56 部隊の指揮
今回の執筆者は、まーりゃんさんです。
皆で分け合いながら、少なからずメシにありつけた。が、やはり満足には至らない。
「ヤバイな。このままでは兵達の統率が難しくなりそうだ」
ルクレツィオは周りの兵達を見て、このままではいかないと思った。
兵達を率いる者にとって一番厄介な食糧難は兵達の不満を高まらせ、指揮に影響を及ぼす。一人が不満を漏らせば連鎖的に部隊はバラバラになり、逃げ出してゆく人も出て来るだろう。
現状、研究所の重要書類探しから、生存しているかわからない人物探しに津波から避難に救出、食糧難、心身モロモロ疲れきっている。
成果の一つも有れば皆は高揚とはいかないがやる気と希望が見えて来るが、今は逆の方向へといる。
「そうだね。このままでは指揮に影響が出るね」
プリヘーリヤもルクレツィオの一言で危機感がわかった。
「そこで救世主たちに頼みがある。この状況を変える一か八かの手段がある」
「ああ。なんでも言ってくれ」
「ん、なんだ」
「俺達に出来る事なら」
五十嵐先輩、山野、氏景はルクレツィオの頼みを聞いた。
「部隊を更に分けお前達にも指揮を取って貰いたい。今後、部隊を指揮していかなければならねえ時も出て来るだろうしさ。そのため今部隊を再編成し、各地の村から食糧を調達と言う目的で動いて欲しい。まぁぶっちゃけ、三人で食糧調達の競争して兵達の統率力を高めたいと思っているんだ。手段は任せるが、最低限のモラルだけは守ってくれ」
「なるほど、食糧調達と言え部隊同士で競争して成果を上げさせ統率力と取るか。考えたものだな、わかった」
五十嵐先輩はルクレツィオの作戦に偉く感心をしたのか、やる気になっていた。
「うわ~。やってもいいけど場所により優劣出て来るよ」
「ああ、それもわかっている。指揮の予行練習としても、やらないよりはマシになるだろうしさ」
山野は「う~わかった。少し時間かかるよ」とやる気を見せた。
そして氏景も指揮を取る事に異論はなかった。今後、皆と別々の作戦で部隊を指揮しなければいけない場面が出て来るかもしれない。
なにより2000人の兵達を統率するオズワルトやルクレツィオ、オドレイ達も負担は大きいだろう。
「ああ、俺もやるよ。いつまでも見て貰うだけではいられないからな」
責任は重大だが今ここでやっとけないと前に進めないと氏景は思った。
ルクレツィオは「では決まりだな。部隊の再編成はプリヘーリヤに任せるぜ」と言って席を立った。
「うん、わかった。各地の場所はオドレイちゃんに決めて貰うよ。ここらの地形や場所を知り尽くしているオドレイちゃんが適任だろうねっ」
「ああ、なら俺から伝える。あとは任せたぜ」
ルクレツィオはオドレイに伝えに席を外した。
次回の執筆者は、企画者の呉王夫差です。