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クレセリアの軌跡  作者: もちずき
第二章 不可思議すぎる光景
9/44

No,1 立てこもり事件?

今回から第二章です!

相変わらず拙い文章ですが、よろしくお願いしますm(_ _;)m



実はパソコンのバグが起こり、この話を編集しようとしたら一部(殆ど)が消えてしまったため書き直しました。

その為少し前の文と違いますが内容は同じです。


すみませんでした!


家が見つかった。

家賃は10万円で私にとってはちょっと痛いが、2LDKで広く、何より駅前なので近くに店がたくさんあり、便利なのだ!

さらにさらにさらに!リビングには綺麗に細工された壁があるし、ふかふかのベッドも付いてくる!!

あぁ・・・なんて素晴らしい部屋なんだろう!これで家賃10万は安すぎよ♪

でも家賃10万以上は払えません、どうしよう・・・

この棚もタンスも職人業としか言えないような細かい細工が施されておりああぁ何て綺麗で素晴らしい家具なのだろう。

この家具があり、あの家が成り立つ・・・・・

ふふふふふ、うふふふふふふふふふ!!


※ミラの心の中です。




「よお!ミラ元気かぁ?」

町の大通りを歩いていると後ろから声を掛けられた。


「カルス!」


彼は第126班の最後の一人でミラの学生時代からの友達だ。

年齢はひとつ上だが・・・・・

ちなみに遅刻の原因は彼女とのデートすっぽかそうとしたこと。

全く持ってどうしようもない。


「最近目も合わせてくれないから嫌われたと思ってたよ!」

「俺がお前を嫌う訳ねぇだろ?」


二人は笑い合う。


「ところで、何でお前は非番の日まで制服着てるんだ?」

カルスは街を巡回中だから当たり前だとして、非番のミラまで軍の制服を着ているのは変だ。


「あぁ、服無くってさ!」

出かけるための私服が一着もないミラは基本的に制服なのだ。


(あああぁぁぁぁ!!!一緒に服選んでやろうかって言いたい言いたい!でもまだ付き合ってもいない男女が一緒に服買いに行くって変だよな・・・クソッ!)

カルスの脳内はこんな感じであった。


「お前・・・ふ、服くらい買っとけよ。」

ようやくでた言葉がこれである。


「うん。でも服選ぶの面倒臭くて・・・」

ミラの言葉にカルスはビクンと過剰に反応する。

(よし!今度こそ違和感無く言える状況だぞ!!言ってやる言ってやる言ってやる!!!)

勇気を振り絞った。

「あのさミラ!」

「ん?何?」

緊張が腹の内から込み上げてくる。それでもカルスは抑え込んで口を開く。


「もし良かったら、一緒選んで・・・」


そこまで言った時だった。

きゃあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!

という物凄い悲鳴が街の通りにこだました。

「何!?」

ミラはカルスの言葉を聞くことなく声のした方向まで走っていった。


辺りにはカルスが取り残される。

「ちょ・・・待てよミラ!!」

急いでミラを追いかけた。



ミラが辺りに着くと一人の女性が座り込んでいた。

「何かあったんですか?」

ミラはすかさず女性に聞く。

「わ、私の娘が人質にされてしまって・・・魔人たちが私の娘を人質にバスに立てごもってしまったの!」

女性はかなり動揺しながら答える。

「魔人が、ですか?」

「えぇ・・・・・」

ミラがそこまで話すとカルスが駆け付けた。

「おいミラ!勝手に行くなよ!!」

「カルス。急いでロン班長に連絡して!」

ミラは事情を説明してカルスに電話させる。


本来なら先輩であるカルスが率先すべきなのだが、今のカルスの頭にはそれを考えられなかった。

「分かった!」

(クソッ!どこのどいつだあのタイミングで立てこもりなんてしやがった野郎は・・・)

カルスは怒りで震えていた。


「ミラ。連絡したぜ。現場待機だとさ・・・・・」

「うん、分かったよ。」

ミラもその方が良いと思っていた。

しかし、次の瞬間、子供の悲鳴が聞こえてきた。


きゃあああぁぁぁぁ!!!


