表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
111/122

冒険者の手引き


チキチキ!!

最強のハンターはだれだ!?

かくれんぼ大会~!!



今回隠れる鬼は冒険者5名。

それを27人の子供たちが5日以内に塀の中で見つける。

といっても大きさは115平方キロメートルもある。



一応冒険者には、痕跡をちゃんとたどれば発見できるように隠れてもらっている。

1人だけ痕跡をあまり残さないようにしてもらってるが。



「チームに分かれたらお弁当持って出発!!」


「「ハーイ!!」」



ここに15才以上の若い人間は居ない。

そういう人間はそうそうに働きに出ちゃうか、冒険者になっている。

冒険者とシードに引率もお願いしたし、俺は塀の外で整地の手伝いでもしよう。



グスタフが伐採を担当しているようだ。

だとするとショベルカーを運転しているのは………ザジか。

俺は切り倒した木と掘り起こした根を回収しておく。

まあ人もいるしできることもないか。



「あの~」


「どうしたケビン?」


「畑も落ち着いて、やることが無いんですが………」


「今年もこの時期が来たな」


「なにしたらいいですか?」


「んー………。 休暇」


「休暇? お休みですか?」


「そう。 1週間ぐらい家族で旅行してきなさい。 祭りが終わったらシード一家も一緒に行っていいから」


「そんな。 旅行だなんて」


「もう1年以上働いてくれたし、これはご褒美だと思っていいから。 金もケビンとシードで2万fやる。 せめて半分以上は使いきってこい」


「2万!! そんなに使えません!!」


「なんなら貴族みたいな暮らししてこいよ。 農業大臣と林業大臣として。 書状も書いておくから」


「そんな………」


「ナビゲーターとリーフはだめか。 もう一台車買うから燃料もちゃんと持っていけよ。 旅先でガス欠とか悲惨だからな」


「分かりました………」



こりゃあジェシカさんに引っ張ってもらった方がいいな。

初めての旅行で気が引けてる。

7人だし1台で良いのだが、荷物を考えれば2台だな。

もう一台ナビゲーターでいいか。

念のためダッシュボードにもう2万入れておこう。



道場に行って、縁側で冒険者の手引きを作成する。

薬草の絵なんかもスキャンして、そこそこの厚さになる予定だ。

各国の簡単な地図も入ってるし、応急処置の方法や食べられる野草なんかも書いてある。



値段に関しても組合は利益度外視で販売するらしい。

どこまでも冒険者に優しい組合である。

サービスでボールペンも付けてあげよう。

後半にはメモを書く部分も数ページ作ってある。



「ふぅ………」


「コーヒーでございます」


「ありがとう。 アマンダは?」


「今日は旅人亭で大人数お客様の対応を勉強しています」


「アマンダの成長は早いな。 無理させるなよ」


「かしこまりました」


「庭も大分落ち着いたな。 どうだ? 大変じゃないか?」


「滅相もございません、これほど有意義な時間はこの人生で初めてでございます」


「それはセバスチャンの人生が過酷すぎるな。 戦闘職でも普通に食っていけるだろ?」


「それはそれで有意義かもしれません」


「戦闘狂だな………。 セバスチャンは冒険者の手引きに何か書いた方がいいと思うことは無いか?」


「魔笛のサインとハンドサインは戦闘でも有効かと思いますが」


「なるほどな。 宴会のサイン以外は書いても良いかもな」


「宴会のサインも喜ばれるのでは?」


「ネタとしてはありかもな。 本当は3回鳴らすのは救難信号なんだけどな」


「そうなのですか? それこそ救難と宴会は一緒の方が人が集まるのでは?」


「確かに家の動物たちもこの合図だけは聞き逃さないからな」


「躾が行き届いていて何よりでございます」


「これも書いとくか。 救難、及び宴会っと」


「ブフッ!!」



なかなかにシュールな合図だが、意外と有効かもしれないな。

普通はチームでハンドサインを作るらしいが、依頼で他のチームと組むこともあるだろうし、ハンドサインも統一の物として描いておくか。

ボーイスカウトのハンドブックを参考にいろいろ加えていく。

結構内容の濃い物ができそうだ。



家に帰ってきたが、子供たちはまだ帰ってきていない。

もうすでに1人見つかったらしい。

見つけたのはロビン君だそうで、しっかり追跡しながら見つけたみたいだ。

ロビン君ももうすぐ14才だし、後1年で冒険者として旅立ってしまう。

ここら辺は初心者向けの魔物もいるが、初級依頼が全然ない。

初級で始めるなら町まで行かないといけない。



今度ガッツリ装備作ってあげるか。

ユマはもう少し先だな。

というかまだ9才だしな。

ゆっくり考えていこう。



この祭りの最終日に、まとめて誕生日をやる予定だ。

27人全員の要望を聞いて、できるだけ公平にプレゼントをあげる。

気分はサンタクロース。



それまでは手引き作りと整地の手伝いだな。

調味料工場も完成して、今は魚をどんどん塩漬けにして、倉庫に積み上げている最中。

ある程度進んだらオイル漬け調味料の製作に入る。

俺のやることはもうない。



魔道具工場も完成して、今はヒールの魔道具を大量に生産中だ。

まだ総本部からの答えが出ていないので売り出しはしていない。

売り始めたらブロンズ商店にも卸そう。

値段は組合と相談しないとだけど。



牧場には鶏が6羽追加された。

まだ小屋ができていないので今はケージの中で飼っている状態。

オス1羽にメス5羽。

うらやましいなおい。



確か鶏ってオス同士を一緒にしたらダメなんだよね。

小屋をいくつかの部屋に分けておかないとダメかもな。

増やすにしてもちょっと色々考えてみよう。



翌日、鶏小屋を長屋の直ぐ近くに建設する。

6羽だったらwalmartで売ってた鶏小屋で十分だろう。

増えたらまた建築すればいい。



俺は冒険者の手引きを作らないといけないんだ。

後は頼んだ。



組合に行って、取り敢えず今完成した分をパーチュに見てもらう。



「完璧です!! 素晴らしい出来です!!」


「お前そればっかだな。 ちょっとそこの!! これを冒険者の手引きにしようと思うんだけど、何か足りない部分とか無いか見てくれない?」


「………………完璧です」


「お前もかい!! 冒険者に見せないとわかんねぇな」


「いえ、冒険者に見せても同じ反応かと」


「いやいや、本職だし何かあるだろ。 これが欲しいとか、あれがほしいとか」


「無いです。 直ぐに販売してください」


「マジで?」


「マジです」



ということで、そのまま販売が決定した。

まあ売っていけば何かしら出てくるだろ。

その時に変えればいいや。



俺は合同誕生日会の準備をしなくちゃいけないんだ。

後は頼んだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