20 からかう少女
今回の執筆者は、アンドロマリウスさんです。
「はぁ、今日はほんとに疲れたな……」
俺は自室のベットに腰掛けて、ため息をついていた。
魔導石探しの後は、ロクなことやってなかったな……。
何だよ、のぞきって……。
「まぁ、明日も早い。ここは早く寝て、体を休めよう……」
俺はベッドに潜り込む。ふかふかの布団が体を包み込む。
「やっぱり、風呂より就寝のほうが体を休めれるよな」
「うん、そうだね」
「だよな~、って、え!?」
体を起こし、いきなり声がした方向を向くと、そこにはプリヘーリヤが立っていた。
「プリン!」
「違うよ! プリちゃんだよ!」
「なんでお前、俺の部屋に……!?」
おいおい、冗談じゃないぜ。こんなとこ山野に見られたら、何言われるかわかったもんじゃねぇ!
「あー、とにかくプリン。とっとと出てってくれないか?」
「えー? あたし? そんなの決まってんじゃ~ん!」
プリヘーリヤは不敵な笑みを浮かべている。
あー、ダメだ。いやな予感しかしないぞ……。
「さっきの話の続きだよ!」
「さっきの話?」
サァ? ナンノコトヤラ……。
「とぼけないでよ。救世主様が恭子ちゃんのこと、どう思ってるかって話だよ」
ああくそ! やっぱりそれかよ! ふざけやがって!
「で、どうなのよ?」
くそ! 何なんだこいつは! やたら猫のような鋭い目で俺を見てきやがる……。
そんなに気になるものなのか?
「なんとも思ってねーよ!」
といえば嘘になるが……。
「本当に~?」
聞き方がすげーいやらしい。なんというか、口調がもうオッサン化してるぞ……。
「本当だよ……!」
といえばまたまた嘘になるが。
「ふ~ん、ヒッヒッヒ……!」
「!?」
な、なぜ急に笑った!? 何がおかしい!?
「そうかいそうかい、分かったよ。それじゃ、邪魔したね~」
プリヘーリヤは不気味な笑みを浮かべながら、部屋を出ていった。
………………。
何なんだあいつは? 出会った時からおかしいとは思ったが……。
あの不気味な笑みはある意味、何かを確信したような顔にも見えたが……。
「……とにかく、考えても何も始まらねぇ! もう寝よ」
俺は布団に再び潜る。
そして、夢に気味の悪い笑みのプリヘーリヤが出てきた。悪夢だった。
明日は、あいつに会わないようにしないとな……。
次回の執筆者は、鵠っちさんです。