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【詩集】Shangri-La

ひとひら

作者: 野鶴善明

 春の光に舞った

 花びらひとひら

 けなげな桃色の

 かわいい花びら


 ふわっと飛んで

 梢をかすめ

 振り返りながら

 宙へ消えた


 お別れを

 言いにきたんだ

 ほんの短い

 巡り合いだったね


 お元気で

 さようなら

 名残りは

 惜しいけど


 命の消えた空

 花の香りの春の空

 雲のむこうへ

 還ったんだね


 夢のなかで

 ゆっくりおねむり

 あるがままの

 姿へ戻って


 いつか会えるよね

 かならずどこかで

 僕たちもまた

 風まかせの命だから


 春の光に踊った

 花びらひとひら

 純情可憐な

 花びらひとひら



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