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嫌な予感

始まりました!

閉店後の居酒屋で俺は、今日の売上の報告をあげるために計算をしていた。




「売上がこれで…客単が…目標が…」




いつもの作業だけにスムーズに進む。

大学在籍中からやっている居酒屋のバイトは、就職活動の失敗と店長からのゴリ押しによって正社員へと変わり、気づけば28。



明日もランチ営業で朝がはやいため報告を送った俺は裏口から外にでる。



「終電まであと10分、余裕だな」



終電帰りが普通になった。

俺はため息と共に鍵を閉めて、駅へ歩きだそうと振り返る。

いつもはエレベーターホールが目に映るはずが、その日はエレベーターホールどころか何も見えなかった。




「電気ついてないのか?」




天井も床も真っ暗なその空間で、自分の手足ははっきり見えている。裸である。




「イヤン(*ノ▽ノ)」




そんなバカを考えていると、後ろから不意に声がかけられた。




「余裕あるね(笑)」




振り返ればあるはずの居酒屋の裏口は消え、そこにニヤニヤした少年が立っていた。

恥ずかしい。


見られていたことを踏まえ、ここはボケ倒さねばと両手で胸を隠しさらに畳み掛ける。




「イヤァァァァァァァ、ちょっ、見ないでぇぇぇぇぇ!!」




「モロだしだよ!!」




この状態になってもボケを考える俺は多分疲れているのだろう。

さすがに12連勤は無茶だったか………




「転移だよ!!」


「マジで?」


「マジマジ」




とうとう俺にもチートスローライフのチャンスが!俺は全裸でコロンビアをする。

解放感が堪らない。




「スキルは何がいい?」


「ネットショッピング一択!」


「えー、勇者とか賢者とか魔王とかおすすめだよ?」


「そんなこと言ったってしょうがない。飲食店で働いてるのに、和食無しとか考えられぬ」




海外留学経験者である俺から言わせれば、どんな世界かもわからずに、味噌醤油抜きで生きていくなど不可能である。

味噌醤油はハーレムにも勝る物であり、女で失敗を繰り返した俺にハーレムとか地獄でしかない。

うまい飯と自由とちょっと中2病があれば男はいいのである!




「えー、なんかつまんない」


「ここでボケたら一生後悔する」


「ネットショッピングねぇ………。あっ、ネットショッピングでいいよ」


「"あっ"てなんだ」



ものすごく嫌な予感がする。

ニヤニヤしやがってクソガキめ。

絶対悪いこと考えてる顔だ。



「じゃあ転送するね!ついでに15歳ぐらいに若返らせて、ステータスも15歳にしてはいい方にしとくから」ニヤニヤ


「おい"あっ"てなんだ」


「じゃあ精々楽しませてくれよ!」




言い終わる前に急に落ちる感覚が襲う。




「"あっ"てなんだぁぁぁぁぁぁぁぁ」




目が覚めればそこは森のなか、木々はアホほど高く、耳を澄ませば鳥の鳴き声や、何か他の鳴き声も聞こえてくる。



「………天井すらないな」




服装は革のサンダル、麻ズボンに麻シャツである。




右手には何故か金貨と思われる硬貨が一枚。とりあえず、ステータスを確認しなければ何も分からない。




「ステータス」




そう唱えると、目の前にスマホほどの大きさの画面が開く。




ケン ミヤジマ

Lv.1

15歳

人間

HP50

MP50

スキル

ネットショッピング




「情報少なっ」




もうちょっと色々頂戴よ。

とりあえずネットショッピングを開き、装備を整えよう。




「ネットショッピング」




今度はパソコンほどの大きさの画面が開く。

書かれている文字を読んでいき、ネットショッピングを試そう。




「………なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


どうなる青年!?服は貰えるのか!?

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