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【二章開始】狂信者は今日も刈り取る~畜生以下の存在には最期に夢を魅せましょう~  作者: いさな
1章.廃棄少年は神からの救いを経て信徒となる

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第13話 狩りとは獲物の全てを得ること

 外から聞こえる鳥の鳴き声で目覚めた俺はいつも通り、ライトヒーリングとリフレッシュをかけてから身体を起こす。

 

 昨日は鉱魔獣の死体を持ち帰った後、黒い狼の解体をしただけで眠気が襲ってきたことでそれ以外のことは出来ていない。


 それに解体にも魔法を使った慣れない方法を試したせいもあるかもな。


 解体は光魔法を使って行ったのだが、普通に肉は切れたし変に抵抗される感覚も無かった。

 だが、額から生えていた鉱石の部分だけは刃を通すことも光魔法が分解することも叶わなかったため、放置している状態だ。


 これから先、魔鉱石の研究は必要だろうが、とにかく今は肉が手に入ったことを喜ぼう。


「本当に光魔法は万能だな。これが無かったら俺は三日目くらいで死んでいただろう」


 人は案外傷ひとつで軽く死んでしまうと親父に言われたことがある。こんな森のなかだとよくわからない虫に噛まれるだけで致命傷になる可能性も考えられるだろう。


 それを防げる光魔法を持った夢月族に生んでくれた両親に感謝しながら視界の隅に映る、鉱魔獣の肉に視線を向けた。


「こう見たらただの肉だよな......でも、触るとなんか砂みたいな感触がするのがちょっと不安だけど」


 肉を持ち上げてみるが、指で少し押したり匂いを嗅いだりしてみても感触以外は普通に村で食べていた肉と変わらない。


 命を奪った以上、食えるなら糧にするべきだとは思うがどうなるだろうか。


「火も無いし、生でいくしかないよな。頼むぞ、悪食の気狂い......シャーマ様へ命をいただく感謝を」


 目の前で手のひらを合わせて『光線解体』を使用して塊肉から食べる量を切り取る。今まで通り、回復させる準備だけはしてから口に入れる。


 ゆっくりと咀嚼していると、口の中に砂を入れたようなじゃりじゃりとしたものが口に広がる。味もこんな場所で生きていなければ確実に吐き出すであろう獣臭さと血の味しか感じない。


「くっそ不味いな......まぁ、動物の肉だけ食べていくのは現実的ではないし、しょうがないんだけど」


 最近はイノシシやリスのような動物を見かけない日も増えてきたからな。好き嫌いをしている場合じゃない。


 眉をひそめながら、どうにか喉の奥へ押し込んだ。その瞬間、体温が急速に下がったあと、血が沸騰するかのような熱さに上がりまた下がるを繰り返す。


「がっ!?な、なんだ......これ!」


 毒耐性も無知の血も発動しているのかわからないほど、急激に変化を繰り返す体温におかしくなりそうになりながらどうにか即時回復とライトヒーリングを発動させて治せないかを試みる。


 だが、体温の変化は止まる気配が無く、内側から俺の身体を壊していく。


 その場でうずくまり、この異常が収まってくれと願いながら誰もいない洞窟でうめき声を上げながら耐え続けるしかできない。


(変なものを食べておかしくなるのはいつものこと!耐え続けるんだ......!!)


 汗が滲み出て、視界も明滅し始める。何故か額に鋭い痛みを感じるが、そんなことも気にならないほどの不快感が俺のことを襲う。


 どれくらいそうやってうずくまっていたかもわからなくなるほど時間を経て、やっと立つことが出来るくらいまで回復した。


 吐き気を催す程の気持ち悪さと体力の消費による疲れを感じながら、なんとか立ち上がり今起こったことを整理するために顎に手を当てて考え込む。


「死ぬかと思った......ただ鉱魔獣を食っただけだぞ。こういうものに耐性が出来たはずの俺でこれなら、普通は死んでるな」


 でも、今までの経験上あれだけ苦しい思いをしたなら何かしらの変化が起こっていて欲しいところ。


 とりあえずもう少し落ち着いたら確認しよう。


「頭が痛い......なんか熱も感じるし......」


 俺は痛みを感じる額に手を伸ばしたが、これまでは無かった変な突起のようなものに触れる。


 なんだこれ、鉄みたいに冷たいけどなんかどくどくと脈動している。これ、もしかしなくても俺から生えているような......


