83 指令書
今回の執筆者は、まーりゃんさんです。
渡された指令を読んで、瓦礫のまだ残る街に繰り出した。指令書は以下の通りであった。
ー指令書 氏景用ー
統括理事会や教団が作られる以前に存在する教会の一つで、デウス・エクス・マキナの現対向勢力である聖光真世会との接触を頼む。
又、聖光真世会の中にいると思われるデウス・エクス・マキナの人造魂(AI)の設計士の一人、アリス・エンダーグの協力を仰ぎたい。
以上ー
「マジかよ? またも人探し。それに接触って……」
トリスタンはいつどこでこんな情報を手にしているかわからないが、街の中で誰が聖光真世会の者なのかわからないが、とりあえず街中でそれらしい人を探していた。
「失礼ですが、あなた様が氏景さんですか?」
突然後ろから尋ねられて後ろに振り向きそ「はい」と答えた俺。
尋ねた女性は黒髪でつやがあり、滑らかな肌に日本の着物を連想させる服を纏っている。凜とした姿勢と穏やかな声からは奥ゆかしい大和撫子がいると思うほどだ。
俺は驚くほど心が動揺した。彼女は十人見ても振り返るほどの美人だ。かつてこんな女性が彼女ならと理想としていた時があった。今でもハッキリ言うとストライクゾーンで心が踊った。
「はい、俺が氏景たけど……?」
「突然のことお初にかかります。私、アヤノ・サリシオン・ディストールと申します」
アヤノ・サリシオン・ディストールと名乗った女性は、穏やかな微笑みで綺麗なお辞儀で礼をした。長髪が垂れ、見えるうなじに思わずドギッとした。
まさか、自分の理想像の女性が目の前にいるのに、何もせずいる男がいるだろうか。否、例え望み薄でも彼女から声を掛けられ、興味をかぎたてられない男はいない。
「お忙しい中、申し訳ありません。お時間を頂けたらと思いまして声をお掛けしました。宜しいでしょうか?」
「は、はい。えー、とアヤノさんと呼んでも?」
「はい、アヤノと呼び捨てにしてもかまいません」
笑顔で答えられて、俺の心臓がバクバクと脈を打っている。
「では、ここではなんですから落ち着いた場所でお話しを」
俺はアヤノの後について行く事にして軽食を出す喫茶店みたいな店に入り席に着いた。
「改めましてアヤノ・サリシオン・ディストールと申します。貴方が此方にいると神託のお告げよりお迎えに上がりました」
「お、お告げですか?」
「はい、聖光真世会の人物をお探しでは? それも重要な方を」
「はい。……ってわかるですか?」
「はい。神託により貴方を教会にお連れして。デウス・エクス・マキナの設計士に会わせなさいとお告げがありました」
「凄いッスね。その神様はそこまでわかるですか?」
「いえ、私も今まで巫女をしてましたが、こんな事は始めてのことでそれ以上の事はわかりませんでした。ですが神託があった以上お連れしなけらばなりません。それに……」
アヤノの顔が赤くなり視線を下に向け、手をモジモジしている。初々しく自分も緊張していた。
「良かった。人探しって結構疲れるから会いに来てくれるとは思ってもみなかったよ」
「それに……あ……の……これは別なんですが、噂を聞いていた方よりずっと誠実の方だったので良かったです」
「あっはは、そうでもないですよ」
「いえいえ、そんなご謙遜を……。お連れする前に聖光真世会の事をお話しましょう」
アヤノの話では、かつて教会は優秀かつ素質のある人達の遺伝子を残す為に作られた組織だった。
その為、様々な特異な能力や素質を持った一人の天才が、デウス・エクス・マキナの製造に賛成し協力した。だが途中で異変に察知して教会に戻り、身を隠していた。教会の内部でも知る者は数人との事。
アヤノも当時は知らなかったらしく、お告げにより真相を知ったとか。
「そ……れ……と……これは巫女長がお決めなるのですが、私は氏景様の遺伝子を残す巫女になれとおっしゃてまして」
「え、えーーーーー! ちょっと待って。遺伝子って」
「はい。私の役割はお連れするとのと氏景様と……その……子……作……」
「…………」
真っ赤な顔で下を向いているアヤノ。その為、先程からモジモジとしていたのだ。道理で恥ずかしい訳で。俺も急にそんな話になるとは思ってもなかったので言葉も出なかった。
次回の執筆者は、企画者の呉王夫差です。