「「っ!?」」

二人はその声に反応した。


「・・・・・カルス、やっぱり突入しよう。」

「はぁ!?お前、今突入するのがどれだけ危険か分からない訳じゃねぇよな?」

カルスはミラを睨み付ける。


「早く突入しないと、子供が危険かもしれない。」

ミラの表情はかなり険しかった。

「人質を見捨てることは私にはできない。」

そう言い終えるとミラはナイフを構えた。いつもは短剣を愛用しているのだが、今日は持っていなかった。


ナイフ自体は護身用だったが、柄の部分が単発式の拳銃にもなる優れものだった。


「ふぅ・・・分かったよ!」

「えっ?」

「俺も加わった方が成功率も上がるだろ?」

カルスも拳銃を構えた。

ミラの性格をよく理解しているカルスはこれ以上言っても無駄と判断したのだった。


「じゃあ、いちにぃのさんで突入な?」

「うん。分かった!」

二人は目線を合わせて頷き合う。


「「1、2の3!!!」」


バリンッと窓割って思いきり中に入り込む。

すると中には魔人ではなく魔獣が7体いた。ちなみに魔獣は人型をしているが、毛などがぼおぼおで人の言葉が通じない。


「グガァ!!ガゥグルギャァ!!!」

「何言ってんだ?」

「お前ら、あいつの仲間か!!っだってさ。」

カルスの抱いた疑問にミラが横から説明する。

「はぁ?」

「私、昔から魔獣と会話出来るのが特技だったんだ。」

ミラのまさかの特技にカルスは言葉を失って驚く。


「グゥ・・・ガルギャァ?」

ミラは魔獣語で問い掛ける。

「グガァ!!ガルガルグギャア!!!」

魔獣は思いきり叫んで跳びかかってくる。

「なんだって!?」

「駄目・・・話を聞いてくれない!!」

二人は武器を構える。

そして跳びかかってきた魔獣をナイフで切りつける。

続いて二人は片っ端から魔獣たちを切り、撃ち抜いていく。

あまりの速さに魔獣たちは追い付けなかった。

決着は言うまでもない。




「現場待機って言ったんだがな・・・」


カルスの連絡でロンとフレデリックがやって来た。

最も、既に制圧してしまったが・・・

「まぁ良いじゃねぇか別に。ちゃんと制圧出来たんだしよ!」

カルスは班長のロンにまでため口をきいている。

「全く、お前ら二人には明日始末書書いてもらうからな・・・」

「「えええぇぇぇぇぇ!?」」

二人の声が重なる。

「まぁ、とりあえず解決できたから良かったがな・・・というか、確かお前らの報告じゃ魔獣じゃなくて魔人じゃ無かったか?」

「うん。でも突入したら・・・魔獣だったんだ・・・・・」

そこまで言ってミラは可笑しい点に気付く。


(あれ?いくらなんでも魔人と魔獣を間違えるか?)


人間と魔人が間違われることはよくある。

見た目もそっくりだし、角や羽が生えていない限り見分けがつかない。

しかし、魔人と魔獣はどうやったって間違えようが無い。

魔獣は体中毛皮に覆われており、いわば獣人なのだ。

見間違えるはずがない。


(じゃあ何であの人はあいつらを魔人って言ったんだろう・・・)


ミラは即座に辺りを見回した。

人質の子供とその母親の姿がどこにも無かった。

ミラの首筋には嫌な汗が流れてきた。緊張が張りつめてくる。


ミラは急いで走り出した。

何故かは分からないが、体が勝手に走り出していた。


後ろからフレデリックが自分を呼ぶ声が聞こえたが、振り返らずに走った。



ミラには何故か二人がどこにいるのか匂いのような感覚で分かる気がした。



何かが変だ。

何かが可笑しい。


ミラの胸の中にはそんな不安が溢れようとしていた。

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