 突起から下に手を移動させていくと、俺の額に当たった。接合部が完璧に俺の皮膚から出ている。


 ただ肉を食っただけで角が生えるなんてありえるのか?スキルを手に入れたり、魔力が増えることはあるが、角が生えるなど、聞いたことが無い。


「そ、そうだ!何かステータスに書いてあるかも!」


 焦る心を抑えながら俺はステータスを開いた。


 名前:ゼノヴェル

 年齢:11歳

 種族:夢月族 鉱■獣


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【神導武器】

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【特殊】試練の大鎌

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【スキル】

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【通常】農作業Ⅰ


【得意】大鎌術Ⅲ

 アーツ〈袈裟刈り・首刈り・地滑り・刃穿ち〉


【種族】魔力操作Ⅴ

 アーツ〈肉体強化・外部放出・魔力形成・属性エンチャント・魔力粒子化・属性混合〉


【通常】毒耐性Ⅱ


【特殊】マジックタンク


【特殊】無知の血


【特殊】魔力の解放


【特殊】即時回復


【特殊】悪食の気狂い


【固有】殺した貴方は夢を魅る《メメント・ソムニス》


【■■】ロー■ホーンウ■フの角


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【魔法】

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【得意】光魔法Ⅳ

 魔法〈微かな光球・ライトヒーリング・リフレッシュ・光線解体・フラッシュ〉

 

【種族】夢魔法Ⅱ

 魔法〈仮初の夜空・夢は幻想《ドリームイリュージョン》〉 


【特殊】限界魔法《オーバーマジック》


【種族・特殊】月光魔法Ⅰ

 魔法〈月からの夜明け〉

 アーツ〈満月の首落とし〉

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【称号】

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


【初期】試練を受ける者

 └ 暗影の神シャーマから試練を受けた者に与えられる称号

 試練終了時まで神導武器成長不可


【特殊】心からの慈悲を与える者

 └ 慈悲を与えたいと心の底から願った者に与えられる証

 精神力上昇


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「なんだ......これ」


 な、なんか文字化けしている箇所があるし、種族が増えてる......


 俺がやったことといえば鉱魔獣の肉を食ったくらいだ。


 これはあれか、今まで鉱魔獣を食った人はあの異常で死んでたけど俺はこれまでの経験とスキルのおかげで奇跡的に生き残れた。

 ただそれは、想定されていないことだから、こんな変な状態になってるのかも?


「あの狼も角が生えてたからそれが俺にも生えた......と。これ、もしかして鉱魔獣を食い続ければその力を得られる?」


 シャーマ様から授かった知識によれば、鉱魔獣が脅威とされているのはその身から生えている魔鉱石が一般の動物よりも能力を向上させるから、ということらしい。


 何故俺に生えたかは正確にはわからないが、無知の血が鉱魔獣の毒性を持つ血への抗体を作り、悪食の気狂いが吸収した。これなら理屈としては筋が通っている。


 このまま鉱魔獣を吸収していけば、想像以上の力が手に入るかも......


「それなら食う以外の選択肢は無いな。見た目はどんどん人外のものになっていくかもしれないけど、それでも生き残る方が大切だろ。死んだらシャーマ様へ恩返しも出来ないしな」


 どんな手を使ってでも生き残るんだ。森を出たあとにどう思われるかなんて後から考えればいい。


「これから鉱魔獣を食いまくろう。鉱魔獣の強さを合わせたキメラになれば俺がこの森の主にもなれるかもしれない」


 相手を糧にして己の力とする。それこそが狩りであり、弱肉強食ということだろう。



 ========


【作者からお願い】


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