17 恋と魔導石の行方
今回の執筆者は、アンドロマリウスさんです。
反乱軍の援軍と合流した後、
「ねぇ、救世主様」
プリヘーリヤが話しかけてきた。
「何だプリン?」
「プ、プリンじゃない! プリちゃんだ!」
「で、何なんだよ?」
プリヘーリヤはおどけたように訊いてきた。
「救世主様は恭子ちゃんのこと、どう思ってるの?」
「はっ!?」
な、何をいきなり言い出すんだコイツは!?
プリヘーリヤは、俺の驚いた様子を見てニヤニヤしてやがる!
この女郎!
「え? 何? あらら? もしかして、え?」
うぜぇ……。
なにこいつ……。
「お前は小学生か!」
「さぁ?」
「何だよ、“さぁ?”って……」
段々よく分からないキャラになってきたぞコイツ……。
「さっさと行くぞ!
俺はプリヘーリヤを置いて、反乱軍の後を追った。
「あ、待ってよ~!」
プリヘーリヤも遅れて付いて来る。
◆◆◆◆◆
しばらく反乱軍のみんなと歩いていると、またもやプリヘーリヤが話しかけてきた。
「で、実際のところどうなの?」
「お前もしつこいな! 何でもないって!」
「気になるじゃ~ん!」
「俺は気にならない」
「何がですか?」
「ん? 俺が恭子のことをどう思ってるか……って、うわぁ!」
いつの間にやら、恭子が俺たちの会話に入り込んでいたようだ。
っというか、この状況はヤバい!
聞かれちまった……!
「私の……ことですか……?」
どうしよう、恭子の頬が若干赤くなってるような……!
「お前ら、さっきから何の会話してんだよ?」
俺は別の話題を振ることにした。
「ん? ああ魔導石? それなら……ってあれ? ない!?」
山野は珍しく焦った顔をしながら叫んだ。
そして確かに魔導石がない!
山野の叫び声で全員魔導石の方を見ると、さっきまであったそれが忽然と消えているのを、誰もが確認した。
なぜだ!? なぜ……?
「部長?」
俺はなぜか咄嗟に部長を疑った。
「言っておくが、俺は触ってないぞ?」
部長も焦ったように言っていた。
正直俺も焦っている。周りのみんなにも先輩にも聞いたが、誰もが忽然と姿を消したとか言ってる……。
そんなマジックみたいなことがあるのか?
さっきまで確かにここにあったのに!
何故無いんだ!?
見るとルクレツィオも焦っている。
これはかなりまずい状況になってきたな……。
次回の執筆者は、鵠っちさんです。