2 初依頼
今回の執筆者は、猫人@白黒猫さんです。
さて、ここら辺で空想世界研究部のメンバーを紹介しよう。
まず日々研究に明け暮れている部長の木山俊。この奇々怪々な部活を創った張本人で、いずれは空想世界を発見すると豪語する変人だ。
次に部長と同じく三年生の五十嵐匡輔。
文化部にも関わらず己の身の鍛錬にいそしみ、時に部長に半ば強引に実験に参加させられる、見た目と口調は優しい―――がやたらスパルタ―――な頼もしいお方である。
そして小学校時代からの腐れ縁、山野晟。
コイツは良くも悪くもお調子者で、クラスのムードメーカー的存在。
入学式当日から同級生の女子や先輩にも気さくに、というか下心ありありで話しかけ、見事玉砕していた勇者だ。
最後にこの俺を含めて『空想世界研究部』が結成された。名前に惹かれて中に入ってみたら、部長に言いくるめられ、匡輔先輩に笑顔で歓迎され、そして更に腐れ縁の晟に引きずられるようにして入部した。
相変わらず変人たちの集まりだが、そんな中でも数少ない男子生徒、この高校では肩身の狭い男子生徒が集まれば、自然と会話する流れになるもんだ。
呑気にそんなことを考えていたら、誰かが部室のドアを遠慮がちにノックしてきた。
晟が素早い動きでドアを開けると、今回の依頼主となる佐藤恭子がおずおずと入ってきた。
彼女が開口一番発した言葉で、この空想世界研究部の運命の歯車は大きく回りだしたことだろう。
次回の執筆者は、叢鎚雷禍さんです。