表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/122

私が盗みました



「何者だ!?」


「どうも。 ミヤジマ支国の国王。 ケン ミヤジマ王だ。 呼ばれたから遊びに来てやったぞ」


「ミヤジマ支国? そんな話は伺っておりませんが。 何か証明する物は?」


「国王の証明書ならあるよ。 通さなかったら問題になるだろうな」


「ど、どうぞお通りください」



ま、通しても問題になるけどね。

国境を越えて、最初の町で使者を見つけようと思ったが、意外と広いな。

面倒臭いから国旗を掲げたハイエースで町中をグルグル回り、反応が返ってくるか待ってみる。



早速釣れた。

1日40kmと考えて、多分この町だろうと当たりを付けておいたからな。

逆にここまで到着してなかったら遅すぎる。



「ミヤジマ支国の方とお見受け致しますが」


「うん!!」


「わ、私、ツーリス魔法国よりミヤジマ国王に使者として、派遣された者でございます」


「遅いからこっちから来てあげたよ!! "魔道具"でね」


「………」



場所をこの町の領主の館に移して、会談する。

こんなもん嘘とハッタリとごまかしだ。



「………かくして、ミヤジマ支国には当国の魔道具技術を盗んだ疑いがかかっており」


「………ないけど」


「え?」


「この国で俺と同じ魔道具見てないけど?」


「そ、それは、当国でも極秘の………」


「俺いっぱい持ってるけど」


「それは、その………」


「お前じゃ話にならない。 上の人間の所に連れていけ」


「か、かしこまりました!!」



こいつは悪い奴じゃなさそうだな。

車で酒でも飲ませて色々聞き出してやろう。



「この乗り物も本当に魔道具なのですね………」


「お前それ言っちゃダメだろ」


「………」



護衛を荷台に乗せ、使者を後部座席に乗せて都に向かう。

都じゃなくて帝都らしい。

魔法国って皇帝制なのね。



帝都に到着して、そのまま城に案内される。

想像していたよりも帝都はあまり発展してはおらず、魔道具も特に見かけない。



「なんだ? 魔道具が一般に普及しているわけじゃないのか?」


「いえ!! そのようなことは………」



もしかして魔道具研究も進んでないとか?

嘘だろ?

夢の魔法大戦はどうなるの?



城に到着し、案内された部屋で学ランに着替える。

腰に刀と拳銃を装備して、杖ランチャーを片手に持つ。

学ランと杖って合わないね。

セバスチャンも執事服に拳銃とカランビットを装備して、準備完了。

どっからでもかかってこい。



使用人に案内されて、大きな会議室で会談を行うのだが、向こうは10人以上の大人数で会談に臨むようだ。



「私がこの国の外務大臣、フォンディーヌ………シュトロフだ」


だからなげぇって。

そこから全員の自己紹介があるが、名前なんて覚える気がないので省略。



「ミヤジマ支国国王。ケン ミヤジマ王だよ」


「………」



スベった。

絶対に許さない。

本国の名にかけてこの国を滅ぼしてやる。



「で、俺がこの国の魔道具技術を盗んだ証拠は?」


「そんなもの、この大陸で魔道具を生産できるのはこの国以外にはないのだ!! 盗んだ以外にどうやって魔道具を生産できる!!」


「いや、俺が持ってる魔道具はこの国にないんだけど」


「それも貴様が盗んだのであろう!!」


「じゃあ誰か魔道具詳しい人呼んできてよ。俺の魔道具見てもらえれば分かるから」


「俺がその魔道具製造の権威だ!!」


「お前どう見たって研究者って面じゃねえだろ。まあいいや。 じゃあこれ何かわかる?」



俺は電卓を出して、そのいかにも悪いことしてますって顔してる男に渡す。

男は色々見たあとに模様が無いだのなんだの喚いたあとに、これは魔道具ではないと言って電卓を破壊した。

これで立証できないとでも思ってるんだろう。

まだいっぱいあるよ!!



「これは計算の魔道具だ。 違う大陸から持ってきたから文字は違うが、大抵の計算なら瞬時にできる。 試しに計算勝負でもしてみるか?」


「なに?………だったら見せてみろ!!」



その場でいろんな問題を解いていくがもちろん圧勝。

自称魔道具の権威は顔が青ざめていっている。

多分魔道具関係はもう汚職と利権で腐ってるな。

もしかしたら明かりの魔道具も空気の魔道具もこいつらの本気だったのかもしれない。



「こいつらもグルだな!! 貴様スパイか!!」


「い、いえ!! 私はそんな!!」


「うるさい!! 今ここで成敗してくれる!!」


カチン。カチン。

「お前もうるさい。 で? 誰の魔道具がどこで盗まれたって? 俺たちは2人だ。 魔道具でやっつけるんだろ? 戦争するって冒険者組合に言ったんだろ? 責任は取れよ?」


「なっ!! 貴様この国で殺人をおかしたな!! 戦争だ!!」


「だから最初から戦争するって。 俺たち2人は帝都の外で待ってるから。 準備できたらおいで」


「出すわけが無かろう!! 今すぐここで引っ捕らえろ!!」



えー。

もう面倒臭いよ。

俺は収納からAR556を2丁出してセバスチャンにも渡し、向かってくる人間を掃除する。



「残ったのはお前たちだな。 もう戦争始めるんだろ? じゃあ殺しても問題無いよな?」


「私は何も言っていない!! 勝手に始めたのはこいつだ!!」


「でも止めなかっただろ? なんで?」


「それは………」


「じゃあ戦争はいつから始める? ここで決めろ。 あとあまり待たせるなよ? 1週間とか言ったら殺すから」


「3日で!!」


「じゃあ3日ね。 帝都の外で待ってるから!! 遅刻したらダメだっちゃ!!」



よし決まった。

城の外に案内されて、そのまま車で帝都を出てくる。

あのまま城を破壊しても良かったのだが、せめて魔道具を壊さずもって帰りたい。



帝都から500mほど離れた場所で、コンテナウォールを建設する。

10個のコンテナをペンタゴンの形で2段重ねるだけ。

回りは有刺鉄線を張り巡らせ、すぐ横に777fダンプもといミンサーをつけた。

コンテナ2段で5mちょっと。

ちょうどダンプの荷台に上がれる高さだ。

偶然とはいえ、発見したときはちょっと感動した。



といっても横に鉄パイプやらなんやらがついているので梯子で渡らなくちゃいけないが。



あと3日か。

それまでに帝都から住民を逃がさないとな。



今日の夜からスタートだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