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利権ヤクザ


「………釣れすぎではないか?」


「いい趣味になると思って始めたんだがな、釣れすぎて忙しいのが問題なんだ。 で? どうだったんだ? 視察は」


「誰もミヤジマ王を王とは呼ばないのだな」


「まあ規模的には村長だからな」


「それがどうしてあんなに冒険者から恐れられるのだ?」



どうやら王はいろんな奴に俺のことを聞いてきたらしい。

女性評判は普通だったようだが、冒険者のほとんどが俺からは逃げられないと溢していたようだ。

まあ愉快なお友達だからな。

逃がさないが。



余興にと魔笛を取り出して召喚魔法を唱える。

冒険者にハンドサインで気を付け、休め、戦闘準備と練習した組体操を披露し、愉快なお友達を紹介していく。



「近衛より練度が高い………」


「俺とセバスチャンでちゃんと躾けたからな」



冒険者をハウスして、ガゼボで一休み。



「冒険者がいれば家畜なんていらないのではないか?」


「食肉に困ってるわけではない。冒険者が多いここら辺は安全だから、家畜の数を増やすのにいいと思っただけだ。町では肉の供給が追い付いていないのだろう?」


「その通りなのだが、それはどこかから依頼されたものか?」


「冒険者組合から魔物の肉だけじゃあ供給が追い付かないと相談を受けただけだな。魔道具の研究も魔石の価値を上げるためだ。うまくいけば魔石の消費量が増えて、価値が上がるだろ?」


「なるほどな…。 魔道具も産業になるし、冒険者の身入りも増えると……」


「そうなればいいな程度だがな」



そのうちここを組合の一大拠点にしていこうと考える以上、組合の利益を考えていかないといけない。

家畜の卸しから魔道具、魔石とここに集まればものすごい利権だ。

俺は王から天下りして利権モンスターになるのだ。

日本の政治家も霞むような権力と利権を手にして王を引退してやる。



「ミヤジマ王はよく考えているのだな」


「そっちでもさっさと利権と管理委員会作って隠居してしまえ。軍事でも押さえとけば誰も手出ししないだろうに」


「軍閥貴族はどうするのだ?」


「自由に動けないように軍備とか防衛費だけ押さえとけば問題ないだろ」



どうやら王も早く引退したいらしい。

でも跡目が心配でそれができない。

だったら好き勝手やらないように見張りながら教育していくしかないだろ。

跡目争いだってまだ続いてるみたいだし、さっさと次決めて監視と教育、最悪交代まで面倒見ないと、2代目なんて碌なことにならない。



面倒臭い話は終わりにして、夕食にしよう。

今日は外でバーベキューでもするか。

家畜の話してたら肉食いたくなってきた。

牛丼食べたいな。



アメリカのスーパーって5キロの肉売ってるんだぜ。

業務用スーパーでもないのに。

狂ってるよね。



まあこちらとしては人数が多いからいいのだが、この量の肉をホームパーティーで消費するアメリカはなるべくして肥満大国になったと言わざるをえない。

カットした肉に下味をつけてアルミホイルで蒸し焼きにし、その横でふつうサイズの魔物肉を焼いていく。

魔物のほうがおいしいしね。

家畜を普及させて、魔物肉の料金をちゃんと上げていって冒険者にも組合にも稼がせていかないと、このままではいつまで経ってもただの食肉業者で終わってしまう。

ちゃんと嗜好品にして、価値を上げていこう。



「ミヤジマ王の使う調味料はどれもうまいな。これは卸せないのか?」


「これはいろんな種類のスパイスに乾燥ハーブなんかを合わせたものだ。普及させるんだったら、俺の作った調味料にいろいろ混ぜて自分の味を作ったほうがいい。あれは基本として使えるシンプルなものだ」



基本のナンプラーにはちみつ、にんにく、オリーブオイルなんかを混ぜて即席の焼き肉のたれを作って王に味見させる。

ゴマ油のほうがいいが、これでも十分肉にはあう。

それに唐辛子の粉末を入れたり、トマトピューレを入れたりしながら味を変えて、いろんな味になることを伝える。



「なるほど、あれは基本か………。あれが出回ればそれだけで味が増えるな………」


「ただ魚醤は時間かかるぞ。ものによっては1年以上かかるかもな」


「それでも作り方は難しくない。すぐにでも取り掛からせよう」



やっぱり醤油味噌をこっちで作るのは難しいか……。

麹を増やすのもやり方わかんないしな。

俺が供給してたんじゃあ広がらない。



アルミホイルから丸ごと蒸し焼きにした肉にバーベキューソースをぶちまけて、再度軽く蒸し焼きにして、提供する。

向こうのバーベキューって大味だけど進むよね。

なんか悪いものでも入ってるんじゃなかろうか。



「馳走になった。明日は送ってくれるということだが、何時ごろ出発するのだ?」


「別に何時でもいいぞ。特にやることもないしな」


「では朝に一度クリージュに寄ってくれないか? 将棋を買って帰りたい」


「逆方向だが、あそこならすぐに帰ってこられる。 では明日昼前には出発だな」


「家畜は後で届けさせるが、魔道具は城から持って帰ってくれ。 どれもまともに動くようなものではないが、種類はいくつかある。 全部持っていって構わん」


「まあ研究し終わったら全部改良して返すさ」



俺は魔道具を研究してこの世界でエジソンに、いやダヴィンチに、いやドクター中松になるんだ‼

俺はスペアリブを頬張りながら、決意を新たにするのである。

すいません。

仕事が立て込んでて遅れました。

ブラック万歳。

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