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夢を抱く少年 先達の軌跡 Glorious Feats (再投稿版)  作者: 磯別学園高校『空想世界研究部』なろう支部
183/194

183 最後の街、キストリッツ攻略開始

 今回の執筆者も企画者の呉王夫差です。

「反乱軍はいよいよキストリッツの攻略を始めるそうです」


 ヴァレイダムを占領してから2か月後。反乱軍と共にダムの防衛に当たる俺達に恭子から朗報が入った。


「おお、いよいよか!」


「援軍も到着したし、ついに機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナに近づけるようになるんだねえ」


「はい。キストリッツの西の要衝、ガニアンブールも奪取しキストリッツは孤立状態。勝機は大いにあります!」


 世界各地で解放戦を終えた援軍が集結し、ついに最後の作戦の準備が整った。

 反乱軍は大きく二手に分かれ、ヴァレイダムとガニアンブールの両方からキストリッツを東西から攻略する。


「しかし大丈夫なのかい? ヴァレイダムとペトラスポリスを結ぶ兵站線は実質1本。理事会としても取り返したいところだし、機械兵の大軍に背後から奇襲されたりしたら……」


「それなんだけど、気になる話を聞いたんだよね~」


「気になる話?」


「うん。ガニアンブールを反乱軍が占領した時のことなんだけど、最初は機械兵の抵抗が強くて苦戦続きだったんだけど、ある時から急に機械兵が動かなくなって、そこからは全く抵抗を受けずに街を占領できたみたいだよ~」


「機械兵が全く動かなくなった? それは変だな……」


「それにガニアンブールはペトラスポリスと並ぶキストリッツ防衛の要。自発的に機械兵を止めて自ら挟み撃ちにされにいくなど考えられませんが……」


「機械兵の制御装置が壊れたとかじゃねえの?」


「それはないと思うよ~。ガニアンブールはキストリッツからたった40km。個別の制御装置がなくても、機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナが直接機械兵を操作できる距離のはずだから」


機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナの変調が頂点に達したのかもねえ。ハイパーハリケーンや大津波を強引に引き起こしたツケが回ってきたのかもねえ」


「あり得ますね……」


 世界的な人口調整に向けて、ただでさえ機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナは大量の機械兵を同時に動かしている。そのうえ、人工的な巨大災害を起こせばその負荷は計り知れない。

 理事会(彼ら)は結果を焦るばかり、足元が見えていなかったようだ。


「これこそ絶好の好機! 機械の化物にとどめの鉄槌を下そう!」


「おおおっ!」

 

 部長の掛け声で士気を上げる『空想世界研究部』。待ちに待った最終決戦の火蓋が切って落とされた。



 ◆◆◆◆◆



 事前情報の通り、キストリッツに到着するまで機械兵による抵抗をほとんど受けなかった。道中で無数の動かない機械兵を見かけては破壊する毎日。

 あまりに機械兵の攻撃がないため、俺達は罠や伏兵の可能性を考えて慎重に進軍していた。だが結局襲撃されることはなく、反乱軍はキストリッツとヴァレイダムの間の集落をまんまと落とすことに成功した。


「理事会の抵抗が全くありませんね……。本拠地の近くでここまで戦闘がないとかえって不安になります。何かを狙っているのでしょうか?」


「でも退路を断って包囲殲滅するなら、とっくにその兆候があってもおかしくないんだけどねえ」


「ほかの地域の部隊からも、機械兵の姿を全く見かけなくなったってお知らせもあるみたいだよ~?」


 キストリッツ周辺だけでなく、世界各地で機械兵の行動が止んでいるのか。これは制御装置云々じゃなく、本当に機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナ本体に異常があるようだ。


「キストリッツの攻略、案外あっさり決着がつきそうかも……」


「油断は禁物だよ氏景。そう思わせるのが理事会の狙いかもしれないんだから」


「わ、わかってますよ五十嵐先輩」


 先輩の指摘はごもっともだった。だがその指摘が的中することはなく、俺達は無傷でキストリッツの街の入り口に到着した。


「なんか最終決戦だと思って気を引き締めていたのに、拍子抜けもいいところだよな。これで白旗を挙げてくれば、俺たちは晴れて『救世主』としての務めを果たしたことになるんだがなー」


「いえ、まだ安心できません。キストリッツは全域が機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナのAIの制御下。機械兵の運用に使っていたエネルギーを、街の防衛に充てているとも考えられます」


「街全体がAIの制御下!? さすが異世界だ……」


「こりゃあ、機械兵以外にも罠がうじゃうじゃ待っていそうだねえ」


「では、入り口のドアを破壊しましょう」


 恭子の指示に従い、俺は反乱軍兵士の援護を受けながら自分の銃に魔力を装填し、入り口のドアめがけて発射。見事、ドアを木っ端微塵に砕き、突破口を開くことに成功した。


「よし、入るぞ……!」


 そして最終決戦の地に突入したその時ーー



「待っていたぞ、反乱軍……!」



 俺達の前に2人の人影が立ちはだかった。 

 次回の執筆者も企画者の呉王夫差です。

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