え、そこからハイラックスを出して城に向かうが、後ろからいきなりファイアボールを撃たれた。



「アッつぅぅぅぅ!!」


「旦那様!!」



急いでヒールデラックスを体にかける。

どうやら指揮官の生き残りがいたみたいだ。

背中ががっつり爛れていたがヒールデラックスで直ぐに治った。

拳銃で生き残りを倒して、念のため全属性ボールをいくつか撃ち込んでおく。



「死ぬかと思った」


「髪の毛は再生できませんでした………」


「え?」



後頭部が結構な勢いで禿げている。

17で禿げとかキツイんですけど。

これダメなやつですわ。

プッチンプリンですわ。



「………………殺す」



そのままハイラックスで城に向かい、城門も塀も全属性ボールで破壊して乗り込む。

もう魔道具なんてしるか!!

城も全属性ボールで破壊していく。



「すいません!! 城も明け渡します!! 魔道具も渡しますから!!」


「髪の毛を返せ!!」


「それは………」



城を大破させて、偉いやつを呼び出す。



「てめぇこのやろう!! どうやって落とし前つけんだ!! アァ!?」


「金銭も城に埋まってしまいました………。 支払える物がありません………」


「てめぇが王か?」


「そうです………」


「魔道具の技術どこにやった?」


「勇者の一族に取られました………」


「………そいつらはどこだ?」


「分かりません。 魔道具と技師と文献すべて持っていってしまいました。200年前のことです」


「使えねぇな。 テメェら次はねぇぞ? 技術もねぇくせに利権だけ取ろうなんて許さねぇからな」


「………………はい」


「セバスチャン、帰るぞ。 ドビーもどっかにいるだろ」


「ここでーす!!」


「もう荷物まとめてんのか。 早いな。 ていうか図太いな」


「………ぷっ!! どうしたんですか!! めっちゃ禿げてるじゃないで ゲフッ!!」



くそ。

これ帰ったら絶対ジェイソンに笑われる。

バチが当たったんだとか言いそうだな。

いっそ俺もスキンに………。



頭にタトゥーでも入れて帰るか?

メキシコギャングみたいにすればカッコいいかな?

やっぱねぇな。



walmartでタトゥーの機材まで見てしまった。

動揺してるんだな。

アホな考えになってしまった。



バリカンでフェードカットみたいにするか。

アメリカのラッパーみたいになればいいな。



気絶しているドビーを荷台に転がし、さっさと出発する。



「テメェら次顔見せたらマジで国ごと更地に変えてやるからな!! あと俺のことハゲとか言ったやつはミンチにして魚の餌にしてやる!!」


「………………」



全員土下座していたが、ドビーが俺のことハゲって言った時に何人か笑っていた。

顔は覚えたからな。



「このまま組合の総本部行くぞ」


「かしこまりました」


「あと途中で一回髪の毛も切る」


「………………かしこまりました」



結局更地にも変えていないし、魔道具もゲットできていない。

この国は残った魔道具技術だけでなんとかメンツを保っていたのだろう。

魔石は燃費を考えずに魔法国の貴族の嗜みとして使っていたんだと。

補助紋もないぐちゃぐちゃな模様の魔道具をそのまま使っていたのか?

頭が悪すぎる。

200年前とか勇者一族はどこ行ったんだ?

ていうか勇者のスキルって継承できるものなのか?

これもなにかカラクリがあるかもしれないな。

頭の隅に置いておこう。



俺は取り敢えずバリカンとヘアカタログを購入して、できるだけハゲが隠せる髪型を探していく。

今は何よりもこっちが大事だ。

生えてこなかったらどうしよう?

毛根って欠損に入るのかな?

ヒールしたけど再生しなかったらヤバいな。



途中で一旦休憩して、髪を切っていく。

頭頂部を坊主にして、サイドや後ろは0mmから徐々に長くしていく。

やっぱりハゲが目立つな。



「このカタログにある剃り込みでハゲ隠せませんか?」


「それだ!! ナイスだドビー!!」


後頭部に模様を彫ってハゲを隠していく。

ハゲが飛び飛びになっているので、それを利用してドクロを描いた。

見た目はチンピラそのものだ。

こうなったらとことんチンピラになってやろう。

ピアスを開けて、グラサンをかける。



「どうだ? ハゲ隠れたか?」


((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル


鏡を見ると、昔の高校ヤンキー映画に出てきそうな見事なチンピラがそこにいた。

やっぱりグラサンはねぇな。



「こんなもんか。 取り敢えずベレー帽でも被ってイカツイのを隠そう」


「いや、ドクロ出てますって」


「あぁ?」


「なんでもないです!!」



ここから総本部まで車で8時間。

外務省で働いていたドビーは地理にも詳しい。

ついでに走りながらドビーにも運転を教えてしまおう。

うちの人間の必須条件だ。



「ご飯作るのうまいですね!! こんなに美味しいの初めて食べました!!」


「そりゃあ調味料の数が違うからな。 誰でもうまく作れるぞ」


「いろいろやってるんですね………」


「本職は卸しだ」


「え?」


「ん?」



夕食を終えて、酒を飲みながら将棋をさす。

ドビーも横で解説を聞きながらルールを覚えている。

何気に頭いいなこいつ。



「あれ? それはここの方がいいのでは?」


「そこに指したらこれが来て動けなくなるだろ? ここに指せば次どう動いても相手はこれを動かすしか無くなる」


「なるほど分からん」



やっぱりバカかもしれない。

ちょっと仮眠を取ったら出発する。

3人もいるし交代で運転すれば朝には到着できるはずだ。

さっさと終わらせて帰ろう。



早朝の4時頃、総本部がある都市に着いた。

北に巨大な森があり、そこの魔物を抑えるためにできたのが始まりで、今でも多数の冒険者がここで過ごしているらしい。

近づいてみると、早朝なのかまだ門は開いていない。

というか絶賛魔物の大群に襲われている途中である。



「なんかめんどくさいことになってんな」


「今こそミンサーの出番では?」


「しょうがない。 精々貸しを作っておくか」



今度は魔物との戦いですか。

今回の旅はイベントが豊富だな。



収納からミンサーを出………………。

兵士片付けるの忘れてた………………。



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