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第6話 バレる

妄想の産物第6弾。


「最近何かいいことあったの?」


中学の友達である、あまがやに言われる。


「突然なんで?」


本当に突然だったのだ。一呼吸前は新しく買ったゲームの面白さを語っていたのに。さてはコイツ聞いてなかったな?


「会えば、やっぱりヲタクだなーって思うけど、最近ツイートの内容が前と違うっていうか…うまく説明できないけどリア充オーラを感じるから。」


リア充オーラってなんだよ。

ただまぁ、原因には心当たりがある。


最近ゆうちゃんとちょっといい感じなのだ。まぁ、常連客の枠は出てないけれど、たった1ヶ月で常連客になるほど通いつめた。

その頑張りは評価してほしい。


あと、服装とメイクも変えた。

できるだけレディに見えるように、手っ取り早く見た目だけでも店に飾ってあった写真の中のありささんに近づける努力をしている。

中身はそんな簡単にはいかないから長期的計画だ。


「ちょっと、ね」

はにかみながら答える。

あ、今の淑女っぽい。


「ふーん。ところでs…」


「ちょっと待って?!そこって『何々ー(о´∀`о)?』って聞くところでしょ?なんで流そうとすんの?!」


ビックリだよ。言葉のキャッチボールしようとしたら避けられた。


あまがやは頭を掻きながら、100歩譲ってもめんどくさそうとしか考えられない顔で答えた。


「別に話したいって言うなら聞くけど、話す気ないならわざわざ聞くこともないかなーって。」


なにこの子、そんなに私に興味ないの?え?友達だよね?


「というか人の恋愛事情とか知っている人同士でもない限り興味ないんだよね。」


あ、ただの性格か。


「聞けば面白いんだろうけど、わざわざ自分から聞こうとは思わないんだよ。仕方がない。で、どうする?話すの?」


興味ないのか。そっか。ゴメンね。

話すわ。聞いてよ。


目的地に向かいながら15分ほどの道のりで出会いから今までの会話、そしてゆうちゃんのかっこよさを余すことなく話した。いや、私の語彙力では全部なんて伝えきれるわけがない‼


目的地までの最後の信号に引っ掛かり、立ち止まる。

更に続けようとすると、あまがやが口を開いた。


「とりあえず、殴っていい?」


今までの会話に殴る要素ありましたっけ?!


「んー?強いて言えば可愛かったから??ほら、可愛い子って殴りたくなるじゃん。」


可愛いって言ってくれるのは嬉しいんだけどね?


「だってさぁ、小動物見ながら『かわいい~食べちゃいたーい』とか言ってる人いるじゃない。」


そんなこと言いながらもしっかり胸ぐらはつかんでいるんだよな。

基本常識人だと思ってたけど、やっぱ頭おかしいや。さすが私のオトモダチ…。


私Mだけどね、あまがやの拳はまじで痛いからできることならごめん被りたい。普段殴ってこない分、力を貯めているのだろうか。


タイミングよく信号が青に変わる。

「さぁ、行こう!アニメイトまでもうすぐだー!!」


逃げた。


「まぁ、殴るのは我慢するとして、実際問題、35歳の大人が19歳の子供をどうこう思わないでしょ。むしろ思ったら犯罪よ?」


ぐぅの音も出ない。


確かにそうなんだよな。

16歳差か。

二次元ならこのくらいの年の差なんてことないけど、リアルじゃそうもいかない。


本当、リアルなんてクソゲーだ。


「というか、ゆうちゃんさんの写真とか本当にないの?ゆーかのことだから盗撮の一つもしてると思ったのに。」


あまがやは私をなんだと思ってるんだ。


そんなことを話しているうちに目的地にたどり着く。


別に今日はどっかに行こうと思ってたわけじゃなくて、暇だったからあまがやに連絡したら漫画を買いに行くと言うからついてきただけだ。


まぁ、最近はゆうちゃんの所に通い詰めすぎて、新刊チェックも怠ってたし、ちょうどいい。


ちなみになんで今日暇だったかと言うと今日が21日だったから。

休みなのだからゆうちゃんに会いに行けない。


実際、楽しくお買い物しちゃったしね。ウッハウハだよ。


帰ってから読むの楽しみだ(^q^)

同人誌エリアの肥やしが増えた(^q^)ヒャッフー


財布が軽くなったのは大分辛いが、このなんとも言えない高揚感を買ったと思えば安いものだ。


結局あまがやは何も買わなかった。何しに来たんだよ、まったく。


ちょっとだけ袋の中を覗くとまたにやけてしまう。


と、


誰かと衝突した。

と言っても私は鍛えられた相手の胸筋によって対した衝撃を受けなかった。


後ろであまがやがちゃんと前を見ないからだって注意された。

まったくその通りです。


とりあえずごめんなさいと頭を下げた。大げさかもしれないが、場所柄変な人も多い。

大袈裟なくらいがちょうどいい。


「いえ、こちらこそ前を見てなかったので。」


ドクン…


え?嘘でしょ?

なんでこんなところにいるの?

人違い?


そんなわけない。私が彼の声を聞き間違えるはずがない。


おそるおそる顔をあげる。

そこには


全身を黒で統一した

紛れもなくゆうちゃんが立っていた。


ゆうかとあまがやが言った店はアニメイトです。

友達の趣味でゆうちゃんの服装は黒づくめですが、結構筋肉質のため危ないお仕事をしている人に間違えられそうです。

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