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いざ廃墟へ


「出発するぞ‼」


「二日酔いが………」


「だから控えろと言っただろ」


「あんなうまい飯と酒が出てきて止められるわけないじゃないですか‼」


「バイクの後ろで吐いたらぶっ殺すからな」



キャンプ場までの運転は俺とセバスチャン、ジェイソン、シード、グスタフの5人。

それぞれ後ろに冒険者を乗せて出発する。

武装した人間が10人でバイクとかどこのエンペラーですかと聞きたくなるが、ここには三段シートも

なにもないのでただのツーリング。

そのうち魔改造した単車で王都に行ってみようかな。



冒険者が吐かないようにゆっくり走りながら、森の中を進んでいくが、意外とアップダウンが激し

い。

マジで吐かないか心配になってきた。

頭にごみ袋でもかぶせておこうかな。



なんとか吐かずにキャンプ場まで到着した。

全員の荷物を収納に入れて、ここからは歩いて山の麓を目指して歩く。

6時間徒歩で移動する計算だし、なんとか暗くなる前には到着したい。



森歩きに慣れている冒険者に前を歩かせ、その後ろでセバスチャンが気配察知による索敵を行

う。

途中で魔物も現れるが、ここはまだそこまで強い敵は現れない。

イノシシの魔物や、普通の動物がほとんどだ。

もし転移してすぐの時にイノシシの魔物に遭遇していたらやばかったな。

いくらレベルの効果がそこまで強くないとはいえ、戦えない人間がサバイバルナイフ1本で野生の

動物や魔物と戦うのはさすがにきつい。

熊だったら100%アウトだった。

あのクソ神絶対ゆるさねぇ。



麓に向かいながら魔物も何体か仕留め、今日の晩御飯もゲットしながらすすむ。

もつ鍋もいいけど、掃除が大変だし、今日は普通に味噌煮込みにしよう。

そんなことを考えながら進んでいくうちに、今日キャンプする山の麓にたどり着いた。

レベル上げで来たことある少し開けた場所だ。



今回は人数が多くてテントを立てるのが面倒臭いので、湖から冒険者に貸しているテントを2つパ

クってきた。

ちゃっちゃと設置を済ませ、俺は料理の準備に入る。

今日はジェイソンにも肉の筋の取り方なんかを教えてあげる。

あとで肉の燻製なんかを作るときに役立つだろう。



「ちゃんと砥いだナイフでできるだけ薄くとれよ。肉が勿体ないからな。筋も後で煮込みなんかに使えるから捨てないように」


「肉に挟まれてる見えない筋ってどうやって取ってるんすか?」


「こうやって手で剥がしながら部位ごとに分けていくんだ。慣れてくればどういうふうに肉がついてるか結構わかるぞ」


「了解っす」



そのまま肉を鍋で軽く炒め、ネギや根菜と一緒に味噌で煮込んでいく。

砂糖味噌で煮込んだ鹿肉は意外とパンにもあう。

これに赤ワインを入れてもおいしい煮込みに仕上がる。

よく赤ワイン煮込みに八丁味噌で味付けしている店があるが、ワインで煮込むとスジ肉なんかも結

構柔らかくなるからおすすめ。

何より酒に合うしね。



「二日酔いなのに………。悔しい………」ビクンビクン


「飲み過ぎんなよ。 どうせ帰りも飲めるんだ」


「止められたら止めてます‼」


「ガハハハハ‼ 儂はウイスキーおかわりじゃ‼」


「お前も控えろバカタレ」



明日から登山なので、今日はさっさとお開きにしてテントで就寝する。

冒険者は交代で見張りをつけながら就寝する予定だったらしいが、うちには歩く探知機がいるの

で全員で就寝だ。

そんなに心配するな。

最悪先手を取られてもデラックススーパーヒールも持ってきている。

死ななければなんとかなるさ。

欠損だけ気を付けろよ。



途中一回だけ探知に魔物が引っかかったが、セバスチャンとジェイソンの二人ですぐ始末して帰

ってきた。



翌日、朝食も早々に済ませて出発する。

ヘビさんが居なくなった関係か、岩場に差し掛かるといきなりサソリの魔物に襲われた。

虫系の魔物って大きくなるとなんであんなに凶悪なんだろう?

