23 ボケる少年
今回の執筆者は、アンドロマリウスさんです。
まぁ、今は授業に集中しよう。
これからいくつかの困難な道に行き着くだろうからな。
そういう意味でも、魔法の理論はきっちり、身に着けておくとしましょうか。
「話が逸れてしまいましたね。では、続きを始めるとしましょうか」
「はい。そうですね」
そして授業を再開しようとすると、またもや山野が手を挙げて、トリスタンに質問した。
「あの、もう一つ質問いいですか? トリタスンさん」
「トリスタンです。っというか、さっきまで言えてたのに、なんで急に間違えるんですか?」
「ハハハ……すいません」
「で、何でしょうか?」
「あ、それなんですけどね……」
山野、ますますアホに……。今後のあいつが心配だ。
ふと横を見ると、五十嵐先輩が、なんか哀れみの目で俺を見ている……。
ん!? なんで俺? 普通、山野を哀れみの目で見るだろう!?
なんで俺が哀れみの目で見られてんの!? わからない……。
まぁ、いいや。ほっとこ。
そんな俺の心配など知らずに、山野はトリスタンに再び質問した。
「その……呪文以外にも、魔力を取り出す方法があるとさっき言いましたよね?」
「はい。言いました」
「では、その呪文以外で魔力を取り出す方法って、ご存知で?」
山野は首を傾げながら尋ねた。
首を傾げながら質問する奴って、初めて見た……。
「さぁ……? それは存じ上げませんね」
「そうですか……」
「申し訳ございません」
「あ、いえいえ。それより、キリシタンさんは呪文以外で魔力を取り出す方法には興味ありますか?」
「ありえない言い間違えをしないでください。っというか、もうそれワザとですよね?」
「あ?あー……いえ、別に……そんなことない…………ですよ……?」
どうやらこの授業、こいつのせいで長くなりそうだ。
次回の執筆者は、鵠っちさんです。