色を探す恋
太陽は白
海は黒
森も黒
普通に生活をしてるひとなら
おかしいと思う色の認識です
私はうまれつき視覚障害をもっていて
すべてが白と黒にしか見えない病気です
私は月に3回程度 病院に通院し医師の本田先生の
診察をうけている。
「今月はなにか変わった事はあったかい?」
「いいえ、、」
私はこんな目のせいか性格も普通より断然暗い
しかし本田先生はそんな私にもいつも優しく
接してくれる、だから先生のことは嫌いではない
「そろそろ中学3年生かあ~受験も大変だけど
学園祭とか合唱祭とか楽しいもんなあ」
色のない私にはどちらも暇な時間を
もてあそぶだけだった
「先生、次の診察はいつですか?」
「次は、、今月の25日にまたきてくれ!」
「わかりました」
「またそれまでに変わった事があるといいな!」
「はい、ありがとうございました」
部屋をあとにすると、もう時間も遅いのか
私以外の患者さんは老夫婦と私のみになっていた
先生の言う変わったことと言うのは
もしかしたら、私の目はなにかおおきな心の衝撃をうけると
色がまた見えるようになるのかもしれない だそうだ
私は大きく深呼吸をし病院をあとにした
駐車場にいくと父親が私を待っていた
「おかえり、みち今日はどうだった?」
「いつもと変わらなかった」
「そうかそうか、いつかよくなるといいな」
「………」
そこから家まで15分
わたしは父と口をきかなかった
その日わたしは疲れていたのかシャワーをあびて
布団に横になるとすぐに眠りについてしまった
私はいままで1度も夢をみたことがなかった
きっと夢をみても白黒のつまらない世界が広がるだけ
そんな風に感じるようになったのも
中学にはいってからだっけな
私はそのまま深い眠りについた
日が私の目にささる
白黒のせいか日の光は、はっきりと
黒を白に変えてくれる
今日から学校だと思うとどこか憂鬱だった
朝食はお父さんと2人で済ませお互い 準備を
終えたら家を出る。
はあ、昔はあんなに色がなくて悲しんだ景色も
今は何も、感じなくなった
今日になにかを期待するでもなく
私は学校へと歩き始めた