義姫〜回想〜
義姫さんが現実をうけとめられず狂っています。
苦手な方は飛ばして下さい
「義姫様、厳しい話ですが、聞く心の準備はありますか?」
典医からつげられたのは、我が子の失明...
あばたはあまりのこらず、順調に回復していくなか、代償とでも言う様に比例して腫れ上がり...失明してしまったのだ。
可愛らしくて、聡かった我が子...
たった一人の子の失明を聞いて、義姫は耐えられなかった。
そんなことなぞあるまいと、立ち上がり、急いで愛しい我が子の元に向かった。
「母様!!」
部屋に入ると我が子の元気で嬉しそうな声が聞こえた。
ほら、我が子は元気じゃないか。
しかし、遊びを止めて振り返った我が子の右眼は....
腫れ上がり、瞼がめくれて恐ろしい物だった。
「ばっ、化け物!!」
我が子が叫んだ声も耳に入らなかった。
ただ、愛しい我が子の右眼が腫れ上がり異形になったという現実が受け止められず逃げ出した。
侍女がいっても夫がいってもただ、
「梵天丸は鬼に喰われてしまった」
というだけでもう会いにいかなくなった
そう、目が腫れたというだけであれだけ愛した子を捨てたのだ。
一年後、新たな命が腹に宿ったことをしった。
鬼に喰われいなくなった愛しい我が子の変わりに愛そうと決めた。
鬼に喰われぬよう我がもとで慈しみ、大切に育てた。
梵天丸、貴方が死んだのは辛かったですが、貴方の弟を貴方の変わりに生き甲斐としてあきていきますね。