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夢を抱く少年 先達の軌跡 Glorious Feats (再投稿版)  作者: 磯別学園高校『空想世界研究部』なろう支部
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13 回答

 今回の執筆者は、鵠っちさんです。

 額から伝わる温かさに、思わず眠たくなってきそうだけれど、部長の問いに答えなければなるまいまい。

 とにかく、頭を働かさなければ。


「あの、1ついいですか」


「なんでしょうか」


「ここは……あれからどうなったんですか?」


 ここがどこだか訊いても、そもそも分かるはずもない。

 今は自分の状況を把握することにしよう。


「あなたが倒れてから、魔法でスペースを確保しました。あまり移動はしていません」


「そうですか……」


 魔法って便利なもんだよな。まあ、俺はどうやら、その魔法のせいで倒れたが。

 もう少し詳しく聞いていくと、どうやら俺が倒れてから3時間ほど経ったらしい。

 本来なら、一分一秒だって惜しいはずなのに。


「そんなに暗い顔をしないでください。あなたのお陰で。ここにいる皆は助かったのですから」


 その声につられて、ふと恭子を見ると、少しばかり涙の跡が窺える。

 共に戦ってきた仲間がいなくなったのだ、その心の内をわざわざ掘り返すこともない。


「もう大分、顔色も良くなったようだな氏景。どうだ、答えはわかったか」


 部長の問いの内容は、『神に対抗するには何になればよい』だったはず。


「神に対抗するには……“神になる”でしょうか?」


「くくっ、ははははははは。お前、本気でそんなことを言ってるのか?」


 周りからも笑い声が聞こえる。

 どうやら皆に笑われてしまったようだが、冷めた笑いではないようだ。


「もう1回聞く。神に対抗するには何になればよい?」


「え……」


「くくくっ、氏景さん。あなたはどうやって神になるというのですか?」


「あ……」


 確かに、神になるにはどうすれば良いのだろうか。

 神話なんかでは、凄い人が天に上げられるなんて話があった気もするが、俺はそんな人間じゃない。


「最終回答の時間だ氏景。『機械仕掛けの神に対抗するには、何になればよい』」


「機械、仕掛け……。技術者、ですか?」


「さっきとどっこいだな、氏景」


 スッと額に感じていた温かさがなくなると、顔を背ける恭子を観察してみた。

 ……肩が揺れている。さっきのを失笑とすると、今度のは苦笑だろう。そう感じた。


 それにしても、俺が気を失っている間に色々話していたのか。

 山野まで知っているとなると、なぜだか悔しい。


 俺が動けるようになったので、魔法で作ったというスペースを解体してから、さらに進む。

 解体は、あっという間の出来事だった。


 また森の中を歩くと思いきや、どこかの地下施設へと入っていく。

 聞けば、ここは近道なのだそうだ。まさに地下道(ちかみち)

 山野が言うかと思ったが残念だ。……言えよ腐れ縁。


「……あそこです」


 地上と地下を行き来しつつ、ようやくたどり着いたのは高い崖の下。

 指差されたのは、途中にぽっかりと開いた大穴。

 え、俺フリークライミングなんか、やったことないんですけど…………。



 次回の執筆者は、企画者の呉王夫差です。

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