26 サイレント・ヴィレッジ
今回の執筆者は、アンドロマリウスさんです。
俺たちはとうとう村に着いた。
すると、山野が村を見て一言。
「なんか、貧困そうな村だな」
「……それは否定できないな」
確かに奴の言う通り、貧相な村だ。
これじゃあ、魔物の大群に木端微塵にされてもおかしくないな。
そのくらいに貧相な村だ。
「ここじゃあ、かわいこちゃんもいなさそうだな」
「黙れ山野」
「しかし、この村に本当に食料なんてあるのかね?」
「黙れ山野」
「少なくとも、わかりやすい場所には置いてないだろうな」
部長が今度は口を開いた。
「そうですね、たぶん、倉庫の地下室とかに隠してるんでしょうね」
するとまた、山野が話し始めた。
「っていうか、なんか、村の人もいなさそうだな」
「黙れ山野」
「なぁ氏景、なんかこの村怖くね?」
「黙れ山野」
「おいちょっと待てよ! 俺さっきからまじめな話しかしてねーぞ! なんで『黙れ山野』でお前は会話しようとするんだよ!?」
「黙れ山野」
「…………」
あ、黙った。まさか本当に黙るとは思わなかった。
「おーい、みんなー!」
げっ! この声は……。
俺が後ろを振り向くと、そこには案の定、プリヘーリヤが手を振っていた。
さらにややこしくなりそうだな……。
次回の執筆者は、鵠っちさんです。