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教育のために


「旦那様、家畜が到着しました」


「意外と早かったな」



ジェイソンとソミュール液の開発を行なっている途中で家畜が到着した。

各地方からここに運ばれてくるらしく。

今回は羊と豚がそれぞれ4匹ずつ8頭だ。



まだ家畜小屋ができていないので、簡単な柵を入り口付近に設置して、そこに入っていてもらう。

取り敢えず餌はヤギと豚の餌がwalmartで売っていたのでそれを与えておく。

walmartなんでも売ってんな。



牧場で働く人間に後は任せて、俺はジェイソンの所に戻る。



王様にも魔道具返さないとな。

一応全部改良は終わってるしパーチュにでも渡しておくか。

万能魔道具も完成したらプレゼントしてやろう。



ジェイソンのソミュール液は、最終的に塩、ハーブ、ナンプラー、砂糖でできた物に収まった。

今のジェイソンは、この前臭いと言ったのが余程ショックだったのか、専用の作業着を着用している。



「これで後は燻製してみてどんな味かだな。 自分でもいろいろ改良してみろよ?」


「分かったっす。 ところで主様、醤油はもう出さないんですか?」


「湖の中だったら別に構わないぞ? まあお前がくたばるまでは醤油は使えるが、この調味液を使うのはお前だけにしておけよ」



結局ここでも醤油の弊害が。

でも乾燥麹を増やしたり保存したりなんてできないし、豆を塩漬けするだけじゃあダメだしな。

本なんかが売っていれば考えてみるが、今は放置だな。



そのままジェイソンを連れて昼飯を食べに帰ってきた。

今日の昼飯は焼きそばにするか。



インスタント焼きそばの欄にお馴染みの夜店の焼きそばが売っているのを発見した。

こんなもん食べるしかないじゃん。

お馴染みのカラシマヨネーズもついてるし。



「うぉっ!! 懐かしい味だ!!」


「おいしいっすね」


「お湯入れるだけで簡単だしな。 ガキのころはよく食べてたんだ」


「まだ16じゃないっすか」


「もう17だ。 前世入れれば30だな」


「先輩じゃないっすか」


「喋ってたらわかんだろ?」


「いや、普通に老けたガキっすね」



ジェイソンの口に唐辛子を放り込み、そのまま俺だけダイニングで授業の準備をする。

ここ最近みんなに代わってもらっていたので、今日は俺が授業を代わって出てきた。



今日の授業は保健体育。

性的な方じゃなくて怪我や病気の処置について教えて、何かあったときの備えにする。



昼食を終えて、子供たちが家に入ってくる。

全部で27人くらいかな?

パーチュも入ってきて28人。



先ずは傷を負ったときの応急処置。

消毒や雑菌が入らないことの大切さを教えておかないと、みんなそのままヒールでなんとかしてしまう。

ヒールで雑菌がいなくなればいいが、そんなもの確かめようがないので消毒はしておいた方がいいだろう。

止血や有効なヒールのかけ方、骨折した場合の添え木の当て方なんかを教えていく。

みんな適当にヒールをかけているが、出血している場所からヒールをかけないと間に合わない恐れもある。



「なにかあったら冒険者組合にヒールを使う魔道具もあるし、俺もヒールは使える。 ちゃんと近くにいる大人に伝えるんだよ」


「「はーい」」


「この後広場でセバスチャンが戦闘を教えるから行きたい人はちゃんと職場に伝えてから行くように」



みんなノートにちゃんと書いていてえらいな。

俺なんてパラパラ漫画しか描いていた記憶がない。

どうやって大学はいったんだろ?



「冒険者にも伝えたい的確な処置ですね。 組合員にも講義してほしいくらいです」


「お前も最初から見てたんだったら分かるだろ? ヒールの魔道具と一緒に冒険者にも教えたらどうだ? 効果は魔道具だけよりもあると思うぞ?」


「それこそケン様にお願いしたいです。 みんなあなたの講義だったら参加しますから」


「面倒臭い。 組合員に教えてもいいから後はそっちでやってくれ」


「ありがとうございます」


「というか組合員の教科書でも作れよ。 読み書きと四則演算、ルールなんかを教えておけばそれだけで十分だろ?」


「一応あります。 分厚くて誰も見ないですが」


「持ってこい。 俺様が見てやる」



そのまま広場に行き、セバスチャンの戦闘訓練を眺めながら組合員の手引き書という物を見てみる。

そりゃあ羊皮紙で手書きじゃあ分厚くもなるわ。

開いてみても挿し絵も図も一切なし。

難しい書き方で読んでいて眠くなってしまう。



「ちょっと俺が作ってみるよ。 もっと薄くて簡単なの」


「よろしいんですか?」


「有料だぞ? あとこれは面倒臭いからお前が読んで必要な部分だけ俺に教えろ」


「かしこまりました」



久しぶりにパソコンでも使うか。

プリンターもデカイの買わないとな。

製本用のホッチキスも必要か。



部屋でノートパソコンを買って、初期設定を済ませる。

英語じゃないって使いづらい。

先ずは文字の登録からだな。

外字エディターを起動してこの世界の文字を平仮名のように音で登録していく。

これはペイントに近いが、すべての文字を登録とか鬼かよ。



結局1日では終らず、2日目に突入。

湖のことは無線で伝えるようにした。



A4を両面印刷で、半分に折った真ん中をホチキスで留めてA5の本を作成する。

まず最初の見開きに文字と絵を並べていく。

絵の頭文字文字がそこに入るようにすれば、バカでも分かるだろ。



最後の見開きは九九の表を書いておき、小さく文字で(しさんじゅうに)と書いておく。

後は1ページごとにそれぞれの四則演算と筆算の仕方を書いていき、それが終わったら算盤での計算方法も教える。



取り敢えず計算はこれでいいか。

パーチュを呼び出して書いていく組合のルール、税金の取り扱いや罰則について簡単にまとめ、その場で打ち込んでいく。

取り敢えずこれで印刷するか。

印刷したものをホチキスで留めて半分におり、パーチュに見せる。



「これは素晴らしい!! この線で分けられているから一発で分かりますね!!」


「必要なことなんかあったら足すから言ってくれ。 応急処置と、あとはなんだ?」


「これだけあれば、十分だと思いますが………」


「バカもん!! 例えば冒険者登録の流れとか昇級の流れといろいろあんだろ!!」


「確かに………」


「取り敢えずついてこい。 そこら辺は俺も分からん」


「………はい」



こうして5日間かけて初心者組合員の手引きが完成した。

なんとかかくれんぼ大会までには終わって良かった。

取り敢えず10部製本してパーチュが王都に持っていった。



「………すみません」


「どうした?」


「冒険者の手引き書も作っていただきたいのですが………」


「………………………」



かくれんぼ大会が終わったらだな。

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