また戦争です
「ガス欠になる前に帰ってこいよ。 最悪1台でも帰ってくれば迎えに行ける」
「すみません。 よろしくお願いします」
「南の海で遊んでこい。 一応国旗もついてるし、銃も持ってるんだ。 シードとロビン君がいれば大丈夫だろ」
「お任せください」
「じゃあ旅行楽しんでこいよ」
シード一家とケビン一家が旅行に出発した。
元々行かせるって言ってたしな。
せいぜいゆっくりしてもらおう。
金ならめっちゃ持たせたし、豪遊しても問題ない。
命の危険にばっかりさらしてるんだ。
これぐらいの手当ては妥当だろう。
「俺も旅行したいっす!!」「 お前よく風俗に旅行してるだろ?」
「めっちゃ近所!! たまには違う女の子と遊びたいっすよ!!」
「お前サリーちゃんに振られたからって直ぐに違う女の子に走るのか?」
「………………なぜ知っている」
「逆になぜ知らないと思ったんだ?」
情報なんて直ぐに上がってくる。
お前が3人の女王様に振られたことくらい知ってるさ。
そのめげない根性は素晴らしいと思うぞ。
「グスタフ、セバスチャン。 家畜の移動と人員の配置は頼んだ。 ついでにパーチュに総本部乗り込むぞって伝えておいてくれ」
「かしこまりました」
「俺は防具の改造で部屋に引きこもる。 なにかあったら無線してくれ」
部屋に戻ってロビン君装備を確認する。
ブーツも新しい物に換えた方がいいな。
上下は剣道着にブーツイン、体にはライオットスーツを装着している。
銃も装備するし、体は防弾ベストにしておこう。
ポケットもいっぱいあるしこっちの方がいいだろう。
他は大丈夫だとして、問題は顔だな。
今は防弾マスクの目の部分を切り取って、髭が書いてあるだけ。
aliexpressで般若面を購入して、防弾マスクに取り付ける。
面の下にバラクラバも着用させた方がいいな。
ヘルメットはライトに触角を付けて兜風にした自信作なのでこれも放置。
いや、森で枝に引っ掛かりそうだから外した方がいいな。
ライトも電池が心配だが、ソーラー充電器を持たせよう。
取り敢えず防具はこんなもんか。
バックパックはまた考えよう。
「旦那様。パーチュ殿がお見えです」
「通していいぞ。 ついでにお茶もお願い」
「かしこまりました」
いい加減組合が動いたか?
いや、多分違うだろうな。
「で、どんな問題だ?」
「………………魔法国が嗅ぎ付けてケチをつけているようです。そんなもの認められない、魔法国から盗まれた技術だと」
「確かにばらして解析したからな。 一理ある」
「それで、ここにある魔法技術を寄越さなければ戦争だと」
「また戦争か。最初から売ればいいものを売らなかったのが悪いだろ」
「その通りなのですが、魔法国の使者が直接こちらに向かっているそうです」
「なんだそれめんどくさい。 ………到着は?」
「魔法国からは国を一つ跨いできます。来月になるかと」
「遅い!! こっちから行くしかないな。 ………こちらケン、セバスチャンちょっと家に来てくれ」
「魔法国は攻撃魔法にも優れています。 勝つのは難しいと思いますが………」
「そうか。 じゃあセバスチャンと二人で行ってくる」
「え?」
「戦争が難しいなら暗殺とテロしかないだろ。 大人数で行くのは難しいしな」
コンコン。
「お呼びですか?」
「また戦争だ」
「またでございますか? 私も少しゆっくりしたいのですが………」
「今回は二人だ」
「面白そうでございますな!! 早速準備致します!!」
「面白そう………。 本当に二人で?」
「負けないぞ?」
もういい加減にしてほしい。
グスタフには建築を進めてもらわなくちゃいけないし、ジェイソンには食材の買い出しもお願いしないと。
ポアソンにも納品関係を進めてもらわないと。
もういいや。
本気で潰してこよう。
向こうも昔から勇者使って潰してきたんだし、バチが当たったんだ。
歩くバチがそちらに向かいますよ。
「儂は連れていってくれんのか!?」
「仕事どうすんだよ」
「グヌゥ………」
「初めて戦闘から抜けた………」
「お前はポアソンと湖に必要な物を町に買い出しだな」
「本当にお2人で?」
「行けるだろ。グスタフはどう思う?」
「余裕じゃろ? 大型ミンサーもあることじゃし、魔法でも負けんじゃろ? あの湖に撃った魔法だけで勝てると思うぞ?」
「あれか………。 あれはヤバイな。 早く量産しないと」
「ガッハッハ!! 量産じゃと? 国が更地になるわぃ」
「更地にするんだ」
「それぐらいしないとダメかもしれんのぅ」
「まあできるだけ逃がすさ」
「お主のことじゃ。 そこは心配しとらん」
「旦那様はお優しいですから」
「そこはなんとも言えん」
「おい」
もうパッと行ってパッと帰ってくる。
明日朝にバイクで出発だ。
途中で豪華な馬車でも見かけたら襲ってみよう。
もしかしたら使者かもしれない。
部屋に戻って、電池式の全属性魔道具を量産する。
といっても電球を外して全属性、補助、2級発動紋を書いた鉄板を取り付けるだけだけど。
何発撃てるかわからないし、電池の交換もめんどくさいしね。
ついでにバイクの前のウインカーにもつけておく。
右が全属性ボールで、左がファイアボール。
大量破壊バイクの完成。
出発前の準備ももういらないな。
今回はテロやって人間を王都から出し、魔道具で更地に変えて帰るのが目標。
ここまでやればもう誰も絡んでこないだろ。
ダンジョンも魔道具も整地も手引き書も進まない。
いい加減にしてほしいわ!!
あ。魔道具もパクってこよう。
新しい模様が見つかるかも。




