42 果たしてうまくいくのか?
今回の執筆者は、まーりゃんさんです。
「あっはっは、ありがとよ! これで心置無くオドレイと話し(ケリ)が出来るぜ」
山野はオドレイになんて言うのだろう。
山野はオドレイを振る事が出来るだろうか。
いや、俺の予想では十中八九不可能だろうと思った。
サキュバスの性質上狙った獲物は逃さない。
様々な誘惑で山野に攻めるだろうし、いざと成ればドワーフの力で無理矢理にでも山野を食い尽くすだろう。いろんな意味で…。
そんな山野に対し心の中で合掌していた。
俺達は撤退の指示を受けて、ある大都市を目指している。次に向かう場所にはデウス・エクス・マキナの研究所の一つがあると聞いた。
かつて“調整員”だった恭子とルクレツィオ。ある事件の発端になった場所だ。
二人に何があって辞めざる負えない理由がわからないが、そこにデウス・エクス・マキナに関して重要な情報があるとの事で俺達は向かう事になった。
俺はまだオドレイから作って貰った銃の試射していないが行き着けに練習出来ればと思い、五十嵐先輩に相談した。
「そうだな。トレーニングの成果を試す為にも、少しだが遠周りして戦いの熟練度を高めて行こう。僕も新たな武具での実践したいしね」
それから俺達は途中から、少しだが遠回りして行く事になった。
◆◆◆◆◆
他の皆から離れる前に、オドレイからこの片手銃の使い方や性能を聞いた。
「ああ、その銃は要望通りに連射式にしたけど一度に撃てるのは十発が限度だよ」
オドレイはじー、と俺を見つめて更に言った。
「今の君の魔力出力でフルリロードすると三分位かかるかな?」
「え、三分?」
「う~ん、説明しづらいけど。その銃の一発は相当の威力だから、君の魔力出力に応じて一発一発が変わるからね。一発にどれくらいの魔力を込めるかは君次第ってわけさ。但し一発に魔力込め過ぎると暴発するから気を付けてね」
「マジ?」
「練射式だと銃の本体に負担かかるからね。後は実践で試して銃が耐えれなくなったら言ってね。少しぐらいなら調整出来るから」とオドレイは説明してくれた。
そして、前衛に俺と五十嵐先輩、山野がいる。
トレーニングの成果と新たな武具のテストをするためだ。
五十嵐先輩には両腕に盾に鈎爪と刃が着いている。接近戦を得意とする攻防一体の武具は五十嵐先輩に似合っていた。武道家のような素早いフットワークを生かし、鈎爪と刃での攻撃に盾があるので防御もバッチリだ。
俺は右手に連射式の魔導銃。一発の威力やどれくらいの速さで連射が出来るか楽しみだ。
ガンホルダーは腰にかけている。早く抜きやすく、すぐにでも撃てるようにと考えた。
そして山野はゲッソリしならがも後ろに着いて来ている。話しを聞くところ、オドレイが念に念を重ねて造る為に山野に迫ったらしい。
その結果山野の武具はカトラスでトンファーのようにくるくる回し攻防に優れた武具だった。
次回の執筆者は、企画者の呉王夫差です。