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夢を抱く少年 先達の軌跡 Glorious Feats (再投稿版)  作者: 磯別学園高校『空想世界研究部』なろう支部
30/194

30 疲労

 今回の執筆者は、鵠っちさんです。

「あー、だから言わんこっちゃねえんだ」


「そういうこと言うから、フラれることになったんじゃない? 少しは労ってあげたらどうなのさ?」


「別にフったフラれたとかいうわけじゃないし、お前こそ、今そういうこと言うなよ。それに、意識がないのに労ってどうすんだよ」


 倒れた恭子を軽々と背負いあげたルクレツィオと、茶化すプリヘーリヤ。

 その恭子の手首には、まだ少し血が滲んだ包帯を巻かれている。

 ああだのこうだの言い合っている二人を尻目に、とりあえず座れる場所に移動することになった。

 村に入ってきたところの近くに会議場があるらしく、恭子は仮眠室のベッドに寝かせておくそうだ。

 俺たちを守ってくれてありがとう。


「ざっと見てきましたところ、食料の備蓄は問題ないみたいです」


「はぁ、それはよかった。何もかも手遅れじゃあ、なんとも言えないからね」


 方々を確認してきたトリスタンに、さすがに気だるげな声の五十嵐先輩の返事。

 この人は体力さえ回復すれば、また今夜からでも筋トレを始めるだろう。

 いつもはなんとも思わないが、今はそういう日常が恋しい。


「氏景、そのいかにも疲れたような顔はやめろ。こんなときくらい山野を見習え」


「……部長。さすがに山野は見習いたくないです」


「へ? 部長、何か言いましたか? って、逃げなくてもいいじゃんか~」


 しつこく話しかけている山野の気が逸れたのを幸いと、五十嵐先輩とトリスタンの談笑に加わるプリヘーリヤ。

 部長が見習えと言った理由は分かっているが、その行動ゆえに、なんとなく納得できないのは仕方のないことだろう。

 見ると、部長も苦笑い気味なのだから、おあいこだと思う。


「……わかっているだろう?」


「分かってます。山野みたいにちょっとくらい無理しても笑えってことぐらい」


 そう、俺だけじゃない。

 みんな初めての実戦だったんだ。

 いつも通りに見えて、山野だってその笑顔には疲れが滲んでいる。

 そんなことに気づかないなんて、腐れ縁失格かもな。


「みなさん、少しは休めましたね。これからのことですが、とりあえず村の住人を呼び戻すことから始めましょう。ルクレツィオと氏景さん。お願いしますね」


「ということでよろしくな」


「はい、よろしく」


 ……ん、なんで俺たち二人なんだ?

 次回の執筆者は、企画者の呉王夫差です。

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