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父親のこういうところが嫌い


 ジリリリリリ。

 目覚まし時計の音が鳴っている。

 起きなくては、そんな思いが私の中にあるが、布団が恋しくまだ全然起きる気


にはなれない。

 ジリリリリリ。

 あと、五分そう思いながら私は時計のスイッチを止めた。




 父親のこういうところが嫌い―――――




「あーーーーーっ!」

 私が目を覚まし時計を見るともう遅刻ギリギリではないが余裕があまり無いほ


どには時間が過ぎ去っていた。

 急いで支度をしなくてわ……。

 私は目を擦りながら、タンスの中を漁り適当に服を選んで着替えた。

 駆け足で一階まで降りていくとそこには、キッチンに立っているママと、椅子


に座って新聞を読んでいるパパがいた。

「おーっ、やっと起きたか寝ぼすけさんめ」

 パパは新聞を読むのをやめ、私に話しかけてきた。

 うるさいなぁ、早く支度しないといけないのに。

 私は、おはよと短くそれだけ返し、早速歯を磨きに行く。私は食べる前に歯を


磨く派だ。後の方が良いらしいけど。

 歯を磨き終えたら、椅子に座って既に用意されていた食パンを食べた。

 見ると、パパはよよよと泣いていた。いや、涙は流していないけど。

 私が食べているとママが、先ほど作っていたのであろうスクランブルエッグを


お皿にもってよこしてきた。

「ダメよ? 琴音。忙しくてもパパの相手をちゃんとしなきゃ。じゃないと、い


じけてあとでママが大変だわ」

「そうだね」

 ママはそうはいうものの顔は微笑んでいるままだった。

 私はそういっているママは口では大変と言う物のパパを慰める時間が好きであ


ると言う事を。

「そうだぞ、琴音ちゃん。パパはなぁ。パパはなぁ。寂しいと死んじゃうんだ。


うさぎよりか弱き生き物なんだぞ。もっとパパの相手をしたまえ!!」

「はいはい、あなたも。琴音はちょっとお寝坊しちゃって時間が無いんだからか


まわないの」

 見るとママが、パパの頭を撫でていた。

 全くパパも良い歳なんだからもうちょっと落ち着いて欲しいよね。


「ごちそうさま!!」

 私は食べ終わると、ランドセルを背負って「いってきます」と言い扉を開け放


って玄関へと直行した。

 途中で「いってらっしゃい」とパパの声が聞えたので振り返ってみるとママに


抱きつき頭を撫でてもらっている所だった。


 全く本当にパパには落ち着いて欲しい。

 なんで、あんな恥ずかしい事を堂々と家の中でもできるのか。まったく。

 私はパパのそんな所が嫌いだ。

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