92 過去の回間
今回の執筆者は、まーりゃんさんです。
また……ここに来るとは思わなかった。が、先程打って変わり景色が見える。
「此処は何処だ?」
氏景は息を飲んだ。初めて見る景色だが遠く懐かしい感じがした。
(……恭子)
目の前には恭子がいた……が良く見ると違う。
雰囲気と衣装が違っている。穏やかで母性愛が強く飛びきりの笑顔で洗濯物を干している。
『コレカラ見ルノハ一時ノ過去ダ。コレヲ見テ誰ニモ教エテハナラヌ。……良イナ』
自分であって自分でない声にこれが過去だと知った。
(何が始まるんだ?)
何故かこれから何が起きると、それも全て解っているような錯覚があった。
『コレカラ起キル事ハ変エラレヌ定メ……』
途端に声が聞こえなくなったが此れが避けられない運命の過去を見た。
洗濯を終えた恭子に似た人は家に戻ると小さな赤ん坊を抱いた。誰の子かなんて解っていた。
(俺の祖先だろうな……)
「やあ~素敵な奥さん。只今~今日は神様が恵みを与えてくれたぞ」
狩りに出たのか、その男は大きな獲物を持って満開の笑みを浮かべる俺がいた。どうやら二人は夫婦のようで幸せな家族に成っている。
「これなら当分精が着くものが食えるな」
「まぁ、この子の為に神様が恵みを与えてくれたのね。マキナもお疲れ様でした」
マキナと呼ばれた夫はこれから幸せな日々が続くと信んじて嬉しそうな顔だ。
(マキナ……?)
一体どう言う事だ。マキナと呼ばれた夫に違和感を感じたが数日は何とも無い平凡な日々を送っていた。
ところがある日。
一人の旅人はこの小さな村にやって来た。
次回の執筆者は、企画者の呉王夫差です。