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魔道具革命


やっと家に帰ってきた。

結局6日も遊んでしまったが、やっぱり冒険ってワクワクするな。

まあ職業にはしたくないが。



到着そうそう溜まった仕事を片付ける。

まずはポアソンと各種納品。

倉庫に補充する分と工務店に直接卸す分、食品関係も片付けないといけない。

それが終われば魔石の売買を済ませ、そこから組合にセバスチャンとアマンダを連れていく。

組合に入ると、早速パーチュが出迎えてくれる。



「ヤッホー。帰ってきたよ」


「ケン様。 帰ってきたのは聞いておりましたが、どうされましたか?」


「ダンジョン見つけてきたよ」


「この前言っていた魔物が湧くとかいう洞窟ですよね? 本当にあったんですか?」


「あったぞ。 でも昔の勇者が潰して回っていたとかでほとんど残っていないそうだ。 ここは生き残ったダンジョンだな。 どうした? 反応が薄いな」


「わざわざそこまで行かなくても魔物は狩れるのでは?」


「はいバカ。 同じ場所で魔物が湧き続けるんだぞ? 移動時間や効率を考えなさい。 うまくやれば今の倍は魔物が狩れるだろ?」


「倍? 本当に?」


「まだ確認はしてないからどれぐらい湧くかは分からんが、勇者が潰して回るくらいだ。 結構居るんじゃないか?」


「………自分では判断できませんので本部に連絡します。 それと、ヒールの魔道具なのですが………」


「まだ製造に入ってないからあまり無いぞ? サンプルでいいならやるが………」


「是非お願いします。 相談するにしても物がないと説明が難しく………」


「じゃあ両方やるから本部でも総本部でも持っていけ。 お前もバイク覚えるか? 王都まで3時間だぞ」


「いいんですか!?」


「どうせ俺が魔力注入しないと鉄屑だしな。 パーチュは国を任せるんだ。 足はあった方がいいだろ」



パーチュを連れて外に出て、バギーの乗り方を教える。

チャリに乗れない人間に二輪は無理だな。



「簡単だろ? まずはゆっくり王都を目指せ。 慣れれば勝手に速くなる。 燃料にだけは気を付けろよ」


「か、かしこまりました。 兜も頂いてしまって申し訳ありません」


「俺は急いで魔道具の研究したいから後はよろしく。 絡まれたら盗まれてもいいから逃げろよ。 取り返すのは後からでもできる」



家に戻って、魔道具の研究を行う。

まずは明かりの魔道具から。



開いてみたが、模様が知っている物と違う。

左右は同じなのだが、中にもう1つ模様が挟み込んである。

左中右で1つの模様を形成している。

試しにつけてみよう。



光量はあまり変わらないな。

だとしたら発動時間か?



明かりだと俺が作った物でも3日は持つ。

ヒールの魔道具を2つ、2文字の物と3文字の物を用意して、スライムの魔石で発動させてみる。



2文字の方は1時間で切れたが、3文字の方は2時間もった。

やはり安定化か省魔力化を行う模様のようだ。

水の魔道具にもそれが使われている。



だったらなんで燭台は魔道具じゃないんだ?

キッチンにも火熾しの魔道具や水の魔道具は無かった。

吸血鬼だから料理しないとか?

まあ1人身だしそれも考えられるか。



誰でもできる魔道具も読んでみよう。



やはり基本は火、水、風、土、光の5種類のようだ。

さっきの真ん中の模様は、安定化と魔力ロスを無くす模様のようだ。

模様は属性紋、発動紋、補助紋というらしい。

だが、やはり基本なのか1級の模様までしか教えてはくれない。



しかし、これで4属性2段階の模様と、補助の模様を手に入れたことになる。



次に、ストーンボールの杖を解体する。

模様は天辺に描いてあり、スイッチを押すと杖を向けた方向にストーンボールが飛んでいくようだ。

一回湖に出て、発動してみる。

有効射程は30mといったところか。



その場で魔石を填める穴を取り外して、電池を繋いで発動してみる。



ゴォォォォォ!!

「これはエグいな」



どうしよう。

全部の模様並べて発動したい。

思い付いたらやらないとムカムカしてくる。



その場で模様を、5行、補助、2級の模様を書き加え、湖に向かって発動してみる。



ズガァァァァァ、ドォォォォォン!!

「………爆発したでおい」



これはアカン。

電池は付けておいて、スイッチの上にカバーを取り付けた。

これで間違えて押すこともないだろう。

秘密兵器だな。



普通に1級で石を出してみると、1cmぐらいの小石がじゃらじゃらと出てくる。

これ道作りに使えるんじゃね?

試しに電池を取り付けてみると、今度はピンポン玉ぐらいの大きさの石がドバっと出てきた。

これは大きすぎて使えないな。



グスタフの所に行き、研究の成果を教える。



「これで5属性揃った。 仮で作った万能魔道具にも改良を加えておこう。 それより石の魔道具じゃ。 これは大工組合がひっくり返るぞ?」


「だよな。 安定化した今ならどこでも砂利が使い放題だ。 玉砂利とはいえ、使い道は山ほどあるはずだ」


「これを発動させっぱなしにしておくだけで街道ができるわ。 まあ玉砂利じゃから歩きづらいかもしれんがな」


「まあ既存の産業を壊さない意味ではいいのかもな」


「確かに好きな形の石が出てくれば採石場は倒産するじゃろうな。 玉砂利なら川沿いにしか無いじゃろうし、既存の産業は壊さんじゃろう。 しかし、本当にまん丸じゃの。 ショットガンの弾みたいじゃ」


「………ダメだぞ?」


「空気の魔道具で空気を貯めて、一気に発射すれば………」


「どれくらい飛ぶかな? ストーンボールよりは飛びそうだよな………」


「1丁だけ………」


「………1丁だけだぞ」



面白そうだと思ってしまった自分が憎い。

グスタフが考えている万能魔道具はライター型で、横にギアが付いていてそれで使う魔法を変えられる仕様になっている。

魔石を填める穴とスイッチ、模様の3つの構造だけでできる。

明かりとして使えるようにスイッチは一度押したらもう一度押すまで発動しっぱなし。



ライト付きライターから水、石、風が出てくる。

地球でも売れるなこれは。

サバイバルの必需品になりそうだ。



とりあえずグスタフには砂利製造器をいくつか作ってもらい、ダンジョンへの道作りに使おう。

10人くらいで発動しっぱなしでダンジョンへ往復してもらえばそれだけで道ができそうだ。



明かりの魔道具はゴブリンの魔石1つで6日間動く。

水も6日間出っぱなし。

農業にも使えるかもしれないが6日で1500円はさすがに高いか。

月7500円で水使い放題。

あれ? 安いかもしれない。



でも魔石も需要が上がれば値段が高騰するはずだ。

多分魔法国は今頃インフラすべての値段が上がっているはずだ。

魔石に頼っているはずだからな。

10fで1つなら十分インフラとして使えるが20fまで上がればすべてがうまく回らなくなるだろう。



勇者まで使ってダンジョンを潰したのは自分たちだし、その反動が返ってくるのも当たり前だな。

組合と一緒に魔石の保管に移ろう。

多分後で値段が高騰するはずだ。



まあ高騰させるのは俺だけど。

なんとか4話あげられました。


いつ仕事が入るか分からないので、短く区切っています。

見辛くてすいません。

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