見た目凶悪すぎるでしょ。



みんなで銃で攻撃していくが、グスタフとジェイソンのスラッグ弾以外効いている気がしない。

いや、シードの対物があったわ。

ヘッドショット一発で頭が弾けました。

頭が取れてもガッツリ動かないでいただきたい。

夢に出てきそうだ。



ヘビさんが居た岩場は絶賛縄張り争い中なようで、そこからもヘビや虫系の魔物に結構襲われる。

仕方ないので俺もバレット製のM82A1を購入。

これ反動でかいから使いたくないのに。



バァァァァン!!

「ギャァァァァ!! 耳がぁぁぁぁ!!」



耳栓するの忘れてた。

もう右は何も聞こえない。

急いで右耳にヒールをかけて、耳栓を装着する。

やっぱり小口径にもどして、連射能力で勝負しようかな。

でももう買っちゃったし、勿体ないからもう少し使っていこう。



「ケンさんたち強すぎないか?」


「北の帝国にも5人で勝ったらしいぞ」


「言ってる意味が分からない」


「湖の戦力って基本この5人らしいからな。それで戦争してること自体が意味分からないが」


「どうやって5人で国と戦うんだよ。さすがにそれは盛りすぎ」


バァァァァン!!

ズガン!!

バスンバスン!!

ズガン!!


「………………」



機関銃みたいなの欲しいな。

台座ごと収納してバカスカ撃っていければ、こんな魔物すぐ倒せるのに。



岩場を抜け、魔物が減ってきたので銃をAR556に戻して登山を再開する。

途中で冒険者たちが戦争について聞いてきたので、グスタフが面白おかしく顛末を教えていた。

やめろ。

人を魔王みたいに言うな。

冒険者たちが引いているじゃないか。



前回ムカデさんをしばいたポイントまで到着した。

建物はこの近くらしいので、昼飯をここで食べるとしよう。

戦闘で疲れて作る気力がないので、サンドイッチと巻き寿司をwalmartで購入して、昼飯にする。

海外の巻き寿司も意外とうまいな。

できればもうちょっと具を豪華にしてほしいが。



「やべぇよ。今まで結構なめた口利いてたよ。食べられたらどうしよう」


「二日酔いとか醜態も晒してるし、確実にヤバイって」


「カッカッカ!! 殺すつもりならとうに殺してるわぃ。 安心せぃ」


「誰が殺すか。 ふざけたこと言ってると酒減らすぞ?」


「「申し訳ありませんでした!!」」



殺すはまだしも食うってなんだ。

俺は新手の魔物か。



そこから20分ほどあるいた場所でその建物を発見した。

塀もなにも設置されておらず、なんとかかろうじて朽ちてはいない程度。

結構年代は経っているようだ。



建物は石造りの教会と洋館の間って感じで、ドアはついているが、窓は木製の小型のものがポツポツと見えるだけ。

それもほとんど朽ちているが。



「セバスチャン、気配は?」


「中にはありませんな。それでも罠には気を付けて進まなければいけませんが」


「よし、ジェイソンが先頭な」


「え? なんで?」



ジェイソンを先頭にして、みんなで侵入する。

気分は寝起きドッキリの仕掛人。

中は何かに荒らされたのか、結構グチャグチャで埃もたまっている。

エントランスホールは意外と広く、上に上がる階段が正面に見える。

まずは1階から見ていこう。



ダイニングルーム、ここは朽ちた椅子とテーブル、それに少しの装飾品が飾ってあるだけ。

装飾品だけ失敬して次の部屋へ。



キッチン、談話室、トイレ、使用人の部屋と見ていくが、特に情報や魔道具は見当たらない。

2階へと進もう。



2階はよくある右翼と左翼に分かれているので、ここで二手に分かれて捜索する。

右翼は客室なんかばっかりで特にめぼしい物はなかったが、倉庫のような部屋が唯一あった。



鍵が掛かっている。

映画のワンシーンを再現するときが来たようだ。



ズガン!!

「お邪魔しまーす!!」



こんな感じだったよね?



台風で会議が中止になったので、今週末は何話か上げられると思います。


来週も出張なので少し止まるかも。

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